NPO法人「Team ちいさな足あと」

NPO法人『Team ちいさな足あと』は岡山で、捨てられたり虐待を受けた犬猫たちの保護、治療、里親探しを行っています。

クロちゃん、生きて…

2013年09月11日 | 治療中の子 クロちゃん

誰にも知られず、声もかけてもらえず
ただ苦痛と暑さを耐えているだけの犬、
クロちゃん。

「このまま衰弱しながら、死ぬのを待っている、仕方がない。」
と飼い主は口にしました。

保護活動が長い私でも
返す言葉が見つからず、ただ黙ってしまった。

何の為に生きているの?

子犬の頃はきっと、家族皆に迎えられて
かわいがられていただろうに…。

いや、せめて、子犬の頃は大切にされていたと思いたい。

もっと早く見つけてあげられれば良かったけど
随分つらく苦しいまま待たせてしまったね。

まだ若いオス犬。

飼い主は何を思ってこの子を迎え
何を思いながら苦しむ姿を見ていたんでしょうか。
そこに人としての感情はなかったのか…。

はじめて見た時、声も出ないほど驚いた悲惨な顔。
こんなになるまで、放っておかれて
どんな気持ちで生きてきたの、クロちゃん…。
お金がかかるから、病院に連れていってもらえないんだろうか?
それでも、こんなになるまで何もしないなんて!

言葉で伝えられないクロちゃんは、ただ目で訴えるだけ。
すっかり衰弱し、立ち上がる事もできない。
このままでは死んでしまう…。
傷口にはハエが群がり、ハエウジ症(※)にかかるのも時間の問題…。
そんな状態なのに、クロちゃんは真っすぐ私を見て
しっぽを振り、甘えてきます。
ご飯も水も空っぽ。クロちゃんはガリガリ。
全身が化膿して感染症をおこしかけているように見えます。
血だらけで、触るとボロボロと毛や皮がはがれ落ちました。

何とかしなくては…

タオルケットで包み、やっとの思いで車にのせて病院へ向かいました。
あまりに痩せていて首輪は抜けるし
抱き上げたら、その部分から血がふき出す。
死んでしまったら、どうしよう…。
どうか間に合って!

家とシェルターには合わせて16匹の保護犬たち。
どうしよう…置いてあげる場所もない…
車を運転しながら、そう思ったけれど
でも、でも、とにかく病院へ。

絶対に助けたい、元のように元気にしてあげたい
その気持ちが通じたのか、車では大人しく、すやすやと眠っていました。
生まれてはじめてのクーラーだろうから
気持ち良かったのか、それともあの場所から抜け出せて安心したのか…。

やっと病院へ着いて、生きている事を確認した時は
本当に安心しました。

ティナ


写真は全てクリックで拡大します。
かわいそうなお顔なので、苦手な方はクリックしないようお願いします。







クロちゃんの経過はおってブログでご報告いたします。

※ハエウジ症
 年老いたり、病気で動けなくなった犬猫の体に、ハエが卵を産み
 ウジが傷口の周辺や内部、鼻、眼、口、肛門周辺から
 それらの天然孔内に湧くように発生する現象です。
 肛門や傷から体内にウジが侵入し、内臓を食べると手遅れになります。
 特に外で飼われていて年老いた犬には注意が必要です。



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