くろねこさんの話によれば

くろねこが思ったこと、考えたことを記すだけの日記なのだと思う。たぶん。

あなたがいる、ということ

2017年05月07日 00時15分57秒 | 私信
深く落ち込んで、色々なことから逃げて、自分の求めるものも見ないようにして、そうして何も書くことができませんでした。問いかけから何日も経ってしまいましたね。謝らなければなりません。ごめんなさい。

その数日間はどこか、荒野に一人で立っているようなイメージです。見渡す限り何もなく、日が暮れはじめているのに、どこに行ったらいいのかも分からない。焦りは増していくのに、足が動かないというような。

何かを書こうとしても、それは全て嘘になってしまうんじゃないか。どこまでいっても間違ったものになるんじゃないか。そんな気分に支配されていました。何もしないまま時だけが過ぎていく。それはそのまま、僕の人生のようでもありました。

今夜、久しぶりに村上春樹の自伝的エッセイ「職業としての小説家」を読みました。そうして僕は、ようやく、少しだけ前を向くことができました。考えてみれば(以前も書いたけれど)、僕は本を読み、そんな風に言葉を得ることによって、えっちらおっちらと、何とか生きてきたように思います。おおげさかもしれないけれど。でも、手にとって確かめることができそうな実感が、僕にはあります。

そうして、僕にとって言葉は光なのだと、気づかされました。それは時には、傷つけるナイフのようなものでもあるけれど、僕はその光によって救われてきたし、進むことができた。

それと同じく、僕にとってあなたは、光なのだと思います。それは何もない荒野に届きました。僕はあなたと出会ったことで進めるような気がしたし、さらに言うと、出会った瞬間に、お互いに受け入れ合うことができるのだと直感しました。

なぜでしょうね。実を言うと、自分でもなぜそう思ったのか、よく分からないのです。ただただ、僕はあなたを大切な存在だと直感したのです。そして、離れた時には人生の大きな部分が欠落してしまったように思いました。

仮に「どこが好きか」と聞かれたとしたら、僕はうまく答えることができません。うまく答えられないのは、突き詰めていくと、好きではない、ということになるのでしょうか。きっとそういう答えは、あなたを傷つけてしまうでしょうね。

でも不思議なことに、あなたの言葉で胸が震え、笑顔になり、そしてあなたを愛おしいと思う。離れていても、あなたのための場所が(少なくとも)僕の中にはあるし、いまでも大切な存在だと思っています。

喜ばせたいと思うし、笑顔になってほしいし、抱きしめたいと思う。

受け入れ合える相手がいるということが、あなたがいるということが、それだけで奇跡みたいなことなんだと、僕は思っています。

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