風鈴の音色が流れたら。

本日の一曲をメインに、本やらアートやらの紹介を淡々と書き記そうかと。要は趣味の話です。

UKロックのリアリティ

2008-07-06 23:30:59 | コラム
今週は21世紀以降のイギリス・ロックを取り扱いましたが、
そこに共通するものは「表現のリアリティ」というものの比重の大きさなのかな、と。

労働者階級という明確なアイデンティティを有するハード・ファイや、
10代の市井の目線から情景を言葉にするアークティック・モンキーズ。
また、ハドーケンは先進資本主義国における若者特有の「No FUteure」な感覚を見事に音と言葉に照応させている。
そして、このようなリアルな表現の全ての先導者たりえたリバティーンズ。

イギリスの音楽シーンを見ていて羨ましくなるのが、こういう「リアル」な表現がちゃんとメディアで放送され、売れているという事。
だって、日本のメディアから流れる音楽、売れている音楽って、
糞アイドルや頭の悪いシンガー達が、
自意識を撒き散らすかの様な自分の内面を書きつづった歌詞や、
傍から見て愚かとしか言いようの内くだらない恋愛模様ばっかり書いていて、
とにかく、何一つ「リアル」じゃないんですよ。
嘘くさい希望を表現することこそ、罪なものはないんだから。

てかさ、日本もこんなけ不況とか、増税とか、治安悪化とか、
景気の悪いニュースが出ているんだから、
もうちょっと現実に足をつけて、
しかもそれを面白おかしくし立てた(これ重要)
歌詞を歌うバンドがTVで流れててもいーんじゃないかね。


さて、今週のテーマは…明日考えます。

アメリカン・ロックは誰のもの?

2008-06-29 21:08:48 | コラム
せっかく特集としてアメリカン・ロックについて扱ったなら、
それについて私見でも述べようかと。

さて、今回4つのアーティストを取り上げたけど、
アメリカのロックについてその特徴を述べるならそれは極めて
「白人主導」になっている傾向があるんじゃないかと。

実際、アメリカでのヒップホップは多くが黒人アーティストで、
ロックは白人主導、みたいな二分化がより顕著になってきている。

んで、更に言っちゃえばそのそれぞれの人種別に、
「勝ち組を対象とした音楽」-「負け組みを対象とした音楽」
みたいな分化が更にあるような気がする訳よ。

これはアメリカの文化を如実に表しているなーと思ってて、
やはりアメリカは今でも人種差別の名残が慣例的に残っている土地柄だし、
また超が着くほどの競争社会で、貧富の固定化がいっそう進んでいけば
音楽のマーケットもそれに対応して二極化していくのが自然というもの。

でもロックンロールというものは元々、
黒人のリズム&ブルースと、
白人のカントリー&ウェスタンが融合する事によって生み出されたもの。
いわば、ロックンロールはその生い立ちからして混血児であり、雑種であるものだったはずなんだ。

にもかかわらず、アメリカの状勢を反映するかのように、
それが白人優位的なものになり、
階層別に分化されたものになるのは、とても悲しいことだと思う。



さて。
気を取り直して、今週の特集は
「21世紀以降のイギリス・ロック」を見ていきたいと思います。
では。