goo blog サービス終了のお知らせ 

御伽噺19

Copyright:(C) 2009-2010 shinya komatsu. All Rights Reserved

願い

2010-02-28 13:10:53 | 日記
   『願い』

 私は誰かと週に一回寝ている。血が出る事もあるが、気にしてはいられない。適当に場を和ましている。17才の冬だ。勉強はしない。ただ男と遊んでいればいい。20になったら、結婚を考えてもいい。そんな目標を待っている。
 学校は退屈だ。煙草は禁煙した。酒も絶って久しい。禁断の二つのアイテムを捨てる事で、している時が唯一の娯楽になった。
――私は14才から付き合っている恋人がいた。とても好きで、ずっと中学時代は付き合えると思っていた。でも、半年で別れた。他に好きな女ができたようだ。私には
「綺麗だよ」
と言っていた。将来はかなりの美人になれると思うよ。そう言ってくれた。でも、可愛くてもてる相手を彼氏は選んだ。家に帰って、シャワーを浴びた。心の涙を洗い流してくれた。いつか恋愛するように願いを込めた。きっとそれが私にとって良い事。そう願う――
 煙草を吸うように、また、なった。煙草屋の親友が、煙草を勧めてくれる。
「美味しいよ」
「ありがとう。バイト代は出ているの?」
「男とデートに行く費用ぐらいわね」
「煙草を止めていた時期もあったけど、18才になってまた吸い始めた」
「酒は?」
「多少」
私は、酒なんかよりも煙草が一番心地いい。自分に合っている気がする。
 私は、男と寝ながら、ずっと若いままでいたいなと思った。ナンパされやすいし、イケメンが寄って来るからだ。遊びならイケメン。そして、20になったら、見合いをする。煙草屋の長男と結婚の話が来ている。サラリーマンをやっているらしい。煙草屋の親友が二人で暇な時に喋っていよう。こう誘い文句を掛けてきた。
 煙草も好きだし、親友とも居られる。
「女遍歴どのくらいなの?」
「5人と付き合ったらしいよ。最長三年。性格も明るいから、悪くないと思うよ」
「そっか。それなら安心だね。やる事以外出来る事はあんまりないからさ。まあ、ルックスも良さそうだね」
「まあまあ。じゃない。煙草屋の実家のくせに煙草吸わないんだよ」
そんな事を煙草屋の中で喋っていた。きっと慣れている。
私は高校三年の秋で、一緒に通学する事になった。そして、20になったら、見合いをしたかった。でも、高卒ですぐに結婚してもいいやと思った。一夜で確かめて。
 とにかく、高校卒業まで少しになった。男たちとは別れを言い放つ。携帯を変えた。もう遊ばなくなった。
 私は二度目の付き合いはしてみようと思った。願いは叶う。
高校卒業した。そして、一年付き合って、この人なら愛せるな。そう思った。
プロポーズは高級な煙草と安そうな指輪だった。そして、晴れて結婚ができた。結婚式も挙げずに、夫婦になった。結婚届だけは出しておいた。高校卒業する日に。
そして、煙草屋の親友と、喋りながら商売をしている。
「よかった。一人じゃ淋しくてさ」
「これからは、淋しくないよ」
そうして、私たちは関係が深まり、いい職場に恵まれたと思った。
夫とは上手く行っている。人を愛した事がないから、戸惑っている。でも、好きになった。愛せるようになった。
 デートはホテルだけだけど、ずっと満足している。毎週日曜日の夜に、愛し合う。永遠にはならない。ただやれるうちにやっとこうと思った。不倫はしない。それがポリシーだ。
 そして、昔の彼氏は完全に思い出になった。涙も出ないし、よく今となっては思い出せない。ホテルで寝ている時、夫からこう言われた。
「妹をよろしくな」
「ええ」
そんな短い単語で想いを込めている。ずっと、このまま楽しい生活が続けばいいなと思った。
 

私と親友

2010-02-28 09:24:22 | 日記
   『私と親友』

 中学校からの親友だ。私と親友は。一緒に飼っている鶏を食べたりしながら、ここまで一緒にいた。この先も結婚しても、同棲プラス親友との共同で暮らす事になりそうだ。
 他にも、何故か二人で遊園地に行き、ベルトをしないで、ジェットコースターに二人で殴り込みをかける。観覧車では隣に座った。二人とも彼氏はいたが、日曜日は親友と遊ぶ事に決めている。
 一緒に生活することになった。中学三年の終わりから。
 高校時代でも勿論恋人をこしらえてきた。彼氏と付き合う事で精神的にも大人になる。門限は夜の11時とした。違反したら、食事を作ってくれるように、ルールがある。まだ違反した事はないが。
 いつも、私は喉が渇く。その為コーラをいつも飲んでいる。ゲップは出ない。私は、いつも傍にいる。朝飯は食パンにチョコレートを塗って食べる。
 私が「可愛い」と言われ、親友は「美人」と評される。背も私の方が低い。ブラジャーのカップも一緒だ。
 私はセミダブルベッドで寝る。高校生活ではこの「同棲」生活は暴露する事はない。私は親友と死ぬまで一緒にいる事を誓った。
 近くの教会で、競馬新聞を見ている。三回きりだったが。学校では暑い日には行かない。授業のノートは親友の友人が渡してくれるから。
 高校生活も残すところ二年とちょっと。長すぎるね。お互い愚痴っていた。
 煙草もお互い口をつける。煙草代も馬鹿にならないので、一日10本と決めている。灰皿がある。
「私さ。いつか結婚しても一緒に生活をしたい」
「私も同じだけど、結婚しなくてもいいんじゃない?」
「確かに」
夏休みは鮪漁船でミスドのドーナツを食いながら、鮪を釣っていた。私たちは漁師たちに謝礼を頂いて、その市場で大トロを貰った。二切れだけど。
「すごいね。大トロなんて初めて食べるよ」
私も大トロの刺身なんて見た事がない。私は言葉を進めた。
「100万円もらっちゃたね」
「そんなにもらったの?」
「当たり前じゃない。私が全部釣ったもの」
 そして、親友と紅葉を観に行き、散って行く『私たちの淋しさ』
若くして死なないで欲しいと私は思った。
 そして、何故か夜まで二人で紅葉を見ていた。月の光に照らされ、紅葉は余計悲しくなってしまう。ずっとこのままでいたいなと思った。彼氏は替えられても、親友は一人しかいない。
私は『カツオ』の大ファンだ。親友も『カツオ』を応援しているらしい。やっぱり趣味趣向が合う。30分が長く感じた。沢山の視聴者がいるだろう。『カツオ』三本だてがあればいいなと思った。
 彼氏とは平日に愛し合っている。何か燃え滾っていくものがない。そう思った。
 親友が私もそうだねと言ってきた。洒落で結婚式をしおうか。そんな話も出た。私から切り出した。
「お互い制服で頬にキスをして、二人だけの結婚式を挙げる。私たちに相応しいんじゃない?」
「いいね」
高校一年で二人の彼氏との恋が終った。私たちは全然堪えなかった。ずっと、一緒にいるんだろうなと思った。
 私たちは高校卒業したら、結婚をしようと本格的に語った。
「いいねえ。そうしよう」
そうして、高校二年から、赤点の猛勉強をするようになり、学校で二人して煙草を吸っているのを校長に見つかった。
 学校をクビになった。っていうか辞めた。通信高校生になって、一旗上げるかと相談した。そして、私たちは学歴よりも二人で入れたらいい。
 教会で挙式をした。頬に私にキスをしてくれた。一生、ますます、親友と思えるだろう。
 そして、二人で指輪を買った。ネットで。カジュアルな中性的な『親友の指輪』を嵌めて、また懲りずに、漁師と鮪を捕まえる事にした。魚VS私。どちらが強いんだろう。
鮪、如きにしり込みしたら、人食いザメと戦えない。そもそも戦わなくても、釣ればいい話なだけではあるが。
 親友はマックシェイクを飲んでいる。ギャグ漫画で大笑いしている。そして、私だけに鮪が釣れた。
 110万の給料を貰った。援助交際よりも稼げる商売だなと思った。
 二人は生涯二人で生きていく。時折恋人を作りながら。そう確信できた。

 

煙草屋

2010-02-28 00:55:10 | 日記
『煙草屋』

 私は大学受験するつもりはない。結婚はできないだろうけど、恋人は出来そうだ。容易に。私は、大変な受験戦争から解放された。
 高一で、辞めようかなと思った事がある。親がタバコ屋を営んでいる。こっそり、貰っている。煙草を。
 だから、昼食にはカツ丼を食べに行く。そして、一服してから、駅のホームに行く。私は入学式以外、学校には行っていない。ただ煙草を吸うのが生き甲斐の毎日だ。
 しばらくは実家で手伝いをしている。
「高校は?」
「春休み」
そう言って、学校に行く意思がないように、主張していた。音が無くても、理解できるように。本当は親も知っているはずだ。私が高校生活に終わりにしたいという事を。
 私は勉強熱心だったが、でも、熱は醒め切っていた。私は彼氏を作るために高校へ時折行く。でも、学校の門をくぐって、すぐ帰るのだが。
 16才の夏休み。私が居ると、煙草の売り上げがアップするらしい。
「学校嫌なら、辞めてもいいわよ」
「一応、辞める事はないと思う」
「無理しないで。ここで働けばいいじゃない」
「それもそうだけどさ」
中学時代の彼氏から、メールが来た。また逢いたいと思っている事が窺える。私はきっと、このチャンスを逃したら、ナンパ待ちか見合いしかないと思っているため、仕方なくまた付き合うようになった。
 煙草を吸いながら、彼氏を待つ。そのようなデートらしきものをしていた。彼氏も進学するつもりはないらしい。
超美人だと、言ってくれた唯一の男だった。私は中学も適当に行っていた。せめて中卒はしたかったから、しょうがなく休みはほとんど取らなかった。そして、勉強して高校受験は何とか受かった。
ホテルで煙草の煙がする苦いキズをして、服を脱がす。きっと、いつものように、していく。上手いのか下手なのかは分からない。ただこの彼氏といる事が幸せになってしまった。私は高校を辞めた。どうせいずれかは辞めねばならなかった。私はいつも肺癌になるまで、煙草は手放せない。彼氏も一応、煙草を吸っている。
「どこで働くの?」
「君のタバコ屋」
「他にいい職場を見つければいいのに」
「まあ、一番楽そうだから」
「あはは。その方が信頼できるから」
私の気持ちは変わった。結婚したい。そう思えて仕方ない。愛情は一時で消えてしまう。でも、私はそれでもいいし、ただ仕事は私がして、彼氏はただ適当に、煙草だけ吸っていればいいかな。
 やっても、いいし、私はそれだけ出来れば十分だ。私は彼氏が18才になるまで、中途半端な恋人だと考えていた。気持ちが変わらなければ、結婚してもいいかなって思っている。
 私は、ただこの関係を維持したい。それが、私にとって有益だから。
 多少愛情の篭ったラブストーリーな気がする。彼氏も高校を中退した。お互い受験は要らないと思っているのだろう。
 彼氏は俳優になってもいい気がする。
彼氏が死んでも泣かない。その時は、新しい恋人を作っているだろうから。時折痛みを覚えながら、タバコ屋で働いていたい。
 そして、18才になり、結婚をした。煙草を吸って、ただ吐くだけのデートをした。喫茶店で紅茶を飲みながら。
 家から私の店まで通ってくる。両親もこの結婚に賛成してくれた。結婚式はと、聞かれて、私は「いつかね」と答えた。結婚式をする気はさらさらないが。

 

最愛の恋人

2010-02-27 10:36:07 | 日記
『最愛の恋人』

 ずっと忘れない想い出があった。だから、27才の今、想い出を紐解く。
――私は、高校時代、唯一好きになった人がいた。その人は、彼女がいた。私もそこまで純情じゃないし、男遊びも適当にしてきた。私は恋が無いからこそ、冷静に一緒にデートが出来た。愛情もない。
 そして、好きになった人と付き合うようになった。多分、彼女が別れた事を知って、二人は一緒になった。前から、相手も気に入ってくれたらしい。同じクラスだから、席が近くにあるため、自然と仲良くなった。
 高校二年の夏は、二人で一緒に帰った。写真ばかり撮っていた。彼氏の写真ばかりを。私たちはお互い、いい感じになれる。夜のホテルで。
「いつまで続くのかな?」
「俺に聞くなよ」
「私がもしプロポーズをしても、断るでしょう?」
「まあ、そうだけど」
「それだけ正直ならいいよ」
写真を釘で刺している。私は寝る場所で、ずっと想い出にしようとしている。大人びた性格だと自己分析をしているのにな。稚気な性格になったものだ。
 自室で、勉強をしている。たまに、ホテルに行く。彼氏はバイトに明け暮れている。大学に進学する意思はないようだ。私は大学に行ったら、忘れないでいたいなと、常々思っている。私は、彼氏といる時間を大切にした。友人は少ないから、彼氏だけに休日を専念する。
 高校二年も終わりを告げようとしている。彼氏はもう別れたいのかなと思った。仕方ない。私は一緒にいられただけで、ずっと良かった。私は気にならない。それが恋の運命だから。墓場まで想い出を持っていくよ。そう思った。
 そして高三になった。受験勉強で忙しかった。彼氏とはたまにする。ホテル代は払ってくれる。日曜日の三時間だけデートだから、いい。精神的にもリラックスできる。性欲も抑えなくても済む。
 
私はまた夏に燃えるような恋は、もう出来ないんだなと思った。成績は上々になっている。秋になった。する回数も減った。勉強なんか二度としたくないと思うぐらい勉強をした。そして、見事志望大学に通った。これで、彼氏と遊びまくれる。そう思った。
 別れるまでは、ずっとやってみたい。でも、彼氏は別れを告げた。
「卒業式に一回だけしよう」
「分かった」
それまでのお別れだった。私は、最後の一夜に愛を込めた。できるだけ妖艶な愛を――
 27才の今、私は一人で生活している。恋人がもうすぐ、昇進するようだ。愛情はない。でも、大事にしておいた方がいい人だ。
 印刷工場で働いている。彼氏はサラリーマンだ。知人に紹介されて付き合うようになった。私は煙草を吸う。いつも、外で煙草を吸っている。私はこの工場で最年長者になった。古株が辞めてしまったからだ。結婚するらしい。「心」から祝福をした。
 私は煙草を吸って、気分を紛らわす。煙草仲間と一緒にいる時間が増えた。
「お互い独り身は辛いよね」
「結婚する機会を失ったのかもしれませんね。お互い」
「敬語は必要ないよ。年も一つしか離れていないし」
「でも、敬語で話すほうが楽ですけどね」
「そんなものかな?」
「でも、お互い彼氏はいるし、このままならいいんじゃないですか?」
「そうかもしれない」
そう言いながら、昼休みが終了するまで、こうして煙草を吸っている。今でも「本物」の恋人を思い出すときがある。それ程、大切に想っていた。
 もう結婚しているかもしれない。その先は知らない。でも、元気でやっているはずだ。ずっと、大人びて、素敵になっているといいな。
 私はホテルとアパートで共に愛される。車を路上に止めて、気が狂いそうになるくらいしている。そして、何時まで続くか分からない関係になってきた。
 終わったら、運命なのだろう。そのように考えている。

 
 

多分、恋人

2010-02-27 08:44:12 | 日記
   『多分、恋人』

 17才だとは思う。多分。来年で卒業だ。多分。彼氏はいる多分。まあ、恋を楽しんでいる。家はあまり裕福ではないから、デートはしない。屋上でやっている。放課後に。
 ゴム代を稼ぐために、道端で『ユニセフ』に募金活動をしているらしい。ゴム代がたまったら、学校に来ると言っている。一度目の離脱だ。夏休みに「貯金箱」を持って、彼氏はやってきた。結構募金くれたよ。そう言っている。馬鹿だと私は思った。
 ただ、私は受験勉強をしていた。塾で友人たちと明るく話をしている。おそらく親友のマカオ人と同じ大学に行くだろう。日本語を使いこなし、帰化しているから、問題は何もない。友人たちもそれぞれの道を歩こうとしている。
ずっと、皆でコンビニに通った日々。私は決して忘れたくない思い出になっていくのだろう。私は成績が普通だ。ただ最近の一ヶ月は上がっていく。彼氏がどこかに行ってから成績は上がった。
私は煙草を吸っている。昔からだ。特に理由は無い。彼氏の前では吸わないが。たまに吸う時がある。テストで点数が落ちた時とか、北朝鮮の国営テレビを見た時とか。そんな感じで吸いたくなる。結構美人と評されるが、上には上がいる。だから、私はきっと、自信がないんだと思う。今までも一人しか付き合ったことはない。今の彼氏と。
親友のマカオ人とおでん屋で一服をしている。マカオ人は
「奢ってあげるよ」
「さすがマカオ人」
「明日は貴方が奢るんだよ」
「食い逃げはダメだろうか?」
「どういう教育を受けているの?」
「日本語を喋れるようにと」
そして、やっぱ、私には無理かもしれない」
マカオ人がそう言ってきた。
「何が?」
「大学受験」
「大丈夫だって、私よりも成績もいいし」
「そうだね」
「おい」
「熱っ」
と言って、それ以来おでん屋には通っていない。今度はマックに行こうと誘った。
バイトはまだした事がない。家は工場を経営している。中小企業だ。詳しい事は分からない。ただ、従業員は私にプロポーズしてくる。私はようやく自信が持てた。そうこうするうちに、彼氏が帰ってきた。冬の間。まったく連絡がなかった。ダブるなこの彼氏はと思った。そして、一ヶ月ほどして帰ってきた。二度目の長期「休暇」だ。
「ただいま」
そう言って、私は別れを告げた。理由は無い。
「まあ、理由があれば仕方ないか。どうゆうつもりで俺を振ろうとしているんだ?」
「理由は無い」
「……せめて高三になるまで、一緒に付き合おうぜ」
「まあ、それもいいのかも」
「だろう?俺妊娠していたんだ」
「マジで!?」
私は話していた。夜の学校の屋上で。男も妊娠する時代が来たのかと喜び、そして、どうやって出産するのかなと思った。
「どうやって出産する?そんな訳ないだろう。男がどうやって妊娠するんだよ」
「君なら大丈夫だと思って」
そうして、二発目をした。もう次の春でお別れだ。きっと、その時は、桜のつぼみを見ながら、別れの挨拶はする。
 そうして、冬の晴天。寒い方が、心地いい。雨が降ってくる予報だけど、まだ傘は必要ないようだ。私はマカオ人と一緒に勉強している。
 彼氏と別れる時が来た。予想通りつぼみのまま、桜は私たちの別れ道を未熟に祝う。もう本当に逢えないのだなと思った。クラスも違うし、どの道別れなければいけない。親友のマカオ人には恋人がいるらしい。いいなと思った。私はこれで高校時代の交際は、終わりだと思った。
 高三になった。私は恋人がいない暮らしになれた。これからは、マカオ人と一緒の大学を目指すだけだ。
 きっと、受かる。それが今の夢だ。
「ありがとう」
最後に彼氏が呟いた言葉だ。今は前彼と言った方がしっくりくる。その言葉を私は忘れてしまう。だから、時の力は偉大だなと思うようになった。