アジア映画巡礼

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インドの映画館、10月15日(木)より再開!

2020-10-05 | インド映画

本日こちらのニュースで、インド政府が映画館に再開許可を出したことを知りました。再オープン予定日は10月15日(木)です。最初のロックダウンからずーっと閉まっていたので、3月24日(火)から205日間の休館を経ての再開となります。4~9月の6ヶ月間は丸々閉まっていたわけで、映画好きのインド人たちがよく我慢した、と誉めてあげたい気がします。とはいえ、今は配信で映画を見られるシステムがあるので、以前にもお伝えしたように『グンジャン・サクセナ』等配信で公開する映画が結構あったりして、「新作を見たい!」という渇きはある程度満たされていたと思います。

ムンバイの映画館マラーター・マンディル

この時期に映画館再開に政府が踏み切ったのは、①お祭りシーズンが迫っていること、②新型コロナウィルスの新規感染者数増加が、わずかながら鈍化傾向を見せ始めたこと、この2つの理由からではないかと思います。①の理由は、この先の年内のインド休日カレンダーは、次のようになっています。(インド映画講座「祭りを知る!」のテキストからコピペしました。インドの休日は各地方ごとに異なりますので、ご注意下さい)

10.25 ダサヘラー Dashahhara (ヒンドゥー教)
10.30 予言者ムハンマド生誕祭 Milad un-Navi (イスラーム教)
11. 4 カルワーチョゥト Karwa Chauth (ヒンドゥー教)
11.14 ディワーリー Diwali/Deepawali(ヒンドゥー教)
11.30 グル・ナーナク生誕祭 Guru Nanak Jayanti(シク教)
12.25 クリスマス Christmas (キリスト教)

ヒンドゥー教では、「ダサヘラー」から「ディワーリー」までの20日間を含む今の時期が、最も盛り上がるお祭りシーズンです。「ディワーリー」は日本版のWikiがありますので、どんなお祭りか知りたい方はリンク先を見てみて下さいね。「ダサヘラー」または「ダシャラ」は「ヴィジャヤーダシャミー(勝利の10日目)」とも呼ばれ、古代叙事詩「ラーマーヤナ」のラーマがラーヴァナに打ち勝った日と解釈されていて、ラーヴァナの巨大な像が燃やされたりする日です。それまでの間に、「ラームリーラー」というラーマ劇が9日間にわたって行われたり、東部インドではドゥルガー・プージャー(ドゥルガー女神の祭り)が行われたりします。いずれにせよこのお祭りシーズンは、映画興行界にとって毎年目玉作品を公開する時期となっており、政府側としてはその楽しみを味わってもらうべく、10月15日からの映画館再開を決めたと思われます。

新型コロナウィルスの感染者数も、1日の増加数が一時は10万人を超していたのですが、この半月ぐらいは9万人台から8万人台を推移し、ここ3日間は7万人台に落ち着いています。死者数も千人超から、ここ2日間は900人台に下がっています。こういった傾向を見て、映画館も、ということになったのでしょう。ただ、これは9月30日に中央政府が出した「10月15日から、観客数を50%にするのを条件に、映画館、劇場、シネコンの再開を許可する」という通達が元になっているのですが、それぞれの州での決定次第でずれ込むこともあり得るのだとか。ムンバイを擁するマハーラーシュトラ州と、チェンナイのあるタミル・ナードゥ州はまだいつから再開するのかを発表しておらず、両州の映画関係者や映画ファンをやきもきさせているようです。

Sooryavanshi film poster.jpg 83 film poster.jpg Radhe- Your Most Wanted Bhai First Look.jpg

現在、大作で公開が遅れている作品は上にポスターを挙げたようなボリウッド映画があるのですが、最初に挙げた記事によると、10月15日から映画館が再開しても、こういった大作はすぐには上映されないようです。「15日間やそこらじゃ、とても宣伝期間が足りない」とプロデューサーたちは言っているそうで、今年中に公開になるのか不明、という感じです。アーミル・カーン主演作『Laal Singh Chaddha(ラール・シン・チャッダー)』は今年のクリスマスに公開予定だったのですが、早くも来年のクリスマス公開に繰り延べられたのだとか。トム・ハンクス主演の『フォレスト・ガンプ』(1994)のリメイクだとかで、それでクリスマス公開にこだわっているのでしょうか。

Laal Singh Chaddha.jpg

というわけで、映画館が再開しての当初は、中堅どころのスターが主演した、ちょっと小粒の作品の公開が続くようです。さらには、映画館再開が遅れると考えて、配信での公開を決めてしまった作品も多く、アビシェーク・バッチャン主演の『The Big Bull(大物の雄牛)』やアミターブ・バッチャン主演の『Chehre(顔)』などのプロデューサーは、映画館でも公開することを模索しているのだとか。他にも、こちらの公開予定作品リストには、アクシャイ・クマール主演作『Laxmmi Bomb(ラクシュミー爆弾)』が11月9日にDisney+Hotstarで公開されるとありますし、映画館が再開されてもいろいろ混乱が続くようです。最後に、最初に挙げた3作品のうち、『Sooryavanshi(太陽の帝国の人)』と『83(1983年)』の予告編を付けておきます。クリケット界のレジェンド、カピル・デーウを主人公にした『83』は予告編がまだのようで、チーム紹介ティーザーです。

Sooryavanshi | Official Trailer | Akshay, Ajay, Ranveer, Katrina | Rohit Shetty | Coming soon 2020

 

83 (Hindi) - Official First Look | Ranveer Singh | Kabir Khan | Coming soon 2020

 


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