風鈴の音色が流れたら。

本日の一曲をメインに、本やらアートやらの紹介を淡々と書き記そうかと。要は趣味の話です。

Old Soul Song  - Bright Eyes

2008-06-24 22:38:47 | この1曲
"Old Soul Song (For the New World Order)" -- Bright Eyes


(Live)Old Soul Song in Hollywood Bowl 2007




アメリカン・ロック特集、第2回は「21世紀のボブ・ディラン」との呼び名も高い、コナー・オバーストが率いるブライト・アイズ。

昨日は音量高めのハードロックを紹介しましたが、
アメリカのロックというのはもう一つの側面を持っていて、
それはフォーク&カントリーを経由した土臭い匂いのするロック。
わかりやすい象徴としてはボブ・ディランなんかをイメージしてくれればと。

で、そんな流れにこのブライト・アイズも位置するんだど、
何より素晴しいのはコナーの声と歌詞。
「傷ついた天使のようだ」とも評される彼は、
世界に対して怒りを向けながらも、
同時に自らの無力感に対して逃れられないままでいることを、
あるがままに吐き出している。

「ぼくは新聞を読んで戦死者の数を知った/その数が今では僕の顔中いっぱいに刻まれている(Road to Joy)」
「自分自身が取るに足らない人間だってわかったから/僕は幸せなんだ(At The Bottom of Everything)」
「自ら抱いている恐怖を見つけ出ししっかり向き合うようにしよう/それとの犬のように縮こまろうか(Another Travellin' Song)」

いや、アメリカってどうしても粗野なイメージがつきまとうんだけど、
時々彼のような、どこまでも繊細なのに力強いアーティストが出てくるから凄い。

イントロの優しい調べだけで鳥肌もののCD版と、
力強さを携えたライブ版、両方合わせて。

ちなみに収録アルバムは「I'm Wide Awake, It's Morning」
彼の表現には、痛みや苛立ちこそあれど、
そこに嘘や軽薄さは何一つ込められていない。
聞こう。