昨日、7月11日(金)公開が情報解禁になったインド映画『マーヴィーラン 伝説の勇者』。主演は、タミル語映画界では最強のイケメンと言っていいシヴァカールティケーヤンですが、彼の主演作は日本で商業公開こそされていないものの、美しすぎる看護師さんに変身して見る者をドッキリさせた『レモ』(2016)や、歌と踊りが満載で、この人、コリウッドのシャーヒド・カプールだわ! と思わせられた『ラジニムルガン』(2016)等、これまでも見る機会はあったのでした。しかし、コリウッドことタミル語映画界は大御所のラジニカーントとカマル・ハーサンを筆頭に、皆さんアクの強い個性的な男優ばかりで、ヴィクラムにスーリヤ、ダヌシュにカールティ、極めつけはヴィジャイ・セードゥパティと、典型的なイケメンが主役を張れるチャンスはごくごく少なかったのです。しかし昨年、2024年のタミル語映画興収第1位を争ったのは、ヴィジャイ(童顔の方のヴィジャイ、ね)主演作『The Greatest of All Time (GOAT)』と、シヴァカールティケーヤン主演作の『Amaran(不死の人)』だったのでした。最終的には『GOAT』が10億ルピーぐらいの興収差で『Amaran』を退けましたが、それでも『Amaran』は世界興収33億5千万ルピーを稼ぎ、タミル語映画歴代興収第8位となったのでした。2011年に短編映画でデビューしてから10年が過ぎ、やっと2021年の『Doctor(医師)』あたりから実力が伴ってきたシヴァカールティケーヤン。本作『マーヴィーラン』ではその上り坂にいる彼の姿を見ることができます。では、まずは映画のデータと、プレスリリースに付いていたストーリーをご紹介しましょう。
『マーヴィーラン 伝説の勇者』 公式サイト
2023年/インド/タミル語/カラー/161分/字幕翻訳:藤井美佳・字幕監修:小尾淳/原題:MAAVEERAN
監督・脚本:マドーン・アシュヴィン
出演: シヴァカールティケーヤン、アディティ・シャンカル、ミシュキン、スニール、ヨーギ・バーブ
配給:ファインフィルムズ
※7月11日(金)より新宿ピカデリー他全国ロードショー
【ストーリー】新聞の長期連載漫画「マーヴィーラン」の作者であるサティヤ。気弱な彼は、人一倍負けん気の強い母の起こす騒動を収めるのに必死の毎日。そんなある日、住居のある地域一帯が開発対象となり、立ち退きを余儀なくされてしまう。新たな住処として提供された高層マンションに浮かれる一家だったが、そこは悪徳政治家ジェヤコディ一派が仕切る手抜き工事の元に建てられた「欠陥住宅」だった!サティヤは意を決して彼らに立ち向かうが、すげなく返り討ちに遭ってしまう。自らが描き続ける「マーヴィーラン=偉大な勇者」と己のギャップに、絶望の淵を覗き込んだその後―――奇跡的に生還したサティヤの耳元で、勇壮な「声」が鳴り響くようになる。その声はサティヤを「勇者」と呼び、ジェヤコディを「死神」と呼ぶのだった。果たしてサティヤは、真の「マーヴィーラン」として、民衆を苦しめる巨悪に立ち向かうことができるのか!?
日本版予告編がアップされていますのでどうぞ。
7/11(金)公開『マーヴィーラン 伝説の勇者』予告編
予告編にお馴染みの顔が出てきたのがおわかりになりましたでしょうか? もじゃもじゃ頭のヨーギ・バーブに、悪の親玉の貫禄十二分なミスキン、その腰巾着らしきスニール(顔が『プシュパ:覚醒』の時と一緒ですね)、そしてヒロインのアディティ・シャンカル。アディティ・シャンカルはプレイバック・シンガーでもあるので、今回、やはりプレイバック・シンガーとしても仕事をしているシヴァカールティケーヤンと共に、1曲吹き込んでいます。マンガも含めて、さーて、どんな展開になるんでしょうか。楽しみにしていて下さいね~。それから、字幕はなんと藤井美佳さんです。重量級の『RRR』等テルグ語映画から、ちょっと軽めのタミル語映画に移り、”ミカ・マジック(私が勝手に名付けました、フフフ)”はどんな威力を発揮するんでしょうね。そちらもどうぞご期待下さい。
それにしても、昨日紹介した本日から公開の『政党大会 陰謀のタイムループ』(2021)、この間試写で拝見してすっごく気に入った5月30日から公開のローケーシュ・カナガラージ監督作『ヴィクラム』(2022)、そしてすでに公開情報はいただいているのですが、忙しくて後回しになっているヴィジャイ主演作で6月20日から公開の『レオ ブラッディ・スウィート』(2023)等々、タミル語映画の日本公開が続きますね。テルグ語映画から、風向きがタミル語映画に変わったのでしょうか? できれば、もうちょっとそよ風に乗って、ゆっくりと公開ルートを歩んできてほしいものです。