国連アフガニスタン支援団のカイ・エイダ前代表が今月、英BBCのインタビューで、アフガンの反政府武装勢力タリバーンの幹部らと秘密裏に和平交渉を始めていたことを明らかにし、隣国パキスタンが先月、幹部らを拘束したことに対し「交渉が中断された」と強く非難した。
国連関係者がタリバーンとの交渉を公にするのは初めて。アフガン政府高官も朝日新聞の取材に対して交渉を認めており、和平を模索する国連、アフガンと、消極的な米国などとの不一致が鮮明になった形だ。
今月、2年間の任期を終えたエイダ氏は、昨春ごろからタリバーンの高級幹部らと直接会ったと語り、この接触について「(タリバーンの最高指導者オマール師の)了承があったとしか考えられない」と述べた。交渉は、タリバーンのナンバー2、アブドル・ガニ・バラダル師らがパキスタンで拘束された先月ごろまで続いていたという。
エイダ氏はパキスタンを「自国が果たすべき役割を理解していない」と強く批判した。タリバーンとの交渉についてゲーツ米国防長官は「時期尚早」と否定的な考えを示し、パキスタンによるバラダル師らの拘束を支持している。(四倉幹木)
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