□本日落語四席。
◆六代目玉屋柳勢「大工調べ(上)」(寄席チャンネル『鮮 あざやか』)。
東京神保町楽器カフェ、令和2(2020)年5月28日(柳亭市楽改メ六代目玉屋柳勢「真打昇進披露高座」)。
「大工調べ」と言えば、数ある江戸弁による言いたてが聞かせどころとなるネタのなかでも、その随一となるものだろう。昭和の名人で、いくつも聞いてしまうと、どうしても、その到達点と比較してしまうことになる。
その点について、この柳勢の言いたては、及第点というか昭和の名人たちのそれに優るとも劣らないみごとな話芸だ。もしかすると、同年代前後の落語家でこれを聞いたなかでは最高だったと思う。早口でありそれでいてきわめて正確。ありきたりの表現だが、「立て板に水」である。
昨日聞いた「ねずみ」もそうなのだが、柳勢の落語は実に正確である。みな師匠の市馬に習ったものだろうか。クスグリなども含めて、次にこんな台詞がくるよなと思うと、寸分違わずそれが出てくる。まさに教科書的な落語という感じがする。
ただ、「教科書的」はある意味ほめ言葉にはならないかもしれない。型どおりでつまらないという意味あいもそこには若干含まれる。
落語は、講談・浪曲に比してネタの数が少ない。だから、年間に同じ落語を何度も聞くことになるのだが、それは、演者によって、または同じ演者でも高座によって、こんなところがちがうのかという発見があって楽しめるところがある。六代目柳勢にも、そんな要所が一つでも二つでもあれば、もっとおもしろくなるのではと思われた。
ちなみに、この人は、語るときの所作で、上下を振るのとは別に首が小刻みによく動く。こんなふうに語る落語家が確か誰かいたなあと思うも、なかなか思い出せない。師匠の市馬ではない。師匠以外で影響を受けた落語家がいるのだろうか。
◆笑福亭三喬(現七代目松喬)「崇徳院」(MBSラジオ『MBS茶屋町劇場』)。
大阪市阿倍野区民センター、平成25(2013)年10月20日(「松喬十六夜 追福興行」)。
◆桂ざこば「厩火事」(MBSラジオ『MBS茶屋町劇場』)。
平成12(2000)年10月OA(毎日放送『特選 ! ! 落語全集』)。
◆『笑点』大喜利:五代目三遊亭圓楽(司会)/三遊亭小遊三・三遊亭好楽・林家木久蔵(現木久扇)・桂歌丸・三遊亭楽太郎(現六代目円楽)・林家こん平(BS日テレ『笑点 水曜なつかし版』)。
後楽園ホール、平成11(1999)年11月7日OA(『笑点』第1689回)。
◆六代目玉屋柳勢「大工調べ(上)」(寄席チャンネル『鮮 あざやか』)。
東京神保町楽器カフェ、令和2(2020)年5月28日(柳亭市楽改メ六代目玉屋柳勢「真打昇進披露高座」)。
「大工調べ」と言えば、数ある江戸弁による言いたてが聞かせどころとなるネタのなかでも、その随一となるものだろう。昭和の名人で、いくつも聞いてしまうと、どうしても、その到達点と比較してしまうことになる。
その点について、この柳勢の言いたては、及第点というか昭和の名人たちのそれに優るとも劣らないみごとな話芸だ。もしかすると、同年代前後の落語家でこれを聞いたなかでは最高だったと思う。早口でありそれでいてきわめて正確。ありきたりの表現だが、「立て板に水」である。
昨日聞いた「ねずみ」もそうなのだが、柳勢の落語は実に正確である。みな師匠の市馬に習ったものだろうか。クスグリなども含めて、次にこんな台詞がくるよなと思うと、寸分違わずそれが出てくる。まさに教科書的な落語という感じがする。
ただ、「教科書的」はある意味ほめ言葉にはならないかもしれない。型どおりでつまらないという意味あいもそこには若干含まれる。
落語は、講談・浪曲に比してネタの数が少ない。だから、年間に同じ落語を何度も聞くことになるのだが、それは、演者によって、または同じ演者でも高座によって、こんなところがちがうのかという発見があって楽しめるところがある。六代目柳勢にも、そんな要所が一つでも二つでもあれば、もっとおもしろくなるのではと思われた。
ちなみに、この人は、語るときの所作で、上下を振るのとは別に首が小刻みによく動く。こんなふうに語る落語家が確か誰かいたなあと思うも、なかなか思い出せない。師匠の市馬ではない。師匠以外で影響を受けた落語家がいるのだろうか。
◆笑福亭三喬(現七代目松喬)「崇徳院」(MBSラジオ『MBS茶屋町劇場』)。
大阪市阿倍野区民センター、平成25(2013)年10月20日(「松喬十六夜 追福興行」)。
◆桂ざこば「厩火事」(MBSラジオ『MBS茶屋町劇場』)。
平成12(2000)年10月OA(毎日放送『特選 ! ! 落語全集』)。
◆『笑点』大喜利:五代目三遊亭圓楽(司会)/三遊亭小遊三・三遊亭好楽・林家木久蔵(現木久扇)・桂歌丸・三遊亭楽太郎(現六代目円楽)・林家こん平(BS日テレ『笑点 水曜なつかし版』)。
後楽園ホール、平成11(1999)年11月7日OA(『笑点』第1689回)。