昨日の続きで、オープニングセレモニーの様子をお伝えします。
雨のせいで室内に移動してのセレモニー会場。ここでのカクテルパーティーは前から準備されていたようなのですが、高い舞台までは作れなかったようで、挨拶する映画祭協会の主席王英偉氏は姿が見えにくくお気の毒。もう一人の方と共に、いずれも英語と広東語のバイリンガルでのご挨拶で、後の方は「映画祭での挨拶は、毎回バイリンガルということで緊張するんですよね」とおっしゃっていましたが、英語も広東語もカンペなしの、ユーモアも交えて聞き取りやすいご挨拶でした。
そして、電影大使の古天樂(ルイス・クー)が登場。よく見ると、Yシャツの襟に星が付いていたりと、本当にオシャレです。
続いて、会場で目を引いていたピンクの巨大なケーキが引き出され、「映画祭の40才の誕生日を祝いましょう」というわけで、ルイス・クーと杜峯(ジョニー・トー)監督がナイフを入れます。舞台にあがったジョニー・トー監督が、「何じゃ、これ」という風にケーキをしげしげ見ていたのが印象的でした。プラスチックみたいなのですが、手前の方だけ本物のケーキだったのかも知れません。周りをフィルムがぐるぐる巻きにしている、というデザインですが、労力の割には...。
続いて、オープニング作品『火鍋英雄』の主演3人、白百何(バイ・バイホー)、陳坤(チェン・クン)、秦昊(チン・ハオ)、そして監督の楊慶(ヤン・チン)が登壇。映画の内容についてはのちほどご紹介しますが(香港のホテルはWiFiの動きがにぶく、ブログへのアップがなかなかできないのです)、重慶を舞台にしたとっても面白い作品でした。
チェン・クンは重慶出身なので、主人公を熱演していました。今回の映画祭では髪型のせいか、ちょっと別人のようでしたが、映画の中ではいつものチェン・クン全開で、彼のファンは必見です。
チン・ハオはどちらかというと脇の役に近いものの、いつもの物静かな役と違って、悪妻に悩まされる少々おっちょこちょいの青年をこれまた好演。この人、お笑いも行けます! 本当にうまい俳優ですねー。
バイ・バイホーは『モンスター・ハント』(2015)が公開されると日本でもファンが増えるのでは、と思いますが、ドレスに着替えてくるのかと思ったら、入場時そのままの清楚な姿で登場。キメキメのドレス姿が好きな中国人女優の中では珍しいですね。この人も、しっとりした若妻からお笑い系の闊達な女剣士まで、幅広い役柄がこなせる振れ幅の広い女優です。
続いて、2本目のオープニング作品『樹大招風』のゲストが勢揃い。左から、主演の林家棟(ラム・ガートン)と任賢齊(リッチー・レン)、3人の監督たち(すみませんお顔がよくわからず、なので間違っていたらゴメンナサイ)の歐文傑(ジェヴォンス・アウ)、黄偉傑(ヴィッキー・ウォン)、許學文(フランク・ホイ)、そしてカメオ出演の呉志雄(ン・チーホン)、プロデューサーの游乃海(ヤウ・ナイホイ)です。ヤウ・ナイホイはこれまたおしゃれで、とっても洗練された雰囲気を漂わせています。3人の監督たちも、そのうち彼のようになるでしょうか...。
こちらの作品もまたのちほど詳しくご紹介しますが、3人の伝説の強盗犯を主人公に、彼らを待ち受ける1997年を境とする皮肉な運命が描かれます。リッチー・レンはこの時の挨拶で「最後までワルにしてくれてありがとう」と言っていましたが、一時はまともに商売人としてやっていこうとして、それが叶わず壮絶な最期を遂げる役でした。
ラム・ガートンの方は、頭脳犯という感じの一匹狼。この人、今回の映画祭では(でも?)出ずっぱりで、2日目にも上映作品のゲストとして登場。一時の劉青雲(ラウ・チンワン)状態になっている感じです。
また、韓国映画『バッカス・レディ』のユン・ヨジョンとユン・ゲサンも登場。この作品は、老人問題をちょっと面白い視点から捉えた作品で、ユン・ヨジョンのうまさが光ります。ユン・ゲサンは思いがけない役柄で、それってマ・ドンソクあたりの役柄では、と思わずつぶやいてしまいました。あとフィリピン人の少年が準主役を演じています。こちらものちほどまた。
そのほか、フランス人女優ソフィー・マルソーもゲストとして招かれていて、こんなスリーショットも。最後は皆さんで乾杯し、映画祭は無事スタートしたのでした。