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アジア映画巡礼

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ユニークな作品『ハーティー 森の神』7月29日公開

2022-06-25 | インド映画

久々のインド映画公開作品です。『ハーティー 森の神』(2021)は、『バーフバリ』二部作(2015&17)で悪王バラーラデーヴァを演じたラーナー・ダッグバーティ主演、というのが第一のウリなんですが、主たるキャラクターは4人というか4種登場、という、ちょっとユニークな作品です。まずは映画のデータとあらすじからどうぞ。

『ハーティー 森の神』 公式サイト 
 2021年/インド/ヒンディー語/123分/原題:Haathi Mere Saathi
 監督:プラブ・ソロモン
 主演:ラーナー・ダッグバーティ、シュリヤー・ピルガオーンカル、ゾーヤー・フセイン、プルキット・サムラート
 配給:ツイン
7月29日(金)よりロードショー

南インドの深い森の中を行くのは、村人たちから「森の神(バンデーウ)」と呼ばれているスミトラーナンダン(ラーナー・ダッグバーティ)。彼は祖父から森の大切さを教えられ、祖父の遺志を継いで、森とそこに住む動物たちを守ることを自分の使命と考えている人でした。鳥の言葉も理解する彼でしたが、何よりも彼と親しいのは象の一群。スミトラーナンダンは象一頭一頭に名前を付け、友だちのように遇していました。ところが、大臣の経営する会社DRLがこの森に目を付け、切り開いて一大リゾートを作ろうと計画します。この森は、スミトラーナンダンの祖父が私財をはたいて自分のものとし、ずっと守ってきたのですが、これまでそんな争いもなかったがゆえに書類も不備であり、スミトラーナンダンも法律等にはうといため、アッという間に森は切り開かれてゆきます。そこは象の水飲み場でもあったことから、象たちは怒り、DRL社の作業場を襲ったりして大暴れ。DRL社は強固な塀を7㎞にわたって張り巡らし、象の侵入をはばむことにしました。

そのために、彼らが雇い入れたのは、象チョートゥ(”チビちゃん”というような意味)を持つ象使いのシャンカル(プルキト・サムラート)。シャンカルはチョートゥをあやつり、見事強固で高い塀を完成させました。そんなシャンカルが森で出会ったのは、過激派の女性戦士アルヴィ(ゾーヤー・フセイン)。片思いを募らせるシャンカルでしたが、アルヴィは彼を歯牙にもかけません。マオイスト(毛沢東主義者)が中心となった過激派の部隊はアルヴィの兄アーラヴ(ブヴァン・アローラー)が率いており、彼らにとっても森を切り開かれるのは大問題で、DRL社のやり方に反発します。スミトラーナンダンは深林管理官と共に書類を探し出し、デリーで裁判に訴えるべく出かけて行きますが、DRL社のオーナーは大臣でもあるため、あの手この手を使って彼を退け、最後には実力行使に出たスミトラーナンダンを精神病院に押し込めることに成功します。守り手を失った森は、どうなっていくのでしょうか...。

本作の主役は、「森の神」ことスミトラーナンダンかと思いきや、比重から言うと、「森の神」:象使いシャンカル:アルヴィら過激派:象さんたち、と4等分されている感じです。ですのでちょっとストーリーに集中力が足りず、特に前半は他愛ないソング&ダンスシーンがはさまったりすることもあって、少々ダレます。後半は、それがかなり収れんしていき、スミトラーナンダン対企業&大臣となってからはあの手この手で見どころが作られていき、盛り上がります。CG動物が多すぎるとか不満はいろいろあるものの、象さんたちも熱演していますので、動物好きの人も楽しめることでしょう。

ラーナー・ダッグバーティのファンには、キャラクターとその描き方に難点はあるのですが、場違いにカッコいいアクションシーンが何カ所かあり、これは楽しみにしておいていいシーンになると思います。デリーの路上や森の高い木の上など、びっくりするような場所でのアクションを見せてくれるラーナーさんは、まさに仙人のごとし。奇矯な振る舞いも、あだ名どおり「森の神」という神に近い人だから、と考えればスルーできますね。「カーヴェーリ川長治の南インド映画日記」での紹介によると、スミトラーナンダンには実在の人物のモデルがいるそうで、その人がそういう浮世離れした人だったのかも知れません。ファンの方はぜひ、大画面で、森の景色も楽しみながらご覧下さいね。日本版予告編がまだのようなので、前の記事ではつけられなかったテルグ語版予告編を付けておきます。

Aranya - Official Trailer | Rana Daggubati, Vishnu Vishal, Prabu Solomon, Zoya & Shriya

 


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