珍健二の部屋

感動の名文句を浅く分析する日記

昨日

2009-06-21 | Weblog
さて、日記を後進するか。


昨日、Kさんと飲みに行くことになって、僕達はあてもなく、フラフラと夜の街を徘徊した。
すると、見たことのない新しいスナックがオープンしているのを発見した。
我々はいつもの汚い手段にうってでることにした。

扉をほんの少し開け、数秒でホステスをチェックして、ダメならすばやく逃げるという手法である。

扉に近づいたKさんは、左手で少し扉を開け、右目で吊り元のスキマ(ドアを開けたときにできるチョウバン側の数センチの空間)から器用に中の様子を検査した。

後ろからみていると不審人物そのものである。

そのとき、「いらっしゃいませ~」と言いながらホステスが店の中から出てきた。
人がいないのに勝手に開いた不自然なドア、そして隙間から覗くKさんの目玉に気がついたのだ。

僕はトムソンガゼルのようにすばやくビルの陰に身を隠した。

Kさんはその場を動かなかった。
どうやら彼は「イケる」という審判を下したようだった。


店内を見渡すと、ママ、そしてホステスが2人だけのこぢんまりした店だった。

ホステスの1人がそこそこ可愛かった。
その、可愛いホステスさんが隣に座った。
とてもおとなしく、蚊の鳴くような小さな声で喋るので、いったい何を主張したいのか、さっぱり聞き取れなかった。
恋愛の話をしているのか、北朝鮮のミサイルの話をしているのか、ボソボソしすぎて僕の鼓膜では拾えないのだった。

しかし、マイクを握った彼女は違っていた。

はちきれんばかりの若さあふれる声量で、マニアしか知らないアニメソングなど、聞いていると頭がどうにかなりそうな曲を、狂ったようなスーパーハイテンションで歌ってしまうのだった。
こち亀の本田巡査のように顔つきまで変わってしまうから、唖然とするしかない。


結局、7時間近くこの店で過ごしてしまった。
まぁ、充実した1日だったと言えよう。

お昼

2009-06-02 | Weblog
ビジネス中に、流しのリンゴ屋がやってきた。



「ごんぬつわ、青森さ~のレンゴ、こうてくんねぇだすか?」

「あ?」

「いや~、青森のぉ、おいしいレンゴさ食べてもらいたいど思いまずてね、持ってきまずた」

「ああ、リンゴ屋さん?青森から来たの、へぇー」

「そうだす。おいしいレンゴさ、どうだすか?1000円で6個入りなんだす」

「いや、今1000円使っちゃうとね、昼メシ代がなくなっちゃうんだよ、悪いけどいらないよ」

「じゃあ、お昼はレンゴさ、食べてくれろ。レンゴほど腹持ちがいいもんはないがら、お兄さんも今日のお昼はレンゴがおずずめだよ。実際、わたずらもね、昼メスはレンゴなんだすよ、わっはっは!」

「へぇ、そうなんだ。 でも今日はいらないよ」

「わかりますた、はいはいはい。 プィッ」


営業において方言は、有利にはたらく場合が多い。
方言には、なぜか親近感が増し、悪い人ではないと思わせる力がある。
しかし彼は、ビジネスというものを、まるでわかっていなかった。
男では話にならん。