えんじゃけん

「ロマンス」その1~全体の感想~

昨日は3度目の「ロマンス」に行ってきました。
3度目にして、やっと感想を書こうと思います。

昨日は、舞台(観劇)自体が初めてという人と行きました。
正直、初心者にとって「ロマンス」は長いし(18時半~21時45分)、
難しいかなぁと思ったのですが、むしろ、私なんかよりも
よく理解してたようだし、楽しめてたようなので、安心しました。
席が今回はかなり前が取れたので、それも手伝って余計に面白く
感じてくれたようです。
「(役者が間近で)すごい迫力ですね!」と言ってました。
それと、男優たちが年齢によって代わる代わるチェーホフを演じる
わけですが、少年チェーホフから青年チェーホフにバトンタッチした
のがなかなか分からなかったそうで、かつ、少年がチェーホフだと
気づかず、いつチェーホフは出てくるんだろう?と思って
見ていたそうです。
たしかに、少年時代はチェーホフって呼ばれているわけではなく、
あのバトンタッチも演劇的表現で、初めて演劇を見る人には
分かりにくいのかなぁと思いました。
でも、この呼び名の変化ですが、親しみを込めて呼ぶときと、
真面目なときに呼ぶ呼び名とも違っていて、分かりにくくはあるよなぁと
そう思いました。
松さんが、オルガを呼ぶときに、親しみを込めた呼び名で呼ぼうとして、
真面目な話だからと、「オルガ」と言いなおすシーンがあるんだけど、
私は2回目まですっかり松さんが言い間違って言い直しているのか?と
思ってたんですけど、・・・そうじゃなかったんだなぁって、
三回目にして気づきました。(汗)

昨日、一緒に行った人は、「大竹しのぶさんの演じるオルガが一番好き」と
言っていました。
松さんについては、
「他の人がいろいろな役をやっているけど、松さんは、ほとんど
同じ役(チェーホフの妹)でしたね。」
とのことでした。やはり、大竹さんに目がいくって感じなんでしょうね。
あと芝居的には、大竹さん演じる老婆が出るあたりからが面白かったとのことで、
老夫婦の笑いあうシーンではすごく感動した!とのことでした。
2度目に一緒に行った友達も、この老夫婦のシーンが一番よかったって
いってたなぁ・・・。
あ、そうそう。それと2番目に一緒に行った友達が、
「みんな自分の幸せを見つけられたけど、マリアは幸せだったのかなぁ?」
とも言っていました。
どうなんでしょうね。
友達の方が見方が遥かに深いなぁと思った次第です。

2回目に一緒に行った友達に、
「今回の芝居はなんかピンと来ない。」と言ったんです。すると、
「たぶん、(松ファンにとって)松さんがあんまし目立たないからじゃない?」
ということと、「問題提起っていう芝居じゃないからじゃないかな?」
と言われました。
私は結構、芝居を見た後に、いろいろ考えるのが好きなんですけど、
そういう芝居じゃないんじゃないかと言われて、
そうか、ないものねだりの視線で私が見てたんだなぁと思いました。
だから、3回目の観劇では気分一新に見たので随分楽しめて見れました。

昨日一緒に行った友達の感想ですけど、
「チェーホフの作品を読んでみたくなりました。
本当に、悲劇に読めてしまうのかどうか。」
ってことを言ってました。
・・・これって、この芝居が成功してるってことかなぁって思いました。
チェーホフって人物に興味の持てる作品に仕上がっているってことですよね。
強い感動ってわけではないけれども、しっかり心に響いているんだなぁと
感じました。

余談ですけど、世田谷では、今まで結構チェーホフの芝居をかなり
うってきているらしいです。
だから、今回のこの芝居は、その集大成ともいえるんじゃないか?てな
ことを2回目に一緒に行った友達が言っていました。
私は、チェーホフは随分昔に「かもめ」を見たことあるんですよね・・・
でも、あんまし覚えてないけど。
「三人姉妹」や「桜の園」など、普通に演劇しているのを見た上で、
この芝居を見るとさらに面白いんでしょうね。
一体、どんな風に演出されて演じられているんだろう?

最後にすごく主観的な感想ですけど、
私は小さいころ、サーカスのピエロが好きだったんですよね。
自分、ピエロのようになりたいなぁって思ってました。
わざとお馬鹿なふりをして、みんなを笑わせるピエロ。
でも、どこかにピエロって悲しみを感じさせるんですよね。
本当に、人々を笑わせられる人っていうのは、本当の悲しみを
知っている人だと思うんです。
だから、悲しい芝居などよりも笑いの芝居の方が、
レベル的には上なのかなぁって思うのです。
人を笑わせるっていうのは、実はかなり強くないとできないこと。
そんな風に思っています。
チェーホフの台詞にもあったけど、人は悲しみをもって生まれてくる
ものなんですよね。人の中に笑いはない。
笑いは人が作り出すもの。

静かで淡々とした印象の強い舞台ですが、自分の生き方を振り返るのに
向いた芝居ともなっているのではないかなぁと思います。

自分の人生の中で、楽しかったことを楽しかったというよりも、
本当に大変だったこと、つらかったこと、悲しかったことを
面白、おかしく話す方が、人々も楽しんで聞いてくれるものなんですよね。
笑ってもらうことで、自分もそれで救われるところもあるし。
・・・そう、思いませんか?

だから、辛いことがあっても
「あぁ、よかった!これで人々を笑わせれる楽しい話をまたひとつ増やせる!!」
と思えば、辛いことも楽しめますよね。
はい、ちょっと芝居の中の台詞を変化させて書かせてもらいました。

感想が随分、長くなりましたが、まだ「ロマンス」見に行く予定なので、
また新しい感想などができたら、書いていきたいと思います。
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