竹林亭白房

六代目圓生「一つ穴」★落語

□本日落語二席。
◆柳家さん喬「水屋の富」(衛星劇場『衛星落語招待席』)。
紀尾井ホール、令和4(2022)7月16日(「柳家さん喬独演会」)。

◆六代目三遊亭圓生「一つ穴」(日本文化チャンネル桜『落語動画』)。
※公演情報不明。
自分がこの落語を聞いたのは、2012年に柳家喜多八でのたった一席(東京渋谷セルリアンタワー能楽堂、2012年3月17日/「『伊武雅刀×柳家喜多八 落語会 』~落語家Xの快楽スペシャル」)。

川戸貞吉『落語大百科』によると、とてもめずらしいネタだそうで、これが六代目圓生の後、一門の六代目三遊亭圓窓と三遊亭鳳楽など、「一門に細々と受け継がれているだけというのは、もったいない気がする」と記されている。この記事がある同書(第四巻)の刊行は2002年。さて、川戸はその十年後に、喜多八の高座は聞いただろうか。
そして、喜多八は、三遊亭の誰かから「一つ穴」を教わった可能性があるが、その喜多八も亡くなってしまい、昨年圓窓も他界したので、今また、「一つ穴」の演り手は、鳳楽だけになっているのだろうか。

今回自分が聞いた音源は約二十八分。川戸によると、この落語は全部きっちり演ると五十分ほどにもなるネタとのこと。だから、六代目圓生は、落げまで演らずに、途中で切ることも多く、川戸は落げまで演ったのを聞いたのは「ほんの数回」らしい。
ただ、今回聞いたものは、二十八分の高座だったが、ちゃんと落げをつけていた。どこか途中をカットした件(くだり)があるのだろうか。なにぶん五十分のフルヴァージョンを聞いたことがないのでわからない。確か、喜多八のも五十分は演らなかったはず。

川戸の書に記された梗概を確認すると、もしかしたらもとはちょっと破礼の要素が入っていたのかもしれない。そこらあたりを、圓生のこの音源は、いささか緩和して演じていた可能性もある。一度フルヴァージョンを聞いてみたいものだ。
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