ボリウッド映画は全体的に短くなったせいか、映画の前のCFが山のように増えました。アパレルとかのCFが断然多いのですが、いわゆる公共広告もあります。その中で面白かったのがこれ。
Padman | No Smoking | Safe Living | No to tobacco| Akshay Kumar | New bollywood movies|
『パッドマン 5億人の女性を救った男』(2018)のいただきというか、スピンアウトCFなんですね。出演はラクシュミ(アクシャイ・クマール)と、彼がナプキンを作る時に綿をくれた友人、綿屋のおじさんです。ざっと会話を訳してみますと...。
ラクシュミ「病院の前で、何タバコをぷかぷかやってんだ?」
綿屋の友人「家内が病気で診てもらってるんだ」
ラクシュミ「奥さん、どうした?」
綿屋の友人「女性特有の病気さ」
ラクシュミ「女性特有の? そのタバコはいくらだ?」
綿屋の友人「10ルピーだけど?」
ラクシュミ「10ルピー? ポケットにはあと何本ある?」
綿屋の友人「あと1本あるよ」
ラクシュミ「お前、自分が死ぬための金はあっても、奥さんを救うための金はないって言うのか?」
綿屋の友人「何のことだ?」
ラクシュミ「これを見ろよ、”死ぬ”って書いてあるだろ。こっちのナプキンはまさに生命だ」
綿屋の友人「ふふん(鼻先で笑う)」
ラクシュミ「タバコ2本で、奥さんが生理の時に汚い布を使うのが避けられるナプキンが買えるんだぞ。これで奥さんが助かるし、お前もタバコを吸わないことで、自分自身を病気から守れるんだ。死ぬことになるお金で、二人分の人生が買えるんだぞ、お前と奥さんのとがな。よく考えてみろ」
ラクシュミ「(客席を向いて)ホントの英雄は、タバコを吹かす人ではなくて、このナプキンをプレゼントする人さ」
というわけで、ムンバイの映画館ではほぼ毎回、これをやっていました。がんばれ、パッドマン! このCF以外にしょっちゅう登場していたのが、アヌシュカー・シャルマーとヴィラート・コーフリー夫妻の伝統衣装アパレル会社のCF。『Anandi Gopal』を見に行った映画館では、ロビーにもこの宣伝写真が。
この映画館INOX Nakshatra Mallはダーダルの駅前、西側に出てちょっと歩いたところにあるのですが、今回行ってみて、数年前に『クイーン』を見たところだと気がつきました。あのあと、『クイーン 旅立つわたしのハネムーン』という邦題になって、いろいろありましたねー(遠い目...)。それはさておき、久しぶりに行ってみると、ロビーのバックにはこんな写真が。
シャー・ルク・カーンにディーピカー・パードゥコーン、そしてサルマーン・カーンですね。なかなか素敵なデザインです。とはいえ、INOXのシネコンは入り口のセキュリティ検査(インドでは空港はもちろんですが、街中の映画館やショッピングモールなどでも入り口でしっかり検査されます)で「カメラはダメです」と言われてバッテリーを預けさせられるので、これもスマホで撮ったのですが、スマホもよく写ってくれます。動画だってスマホで撮れる時代に、カメラだけ禁止したって無意味だと思うのですが、まあ規則なのでしょうがない。
預けたバッテリーは映画終了後に上のようなセキュリティーの女性の所にトークンを持って取りに行くのですが、ある時は忘れて帰りそうになったことも。あぶない、あぶない。
ところで、ダーダルは面白いところで、東側には長距離バスの乗り場、降り場があります。ですので人通りが多く、INOX近辺もマーケットが広がっていて、ものすごい人混みでした。
また、映画館も小規模なものや単館のものがまだ残っていて、『Anandi Gopal』を見る前に電車でマーヒムまで行き、駅二つ分歩いて映画館をさがしてみました。最初に見つけたのがパラダイス・シネマ。
続いて、もう少しダーダル寄りにスターシティ・シネマ。
あと、シティライト・シネマというのもあるのですが、うっかり通り過ぎてしまい残念。やはり30度を超えるムンバイでのお散歩はサリー姿とは言え暑くて、サリーブラウスを汗でダメにしてしまいました。さて、クリーニングに出したらきれいにしてくれるでしょうか。
間もなくホーリー祭なので、ムンバイの街角では色粉や水鉄砲を売っている所が目立ちます。あと、4月11日から1カ月以上にわたってローク・サバー(下院)の総選挙が行われるので、選挙グッズを売っている店もありました。
今回のムンバイ滞在も結構充実していましたが、中でも印象に残ったのが、たくさんの女性たちから親切にしてもらったこと。ある朝、タクシーをつかまえようとしたら若い女性とバッティングしてしまって、「どこまで?」と聞かれたので「チャーチゲート駅まで」と言ったら、「私もよ。相乗りしましょ」ということに。ワンメーターで行く距離なので半額の11ルピーを用意していたら、「あ、私が払うから。いいの、いいの」とパッと払ってくれたお嬢さん、ありがとうございました。電車でも、「バンドラ、行きますよね?」と前の席の女子学生に聞いたら、「行きますよ。私も降りるから大丈夫」と言われ、駅に着く前に「バンドラよ、一緒に降りましょ」と案内してくれたお嬢さん、ありがとう。また別の日、アンデーリー駅で電車からメトロに乗り換えようとして、どの歩道橋を行くんだったっけ、と見回していたら、「メトロ? 私も行くから一緒にいらっしゃい」と言ってくれた同年配の女性の方、長い距離を最後まで案内して下さってありがとう。とまあ、ムンバイの女性たちは本当に親切でした。デリーでは、メトロに乗っても席を譲ってくれるのは男性ばかりで、特に若い女性は知らんぷりでしたが、ムンバイではまだほかにも、女性に助けられたことが多かったです。というわけで、ムンバイのやさしい女性たちに感謝しながら、チェンナイへと向かったのでした。
デリーでは確かに若い女性は席を譲りません。
あと子供も我が物顔で堂々と座ってますし、
混んできても一緒にいる親も膝の上に乗せたりしません。
インドでは教育されないのだと思っていましたが、
地域性かもしれませんね。
私は明らかに自分より年上と思われるインド人が乗ってきたら席を譲っていますが、
お礼を言われる事は稀です。
やはり、地域によって多少はそういう傾向がある、ということですね。
私は特に、あわあわしていたら目立つので、救いの手がいろいろ差し出されたのかも知れません。
私はデリーの地下鉄で、デリー駅から家族連れが乗ってきて若いお母さんが赤ちゃんを抱いていたので、すぐ立って席を譲ったら、その家族は御礼を言いませんでした(でも、嬉しそうにお母さんがにっこりしてくれた)が、向かいの席のおじさんがなぜか大感激して、「あんた、ここに座りなさい」と自分の席を譲ってくれました。
年寄りが席を譲るのは珍しかったんでしょうか。
いろんな人情風景と出会えて、いつ乗っても面白い地下鉄&電車です。