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カクテルの勧め2 その弐

2023-08-28 16:29:54 | 日記

その弐

いよいよカクテルの紹介です。

まず、カクテルの王様といわれるのが、「マティニ」と呼ばれる主にジンべースのものです。19世紀に登場した、基本的にはジンとベルモットと呼ばれるリキュールを混ぜた、カクテルです。

このカクテルには本が1冊出来上がるほどの逸話があります。

このマテニという名前の由来だけでも、幾つもありますが、有名なのは「マルティーニ社」が販売促進のために当初は甘いベルモットが主流であったのを、ドライなベルモットと、ジンとのミキシングを「ジンアンドイット」と命名しましたが、これがはやるようになって、改めてマルティニー社が元祖ということで、そうなったというもの。。

最近のマティニははジンもベルモットもドライが主流となっています。ドライマティニというやつですね。シェイカーは使わずに、十分に冷やしたミキシンググラスに、氷とジンを静かに注ぎ、ベルモットを加えてマドラーで静かに、ミキシングし、ストレーナーを遣い、よく冷やしたカクテルグラスに注ぎ、オイル漬けのオリーブを楊枝に刺して添える。そしてオレンジペール(オレンジの皮)をそのグラスの上で絞り、提供するという儀式もマティニならでは。

ジンの銘柄も最もドライといわれる「タンカレー」が最近は流行りです。あたくし的には「ゴードン」が好きですが。余談ですがジントニックにはボンベイサファイアや、ビフィーターが好みです。最近の国産のジンもなかなかですが、マティニに合うのかな?お試しになった方がいらしたら、教えて下さいませ。

ベルモットの量は少ないほうがドライといわれ、かのチャーチル英元首相は、ベルモットを左だか、右目で睨んだだけという逸話がございます。こうなると只の氷で冷やしただけのジンですな。

丸く削ったロックアイスにタンブラーで供されるのが、ロックマティニ。

かの007ジェームスボンドのお好みは「ウォーッカマティニ」でございます。彼の好みはシェイクですが、数年前にこのレシピがネットで紹介されましたが、こんな面倒なんだって記憶がございます。ジンのマテニにウォッカを加えたとのレシピ説も。

他の映画では「アパートの鍵貸します」やモンローの「7年目の浮気」でもマティニが出て参ります。ジン以外にも007のウォッカや、テキーラといった、ドライなスピリットでもできますし、食用の花を飾ったりといった、お洒落なものもございます。

 

さて、王様の後はカクテルの女王と呼ばれる「マンハッタン」。あたくしの最近のお気に入りでもあります。現在に通ずるカクテルは元々がアメリカの禁酒法時代に流行ったのが、始まりのようですが、このマンハッタンはイーストコーストとウエストコーストでは微妙にベースのウィスキーが異なります。東部ではスコッチがベースで、西部ではバーボンに代表される、ライウィスキーが主流となっています。日本ではライウィスキーが主流です。

東部のマンハッタンはかのチャーチルの御母堂で米国生まれのジェニー・ジェロームが、第19代大統領選で、当時のニューヨーク州知事を応援するためのマンハッタンクラブでのパーティで、ふるまったカクテルに由来するというもの。残念ながら落選はしましたが。

西部の方はメリーランド州のとあるバーで傷ついたガンマンに、バーテンダーが気付としてライウイスキーにビターズとシロップを混ぜ合わせたものを与え、それがニューヨークに渡りスィートベルモットに代わり、ニューヨーク中心地の名前を冠せられたというもの。

他にもマンハッタンが北米先住民族の古語で「酔っ払い」を意味するとの説もあります。

作り方はマティニ同様にミキシンググラスにライウィスキー(3/4)と氷を入れ、こちらはドライではなくスィートベルモット(1/4)を加え、アンゴラスセラ・ビターズを一滴垂らして、マドラーでゆっくり混ぜ、ストレーナーで冷やしたカクテルグラスに注ぎ、オレンジピールを絞り、最後にこちらはマラスキーノ・チェリーを飾ります。まあ瓶詰の甘いチェリーですな。

こちらのお洒落なお話としては、バーテンダーが若く美しい女性に、ロック(大き目の丸く削ったロック用の氷)で供し、ゆっくりとして言ってくださいと、言外に長居を求めるというのが、ございます。あたくしはバーテンダーの意向も無視して、テキーラマンハッタンをロックで注文するという、はしたなさでございますが。

テキーラの香りが染み込んだチェリーが、非常に美味でございます。

 

このカクテルの王様、女王様は別格として、有名なカクテルを紹介しますと。勿論私の好みでございます。それぞれにエピソードが満載なので、ネットでお調べ戴けれと思いますが、今回は前回と異なり、最初に申し上げました通り、ショートカクテルをメインに。

 

さて、ブランディベースで「サイドカー」。第一次大戦中に、とある軍人がサイドカー(単車に横に人を乗せるサイドカーなる補助席を付けたもの)でとあるバーに来た、この軍人(大佐との説がもっぱら)がレシピを示して作らせたものが、流行ったという説。ブランディ1/2、ホワイト・キュラソー1/4、レモンジュース1/4をシェークして、カクテルグラスに。ブランディは勿論コニャックで。レミ・マルタンが良く使われますが、以前紹介した北九州のBar井口さんお勧めのヘネシーのVSOPが、非常に美味しかった記憶がございます。

 

次なるショートカクテルであたくしの好みは「ギムレット」。バーの起源で紹介しました、レイモンド・チャンドラーが生み出した、私立探偵フィリップ・マーローのロング・グッドバイの作中に出て参ります。元々は英国海軍の軍医ギムレット卿が、海軍士官の飲みすぎを緩和するために作ったもの。英国海軍では水兵にラム、士官にジンを支給していましたが、ジンにビターを少量加えただけの飲み方が主流だったのを、多少アルコール分を抑えて飲ませたのが由来。帆船時代から長期航海では新鮮な野菜不足による、壊血病が問題となっており、その対策としてライムをジュースとして載せていましたが、そのライムジュースをジンに加えたのが、ギムレットということです。

ライムそのままでは長持ちしないことから砂糖を加えて、甘くしておりましたので、もともとのギムレットは甘いものでした。上記のロンググッドバイでも、ロング社の甘いライムジュースが本式とのセリフがあります。

ドライジン3/4、ライムジュース1/4をシェークして作るのがギムレットで、シェーカーを使わずに氷の入ったグラスにこれを満たしステアすると、「ジンライム」となります。

あたくしの好みはビフィータージン3/4に、フレッシュライムジュース1/4。砂糖をスプーンに1/3加えてシェークしたものです。

 

テキーラベースでのショートカクテルの好みは「マルガリータ」です。テキーラ2/4、ホワイトキュラソー(コアントロー)1/4にフレッシュライムジュース1/4をシェークして、周りに塩をまぶした、スノースタイルのカクテルグラスに注ぎます。これはアメリカのカクテルコンテストで3位に入賞したバーテンダー君の、若くして亡くなった初恋の恋人の名前から命名されました。テキーラベースでは他にショートではありませんが、パイナップルジュースを使った「マタドール(闘牛士)」などが有名です。

 

さてラムのショートカクテルでは「ダイキリ」と「バカルディ」。似ています。ダイキリはラム(ライト)3/4にライムジュース(フレッシュ)1/4、砂糖をティースプーン1杯。これをシェークしたものです。名前はキューバのサンチェゴ市東側のダイキリ鉱山から、鉱山技師たちにより命名。対してバカルディはラムのメイーカーであるバカルディ社のライトドライラム3/4、ライムジュース1/4にグレナディンシロップ1tspを加え、シェークしたものです。何に拘るかといえば、バカルディラムを使わなければならないということ。実は米国で戦前にバカルディのラムを使わなかったバーティンダーに、バカルディカクテルを注文した客が訴訟を起こし、ニューヨーク高裁での判決が訴えた客側の訴訟を認めたことにより、それ以降正式にこのレシピが決まったということになります。従ってバーでバカルディ以外のラムでバカルディに似たカクテルを注文する場合は、くれぐれも「ダイキリ、砂糖の代わりにグレナディンシロップで」とバーテンにオーダーなさいますように。

 

最後にこれはショートドリンクではありませんが、ウォッカベースのあたくしの好きなカクテルをひとつ。「モスコーミュール」でございます。語源は「モスクワのラバ」で、ご婦人のはくヒールの高いセクシーな靴ではございません。レシピはウォッカ45ml、ライムジュース15mlをコリンズグラスと呼ばれる細長いグラスに氷と入れ、ステアしてからジンジャーエールを満たす、口当たりの良いのどの渇きに最適のカクテルです。家内や娘に食後に供するのが、我が家の定番です。本来は銅製のマグカップにて供するのが、本格的で、自家製のジンジャエールを作っているバーなどでは、そうやってサーブしてくれます。

元々このカクテルは第2次大戦後のアメリカで、スミノフのメーカーと、これもなかなか売れなかったジンジャービールのメーカー。それにこれも売れなかった銅製ジョッキのメーカーがキャンペーンして作ったカクテルです。こちらはスミノフ以外のウォッカで全く問題はございません。ジンジャービール自体が入手できませんので、ジンジャエールもドライなものよりは、スーパーの安売りの甘いものの方が、女性に好評のようです。

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カクテルの勧め2 そのいち

2023-08-28 16:23:11 | 日記

本ブログの初期の頃に、スピリットと果汁で作る簡単なカクテルを紹介いたしました。

今回はコロナも普通の流行り風邪同様となり、少しはお外でお酒を楽しめるようになったということで、少し本格的なカクテルのお話を。

 

さて、カクテルはCocktailで表記され、直訳すれば「ニワトリの尾」となります。何故ミクストドリンクがニワトリの尾になったのか。まあ諸説あるのは当然なのですが、定番の港町を舞台とした、国際バーテンダー協会のテキストにも紹介されている説によると。

メキシコはユカタン半島のカンペチェなる港町(具体的ですね~)に英国の船が入港し、マドロス(英語ではSeamanですが)さんが地元の酒場に入ると、店の奥で少年が何種類かの酒を木の枝でマドラー代わりにステアしています。英国では酒はストレートで飲むのが一般的なので、珍しいと思い「それは何だ?」に対して少年の答えが、その木の枝のことだと勘違いし、「コーラ・デ・ガジョ」とスペイン語で答えましたが、それは「雄鶏の尾(Tail ofCock)」を意味する枝の愛称だったそうで、その勘違いが時代を超えたミクストドリンクの名前となったそうです。

 

前回の簡単なというか、作りやすいカクテルで紹介いたしました、4大スピリットに加え、ベースとして、ブランディ、ウィスキーなどが加わります。ブランディはブドウを原料とした蒸留酒で、これを樽で3年以上場合によっては50年以上、更に判らないくらい(Unknownと呼ばれる)寝かせて作られます。有名なのはコニャックとアルマニャックでいずれもフランスの地方であり、揶揄されるのが美味しいワインができないから、蒸留したと。ヘネシー、レミー・マルタン、クルボアジュ、マーテルなどが有名ですが、カクテルに使われるのは、VSOPクラスです。それ以上の格のものはそのまま召し上がるほうが宜しいかと。あたくしの好みはマーテルのコルドン・ブルーでございます。高いのでいわゆるブランディグラスと呼ばれる、チューリップグラスで手のひらの温度にゆっくりと温めて、至福の香りとお酒に流れた時を楽しむのであります。!

 

ウイスキーはアイリッシュ(アイルランド)が発祥ですが、英国のスコッチ、アメリカのバーボンにテネシー、カナディアンそして最近人気のあるのが日本のウィスキーです。個性からすれば、スコッチとライ麦が主原料のバーボンが、カクテルでは多用されます。

前回ご紹介したのは主にロングドリンクでした。別にグラスの長い、短いという意味ではありません。供されてから飲み終わるまでの時間が短い(お勧めとして)のが、ショートタイム・カクテル、ゆっくりでも宜しいのがロングカクテルとなります。お試しになれば一目瞭然で、カクテルグラスで供される強めのカクテルは、温くなると本当にまずいのです。

今回はあたくしの好きなショートドリンクを中心に紹介いたしますが、まずはショートカクテルに使用される、フレッシュジュース以外の材料を紹介します。まあ普通に大きな酒屋では売っていますが、個人的にそろえるのは少々ハードルが高い。まあ多少は我が家にもございますが(自慢)殆どがリキュールと呼ばれる、お酒です。まずベルモットから。

「ベルモット」とは白ワインにニガヨモギなどの香草やスパイスを配合したフレーバーワインを指します。大きく分けると辛口(ドライ)が主体のフレンチベルモットと甘みの強い(スイート)イタリアンベルモットとなります。スイーツ系は更に白のビアンコと赤のロッソの区別があります。

イタリアンのドライで有名なのは「チンザノ」「マルティーニ」という銘柄があります。勿論両社はスィートも出しています。

 

次はキュラソー。元々はブランディなどのスピリッツにオレンジの果皮と糖分を加えた甘めのリキュールです。オレンジキュラソーと、ホワイトキュラソーに大別され、ブルーキュラソーや、グリーンキュラソーはホワイトキュラソーを着色したものです。

ホワイトキュラソーの有名な銘柄として、コアントロー。オレンジキュラソーでは、グラン・マルニエが挙げられます。

 

甘みが続きましたが、最後は苦みです。「アンゴラスセラ・ビターズ」です。そもそもビターズとはチョコレートなどでお馴染みで、お察しの通り、苦みです。元々は薬酒として医師が開発した薬草・香草・樹皮・香辛料などを数種類お酒に付け込んで作られたものです。アブサンも元々はこれの範疇ですし、日本では各地に残っていますが、養命酒が有名です。胃の薬などとして処方されていましたが、現在はカクテルに苦みや香りを加味する目的で使用されます。

代表がアンゴラスセラ・ビターズで、アロマティックが語源の薫り高い薬酒です。双璧がオレンジ・ビター、名前の通り柑橘系の香りとなります。

このほかには良く使用されるのが、フレッシュレモンと、フレッシュライムであります。

昔はレモンが高くて、代用品としてポッカレモンや、甘ったるいライムジュース(といよりシロップ)が使われましたが、どちらもそれなりに安く入手できるようになりました。

ライムはメキシコ産が多いのですが、ちはら台の「ください菜」には初冬に市原産のライムが店頭に並びます。大きくて黄色くなるまで熟れた、本当に美味なライムで、毎年大量に購入し、札幌のすすき野でライブバーをやっている弟に送っています。勿論我が家でもカクテル三昧。

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