珍健二の部屋

感動の名文句を浅く分析する日記

禁煙

2008-10-26 | Weblog
今更遅いと解っていても、禁煙をしようと思いついた。
で、朝から一本も吸わずにいると、落ち着かなくなってきて、もうタバコの事しか考えられなくなっていた。 
これはいけない、もうアレに頼るしかない、と思って、薬局に向かった。
薬局に入って、ニコチンのシールありますか?と聞いた。
「ウチは薬事法の関係で置いてないんです。でもカワチさんなら置いてありますので、そちらで買ってください。」と、あっさり商売ガタキを紹介されたので、言われたとおり、カワチに行って、ニコチネルパッチを買った。7枚入りで2940円。
車に戻り、さっそく貼ってみようと思って袋を破こうとしたら、袋が硬くて素手ではまったく開かない。
説明書きを読むと、ハサミで開けてください、と書いてある。
バカな、ハサミなんか車に積んである訳ないだろう。
これは困った。もう、一刻もはやくニコチンを吸収したい。
ハサミは無いけど、代わりに後部座席で巻尺をみつけた。
この巻尺の先端を1mほど引っ張り出して、勢いよく引っ込めれば、その端の鋭さによって袋をカットできるはずだ。
と、思ってやってみたけどマーッタク切れない。
逆に、自分の手をカットしそうになって止めた。しかたないので、歯で噛み切ろうと思って食いついたら、歯がグラグラしたのでビビッた。
ライターであぶって溶かそうと試みるも、中身まで溶けそうなので途中で断念した。 
不思議だ。何故、これほど厳重なパッケージに入れてあるのだろうか? 
コンドームの袋みたいに、片手でサッと破けるようにしてもらわないと困る。
もし、コンドームが、これほど厳重な袋に入っていたらオオゴトである。
慌てふためいた挙句、下半身丸出しでハサミをガサガサと探すはめになってしまう。もちろんその間に、彼女は帰り支度を始めるのは言うまでも無い。両者にとって何のメリットも無い。
とにかく、ハサミを購入するためにダイソーに向かった。
で、ダイソーで100円のハサミを買って、念願の袋のカットに成功した。
シールを取り出して、それを、みぞおちに貼り付けた。
・・・全然、ガツンと来ない。何の変わりも無い。
何か、人生が一変するような期待をしていたけど、どうやらそんな事は無いようだ。

2008-10-19 | Weblog
ビジネスの現場で、
「あのねNさん、酒を飲み続けてると、脳が萎縮するって、最近の研究結果で判明したらしいですよ」
と、教えたら、
「ああ、俺は毎日、浴びるほど飲んでるから大丈夫だよ、うわっはっは~!」
という、答えが帰ってきた。
案外、研究結果は外れてないんだなぁと、妙に感心した。

その現場の、お客様の家の庭に、大きな彼岸柿の木があって、熟した柿がたわわに実っていた。
Nさんは「柿を取る」と言って、仕事を放り出してお客様の家の屋根に這い上がった。 
お客様が、「柿、とってもいいよ」 とチラッと言ったのを、Nさんは聞き逃さなかった。

竹の棒を器用に使い、柿を収穫するNさん。
下から見ていると、ただの柿泥棒にしか見えない。
たまらず僕も、この柿泥棒を助けるために、袋を持って屋根に這い上がった。
2人で共謀して、お客様の柿を100個以上、かすめ取った。
ビニール袋が破けるほど勝ち取った。

僕はそれを家に持ち帰って、1つだけ食べると、もう満足してしまった。
甘くて美味しいんだけど、そう何個もバクバク食えるもんじゃない。
その夜、テレビで、柿はレモンの約5倍のビタミンCがあるということを言っていた。
凄い。柿にそんなご利益があるとは知らなかった。
毎日1つ、かかさずに食べることを誓った。
ただ、毎日食べても今年中には食いきれない数なので、いずれ腐るのは間違いない。すでに袋の下の方の柿は、ジュクジュクし始めている。

Nさんは収穫した柿を、食いきれず、あちこちに配り歩いているらしい。



飲食

2008-10-13 | Weblog
Nさんから電話があって、飲みに行こうと言うので、とりあえず彼が食事をしているラーメン屋に向かった。
Nさんは1人で、ビールやら豚足なんかを食べていた。
釣りはいらない、と言って、Nさんは1万円を支払ってラーメン屋を出た。
Nさん、ラーメン屋で1万円ですか? 飲み食いし過ぎですよ。
僕達は夜の街をてくてく歩いて、フィリピンパブに向かった。
途中、外国人らしき女性とすれ違うと「ハロウ!」と威勢よく声をかけるNさん。
彼は僕の人生の先輩でもあり、且つ、ほとんど人生の反面教師である。

パブに入ると、フィリピン人やタイ人達がおもてなしをしてくれた。
ウイスキー、ビール、焼酎と立て続けに飲んで、酔うより先に気持ち悪くなった。
午前2時、意識朦朧としてタクシーに乗り込んだ。
気持ち悪い。ああ今日はいい酒じゃあなかったな~。

家に帰ってズボンを脱ごうと思ったら、ポケットに何かカタイ物が。
それは僕のイチモツじゃなくて、かわいい女物の時計だった。
いつの間にかポケットの隙間にネジ込まれたようだ。
かわりに僕の右手の数珠がない。
いったい、いつ、どこで?
まぁ、たまにはそんなこともあるだろう。

ウイスキー

2008-10-09 | Weblog
さて、いよいよ本格的な秋になってきたので、僕はビールをやめてウイスキーを飲むようになった。
氷を入れたグラスに、ブラックニッカを注いでイッキに飲み干す。
それが何より至福の時で、そんな些細なことが、過酷な日々を生きぬく目的になりつつある。
まったく残念でならない。ただ、残念だと思うのは最初の1杯目だけで、あとは、何が残念であったかもサッパリ忘れてハッピーな気分になってしまうから不思議だ。

僕は、ウイスキーのニオイを嗅ぐと、必ず思い出してしまう出来事がある。
同級生のM君の事だ。

17年前のクリスマス・イブ。当時、高校生。
東大卒の親父、白百合女子大卒のオフクロをもつ、Y君の家で行われた、ささやかなクリスマスパーティー。
集まったのは、僕、M君、そして主催者のY君。あわせて合計男3名。
東大卒の親父、白百合女子大卒のオフクロをもつ、Y君自体は単なる落ちこぼれだった。
M君といえば、優秀ではあったけれど、人を寄せ付けない怪しい雰囲気を常に醸し出していた。
僕は何故か、そんな2人の変わり者とウマがあった。

M君はパーティーの当日、ご自慢の「黒皮の帽子」を被り、ワイルドターキー持参でやってきた。
そんなことで、僕とY君、そしてM君、野郎3人のささやかなクリスマスパーティはしめやかに進行した。
バックミュージックの、ワムの「ラスト・クリスマス」が、よりいっそう、切なさに拍車をかけた。
ああ、ここに女性の1人でもいれば・・・。
そんなことはともかく、鳥のから揚げやら、なんやらを食べて、腹いっぱいになった。
腹いっぱいになると、M君は、その懐に忍ばせたワイルドターキーを取り出して、ボトル半分くらいまでイッキにラッパ飲みした。そして、いかに自分が酒豪であるかを僕達にアピールした。
僕とY君は、アホか、と思ってその光景を見ていたけど、彼の無謀さに対し、とりあえず「おお、スゲェ」と言って賞賛した。
しばらくするとM君はイビキをかきながら寝てしまったので、僕とY君は彼を無視して、これからの進路の話をしたり、好きな女の話をしたり、生徒名簿を調べて女の家にイタズラ電話などをして時間を過ごした。

ふいに、どこからか、バキュウムカーが汚物を吸い取るような音がしたので、振り返ると、M君が今まさにゲロを吐き出さんとゲコゲコしている音だった。
そしていきなり噴水のようにゲロを吹き上げたかとおもうと、そのゲロがM君自信の顔面に降り注いで、あげく、自分のゲロに対し、「ううん、クセェ」と言い放って、すぐに死んだような深い眠りに落ちたM君に、僕達はあっけにとられて呆然とした。
かたわらに置いてあったM君ご自慢の「黒皮の帽子」のてっぺんがヘコんで、そこに噴出したゲロが、カルデラに溜まるマグマよろしくドロンとしている。
おのれのゲロの受け皿と化してしまった、M君ご自慢の「黒皮の帽子」。
僕とY君は、その一部始終を見て、腹がよじれるほど笑って、ゲロまみれの顔のM君を笑って、ゲロの溜まった「黒皮の帽子」の哀れな姿を見て笑って、やっと息ができるようになってから、こんなに笑ったクリスマスは初めてだとお互いに認識しあった。

朝になると、M君の顔に付着したゲロはすっかり乾いて、何か、食べ物の切れ端なんかがくっ付いていて、それに気づかずクールな雰囲気を醸し出すM君を見て、僕とY君はまた、腹がよじれるほど笑った。

読書な秋

2008-10-03 | Weblog
ダンボールで宅急便が届いたので何事かと思ったら、アマゾンで注文した「ドン・キホーテ全6巻」だった。
おととい、カチッとクリックしただけで、すでにブツが僕の手中にある。さすがに仕事が早い。
古本屋めぐりで貴重な時間を失うまえに、初めから文明のリキに頼るべきだった。

☆ドン・キホーテ あらすじ☆
騎士道物語を読み過ぎて妄想にとらわれた初老の紳士が、古ぼけた甲冑に身を固め、やせ馬ロシナンテにまたがって旅に出る。決定的な時代錯誤と肉体的脆弱さで、行く先々で嘲笑の的となるが…。

さすが史上最高の小説と言われるだけのことはある。
初っ端のあらすじだけで爆笑。