えんじゃけん

『越路吹雪・愛の生涯~この命燃えつきるまで私は歌う』

第2夜 11月25日(金)21:00~23:12フジテレビ
「越路吹雪・愛の生涯~この命燃えつきるまで私は歌う」

昨日の夜は映画を見に行ったので、今日ビデオ録画にしたものを見た。
当たり前だけど、瀬戸内寂聴とは全く違う人生。
そして、全く違う性格。
でも、夢を強く持って生きている点は同じだ。

「幸せかどうかは自分が幸せかどうか、周りの評価は関係ない。」

そんな台詞があった。
他人の基準に合わせた幸せなんて自分にとっての幸せとは言えない。
人によってそれぞれだと私も思う。

しかし、それにしても越路吹雪というような大物でも、
あんなにも不安を抱え舞台に立っていたのかと思うとかなり驚いた。
「自分に足りないものは自信だ。」
という台詞が途中であったけれども、周りから見れば成功した人で
あっても、本人はいつも不安なこともあるのだなと思った。
「月夜の蟹」って台詞が何度か出てきて、最初は意味が
分からなかったんだけど、月夜の蟹は身がつまってないらしく、
つまりは中身がないって意味らしい。
「私は月夜の蟹じゃない?」
いつまで続くか分からない人気、
本当は必要とされてないんじゃないだろうかという不安、
それらが彼女を苦しめていた。

しかし、彼女はいう。
「周りの人たちの愛があったからこそ、今の自分があった」のだと。
越路吹雪が言うように、自分ひとりの力で成功する人なんて
私はいないんじゃないかと思う。
成功者の影にはそれを支える人が必ずいるように思う。

旦那と時子と自分の誰がかけても越路吹雪はだめ、と吹雪は言った。
強く夢を抱ける人には必ず協力者が現れる。
それが自分だけへの欲のためでなく、全ての人の幸せに繋がるものなら、
かならず、人々は協力をしてくれるだろう。
だから無理だと初めから諦めず、まずは飛び込むことも必要だ。
もし、それが常識・非常識の考えに囚われているんならなおさらのこと。
今日の常識は明日の非常識かも知れないのだから。
彼女のドラマを見て、そう思った。

走って走って走り続けた越路吹雪。
50代の若さで胃癌で亡くなってしまう。
吹雪は「もう現世に悔いはない」というようなことを言っていた。
あんなに頑張ったのに、早く死んでしまうなんて、
それは平等なのかな・・・とちょっと思った。
でも、「もう現世に悔いはない」と彼女が心底言ったのならば、
彼女がこの世でやるべきこと、与えられたものを消化できた
ということなのかも知れない。

「王様と私」というミュージカルにも出演されてんだね。
ドラマ中の新聞記事でそれが登場。
相手は染五郎(現在:松本幸四郎)。
そして、歌詞を翻訳したのはマネージャーの岩谷時子。
私は松本幸四郎の舞台も見に行くし、吹雪さんと交流深かった
岩谷さんが歌を翻訳した「ミス・サイゴン」も見に行ったし・・・。
なんだか、吹雪さんが死んだ遠くの人には思えない。
彼女をリアルに知っていた人たちが、
そして、彼女が関わった作品が、私の周りにも溢れているのだ。

肉体的な死で全てが消えるわけではない。
いろいろな人の心の中にその人が生き続けているから寂しくない。

そんなニュアンスのことを最後に台詞であった。
多くの人がそういう風に考えてるのかな。
私も死についてはそう思う。
触れることはできないけど、心にはあたたかく残ってるから。
そして、それは今の自分を作っているのだから。
自分が生きている限り、その人は生き続け、
また、私と接点を持った人にもその人は流れ込み、
きっとずっと生き続けるんだと思う。
ずっとずっと何年、何百年と。

さて、今日は最終日。
第3夜 11月26日(土)21:00~23:14
「悪女の一生~芝居と結婚した女優・杉村春子の生涯~」。
どんな悪女ぶりなんだろう。
楽しみだ。
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