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アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

イスラーム映画祭3でインド映画2本上映

2018-01-11 | アジア映画全般

今年もイスラーム映画祭が、東京と名古屋、神戸で開催されます。その上映作品が公式ツイッターで順次発表され、本日、その全貌が明らかになりました。まずは、映画祭の開催時期と、上映作品のラインアップをどうぞ。

イスラーム映画祭3

 2018年3月17日(土)~23日(金) 東京・渋谷・ユーロスペース
     4月(日にちは未定)     名古屋シネマテーク
     5月(日にちは未定)     神戸・元町映画館


<上映作品>
 1.『ラヤルの三千夜(3000 Nights)』2015/パレスチナ(日本初公開)
 2.『エクスキューズ・マイ・フレンチ(Excuse My French)』2014/エジプト(日本初公開)
 3.『アブ、アダムの息子(Adaminte Makan Abu)』2011/インド(日本初公開)
 4.『熱風(Garm Hava)』1973/インド
 5.『イクロ クルアーンと星空(Iqro:Petualangan Meraih Bintang)』2017/インドネシア(日本初公開)
 6.『ボクシング・フォー・フリーダム(Boxing for Freedom)』2015/スペイン=アフガニスタン/ドキュメンタリー/74分
 7.『モーターラマ(Mohtarama)』2013/アフガニスタン/ドキュメンタリー/60分
   (6.と7.は併映の予定)
 8.『トゥルー・ヌーン(Qiyami roz)』2009/タジキスタン
 9.『花嫁と角砂糖(Ye Habe Ghand)』2011/イラン
 10.『遺灰の顔(The Face of the Ash)』2014/クルディスタン=イラク
 11.『私の舌は回らない(Meine Zunge Dreht Sich Nicht)』2013/ドイツ(日本初公開)
 12.『ラジオのリクエスト(Ma Yatlubuhu al-Musstamiun)』2003/シリア
 13.『女房の夫を探して(À la recherche du mari de ma femme)』1993/モロッコ

ご覧のように、インド映画が2本入っています。それぞれの作品データをご紹介しておきましょう。

AdaminteMakanAbu.JPG

 『アブ、アダムの息子(Adaminte Makan Abu)』

2011/インド/マラヤーラム語/101分/日本初公開
  監督:サリーム・アフマド
  主演:サリーム・クマール、ザリーナー・ワハーブ、ネドゥムディ・ヴェーヌ

1970年代後半、ケーララ州のマラバール地方に住む老夫婦がメッカ巡礼(ハッジ)に行こうとするのですが、いろんな困難が立ち現れてきて...という物語で、主人公の老人を演じた、まだ40代というサリーム・クマールの名演技が光る作品です。サリーム・クマールは本作で、ナショナル・フィルム・アワード(国家映画賞)の主演男優賞を獲得しています。一方、妻を演じるザリーナー・ワハーブはヒンディー語映画で活躍する女優で、1983年のインド映画祭で上映した『ままごとの家』(1977)等の主演の他、近年は『マイ・ネーム・イズ・ハーン』(2010)の母親役などで知られる人です。ただ、アーンドラ・プラデーシュ州生まれのザリーナー・ワハーブは、1974年のヒンディー語映画デビュー後間もなくから、テルグ語、タミル語、マラヤーラム語映画に出演しており、特に1980年以降はコンスタントにマラヤーラム語映画での実績を重ねてきています。サリーム・アフマド監督は本作が長編劇映画デビュー作ですが、本作で作品賞、監督賞など多くの賞を獲得しました。 

 

Garm Hava Poster

『熱風(Garm Hava)』

1973/インド/ウルドゥ語/136分/「大インド映画祭1988」で上映
  監督:M.S.サティユー
  主演:バルラージ・サーハニー、ファールーク・シェーク、ディーナーナート・ズッチ、ギーター・シッダールト

1947年、独立直後のインドの古都アグラを舞台に、周囲のイスラーム教徒たちがパキスタンへと移住していく中で、パキスタンに移るべきか、インドに踏みとどまるべきか苦悩する一家の人々を描く作品です。1988年の大インド映画祭のパンフをスキャンしましたので、ご覧になってみて下さい。(読めるでしょうか?)

ここに写真が付いている監督のM.S.サティユ-は、1980年代にインド国際映画祭に行くと必ずお目に掛かっていたのですが、知的で品が良くて、素敵な監督でした。下の写真は、1984年のボンベイ(現ムンバイ)でのインド国際映画祭開催時にパーティーで写したもので、右の人は当時のナショナル・フィルム・アーカイヴの所長P.K.ナーイルさんです。

イスラーム映画祭事務局の方のお話では、サティユ-監督はもう87歳だというのにお元気で、いろいろメールのやり取りもしておられるのだとか。日本でまた『熱風』が上映されるというニュースをきっと嬉しくお聞きになったことと思いますので、未見の方はぜひ見にいらして下さいね。

インド映画の他、インドネシア、イラン、アフガニスタンの作品も上映されます。私は残念ながら3月はほとんど不在となるため見に行けないのですが、アジア映画好きの皆さんは今後のスケジュール発表にご注目下さい。イスラーム映画祭の公式サイトはこちらです(まだ工事中です)。



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