こんにちは、株式会社リトルグローブです!
私たち株式会社リトルグローブとご一緒に、季節の映画を楽しみませんか?
今回の季節は夏、『菊次郎の夏』です。
遊び人の中年男と母親を探す小学生、不釣り合いなふたりが繰り広げる一夏の冒険を描いたロードムービー。
監督・脚本は「HANAーBI」の北野武。撮影を柳島克己が担当している。
主演は、「残侠」のビートたけしと映画初出演の子役・関口雄介。99年度カンヌ国際映画祭正式出品作品。
あらすじ
幼い頃に父親を亡くし、今はおばあちゃんとふたりで浅草に暮らしている小学校3年生の正男にとって、夏休みはそんなに楽しいものではなかった。
学校の友達はみんな家族で旅行に出かけてしまうし、サッカークラブもお休み、おばあちゃんも仕事で昼間は家にいないのだ。
そんな時、彼は遠くの町にいるお母さんに会いに行く決心をする。
絵日記と宿題と僅かな小遣いをリュックに詰めて、家を飛び出した正男。
そんな彼の気持ちを知った近所のおばさんが、夫で遊び人の菊次郎を同行させることにした。
目指すは愛知県豊橋市。ところが、根っからの遊び人の菊次郎は競輪場に寄り道したり、タクシーを盗んだり、トラックの運ちゃんとトラブルを起こしたり、ホテルの人たちに迷惑をかけたりと、行き当たりばったりの旅を展開。
それでも、ふたりは漸く正男の母親の住む家を見つけだすのだった。
しかし、正男の母親は既にそこで違う家庭を築いていた。
幸せそうな母親一家を見て落ち込む正男。
そんな彼に、菊次郎は二人組のバイカーから奪い取った天使の鈴を渡し、「お母さんはもう別のところに引っ越してしまい、正男が来たらこれを渡してくれと言っていた」と精一杯慰めるのであった。
さて、東京へ帰ることになった菊次郎と正男。
ふたりはその道々、知り合ったバイカーたちや作家志望の青年とキャンプをして、楽しい時間を過ごすことにした。大人であることを忘れてはしゃぎ回る菊次郎。
だが、そんな彼にもひとつ気になることがあった。それは、近くの老人ホームに入院している母親のことだった。
ホームをこっそり訪ねる菊次郎。しかし、彼は老いた母親に声をかけられなかった_。
夏も終わりが近づき、菊次郎と正男は浅草に帰ってきた。別れ際、菊次郎は「またお母さんを探しに行こう」と正男と約束する。
北野監督の作品は、どうしてこうも感動的なんでしょう?
これまで彼の作品といえば暴力描写が多かったのですが、そんなシーンもなく、笑いを誘いながら、人生の厳しさや切なさを描くなど、本当に今までの作品と比べると異質な作品となっています。
でも、それがすごくいいんです。映画全体の空気がたまらなく良いんです。