今日は曇り時々晴れの、まずまずのお天気。インド映画は、このブログでの紹介のため公開前にオンライン試写を見せてもらったりするのですが、できるだけ公開後に劇場のスクリーンでも見るようにしています。スクリーンで見ると印象が違ったりすることもあるし、また、劇場用パンフレットを買う必要もあるため、なるべく早い段階で出かけていく次第です。というわけで、今日は10月4日(金)に封切られた2本、ヒンディー語映画『花嫁はどこへ?』とテルグ語映画『ハヌ・マン』を見に、新宿ピカデリーまで出かけました。同じ劇場で公開されているのでラッキーなんですが、『花嫁はどこへ?』は13:10~15:25、『ハヌ・マン』は15:30~18:20なので、移動時間が5分間ではトイレに行く時間がやっと、というスケジュールです。『花嫁はどこへ?』のスクリーンに入る時、隣のスクリーンで『ハヌ・マン』をやっていたので、おおラッキー、と思ったら、次の上映では『ハヌ・マン』のスクリーンは移動して上階になっていて、ちょっとあせりました。でも、本編が始まる前に予告編やCFがものすごい数上映されていたので、開始予定時刻に10分ぐらい遅れてもノープロブレムでした。
© Aamir Khan Films LLP 2024
『花嫁はどこへ?』 公式サイト
2024年/インド/ヒンディー語/124分/原題:Laapataa Ladies/字幕:福永詩乃
監督・プロデューサー:キラン・ラオ
出演:ニターンシー・ゴーエル、プラディバー・ランター、スパルシュ・シュリーワースタウ、ラヴィ・キシャン、チャヤ・カダム
配給:松竹
※10月4日(金)より、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネリーブル池袋ほか全国で公開中
© Aamir Khan Films LLP 2024
この日の上映は、月曜日の昼間だというのによくお席が埋まっていました。半分近くお客様が入っていて、年代も若い人からシニア世代まで結構ばらけていました。上映中は、もっと笑い声とか出るかな、と思ったのですが、お静かだったのが少々残念だったものの、皆さんエンドロールの最後まで集中して見てらしたようでした。私はもう4、5回見たのですが、不覚にもラスト近くでまた涙が。警察署長役のラヴィ・キシャン、いい役でもうけものでしたねー。賞レースにも助演男優賞でノミネートされるかも、です。下のシーンは尾行中の署長と、部下の警官ドゥベーさんです。
© Aamir Khan Films LLP 2024
それと、主役の3人が大画面で見ると一層初々しく見えて、特に花婿役のスパルシュ・シュリーワースタウ君は好感度高し、でした。これ以前にも1本映画出演しているし、この作品公開後の3月にも『Ae Watan Mere Watan(おお故国よ、私の故国よ)』という出演作が封切られていいるのですが、まだまだ新人なのでその初々しさが役にも出ているのでしょうか。これは、今後順調に出演作が増えるかも知れません。ダンスが上手な人なので、それを生かした作品など演じてほしいものです。花嫁プール役のニターンシー・ゴーエルもこの作品の前後に出演作があるのですが、主役を演じるのはまだまだこれから。素顔は全然違うみたいなので、こちらも将来が楽しみです。
© Aamir Khan Films LLP 2024
『花嫁はどこへ?』のパンフレットですが、いつもながら松竹さんのパンフレットは超充実。ISOさんやたかのてるこさんのコラムもさることながら、映画に出てくる結婚にまつわる用語や風習など、いろんな形であれこれ丁寧に解説がなされています。私が特に参考になったのは、菅野(かんの)美佐子先生(青山学院大学)の「インドのジェンダー観 女性はどこまで変わったのか?」というコラムで、「妻が夫の名前を口に出来ない」という映画の中で出てくる”衝撃の事実”(?)について、実に明確に答えて下さっています。インドやインド映画に興味を持っている方は必読です。
そのほか、マサラワーラー(武田尋善さんと鹿島信治さんによるインド料理ユニット)による映画に出てくるおいしい物のレシピなど、お買い得な内容がいっぱい。前に松竹さんが公開して下さった、『エンドロールのつづき』(2021)にもグジャラート料理のレシピが載りましたが、今回の「れんこんのサブジ(野菜料理)」はもっと簡単でおいしそう。作ってみたいと思います。こんなに内容豊富で900円は安~い! 皆様、ぜひお求め下さい。
『ハヌ・マン』 公式サイト
2023年/インド/テルグ語/158分/原題:Hanu-Man
監督:プラシャーント・ヴァルマ
出演:テージャ・サッジャー、アムリタ・アイヤル、ヴァララクシュミ・サラトクマール、ヴィナイ・ラーイ、ラヴィ・テージャ(声の出演)
配給:ツイン
※10月4日(金)より新宿ピカデリーほかでロードショー公開中
©2023 RKD Studios & Primeshow Entertainment. All Rights Reserved
さてさて、『ハヌ・マン』の方はスクリーンで見るのは初めてなので、楽しみにしてスクリーンを移動しました。お客様はちょっと少なくて残念でしたが、さすが大画面の迫力、特にタイトルが出てから後の村の風景は、CGとはわかっていても目を見張りました。ハヌマントゥを演じたテージャ・サッジャーも、心なしか二枚目度がアップしたような気がします。とか言うと、お猿の声で「そりゃ勘違いだろ」というツッコミが入るかも、ですね。大画面だと、ビー玉とかもよく見えて、パチンコ飛ばしのアクションシーンも面白さが倍加します。ただ、ミーナークシ役のアムリタ・アイヤルの付け睫毛もはっきりわかるので、ちょっと興ざめでしたが。うーん、もうちょっと上手なメーキャップさんを雇いましょうね。
©2023 RKD Studios & Primeshow Entertainment. All Rights Reserved
ただこの映画、見得を切るシーンが多すぎて、大画面で見ると辟易してしまいます。特に最後の方は、ハヌマントゥとハヌマーンの出会いがうまくストーリーに乗せられなかったのか、シールのべた貼りみたいになってしまって、「う~ん、それで苦し紛れに”続く”にしたのかしら?」と思ったり。それと、途中で何度か登場する、修行者みたいな老人は誰? というのが謎だったのですが、それはパンフレットを買ってやっとわかりました。下写真の人物です。
©2023 RKD Studios & Primeshow Entertainment. All Rights Reserved
パンフレットのキャスト説明のところに「サムドラカニ/ヴィビーシャナ」とあって、天竺奇譚さん執筆のコラム「インド版スーパーヒーロー映画に秘められたインド神話」の中に、「ラーマは、羅刹王の弟であるヴィビーシャナをランカー島の王にした」とあるのでこれが結びついたわけですが、ハヌマントゥの村に出没して何をしていたの? というのが今ひとつよくわかりません。今度ソフトが出たら、じーっくりと調べたいと思います。
パンフレットは、珍しい画像がいろいろ使われていて眼福だったのですが、なぜこんな映画を作ったのか、というのを監督に語ってもらいたかったですねー。というわけで、『ハヌ・マン』の方はもやもやをあれこれ残しながらの、スクリーン鑑賞となりました。5時間ずっと座っていたら結構疲れた、インド映画ダブルヘッダーの日でした...。
調べてきた印刷した紙を読みながらで、しかも少し間違っていました。
私はISOさんという方を知らないのですが、『花嫁はどこへ?』のパンフにお書きになったエッセイを拝読する限りでは、インド映画もよく見てらっしゃるようですし、目の付け所も的確だ、という印象を持ちました。
インド映画というか、そこに描かれることは、名前ひとつをとってもインドをよく知っていないと覚えられない&間違いやすい情報なので、メモを見ながらお話をなさるのも仕方がないと思います。
それに、なかのさんのように、インドやインド映画に詳しい人がファンには多いわけで、間違いもすぐに見つけられてしまいますね。でも、「少し」だったのなら、許してあげて下さいませ。
私も、インド映画のことをよく書いているライターさんが、映画『PATHAAN/パターン』がインドで公開されたばかりの時に、ご自分のコラムで『パサーン』と書いて紹介していらして、がっかりしたことがあります。知らなければローマナイズ原題のままお書きになっておけばいいのに...と思ったわけですが、「インド映画のこと、知ってますよ~」と示したかったのかな、とちょっと気の毒でした。
とはいえ私も、ヒンディー語以外の言語はちょっとかじった言語もあるものの、カタカナ書きは自信を持ってはできないので、間違いも犯しているのでは、と冷や汗が出る時があります。
間違いがあれば、正していただけるとありがたいので、このブログで何かお見つけになった方は、ぜひコメントでご指摘下さいね。
よろしくお願い致します。