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吉例顔見世大歌舞伎・盟三五大切@歌舞伎座

2008年11月10日 | 歌舞伎
歌舞伎座の顔見世歌舞伎・昼の部を観てきました。
ってもう一週間も前(11/3)のことなので必死で思いだしながら感想書いてみました。

11月は顔見世と言って、来年はこの顔ぶれでやっていきますよ~というお披露目公演的な位置づけらしく、今年の歌舞伎座もまた豪華キャストで、様々な演目が上演されています。



昼の部は四世鶴屋南北作、通し狂言「盟三五大切」と「廓文章」吉田屋だったのですが、盟三五大切がかなりヘビーな内容だったのですぐに頭を切り替えることができず、吉田屋は観ずに帰宅。
それでも大満足な昼の部でした。

四世鶴屋南北は有名な「東海道四谷怪談」の作者です。
この作品は四谷怪談から十日もたたないうちに書かれており、「忠臣蔵」の外伝的な内容で「四谷怪談」の後日譚というあらすじを読んで、怪談ものや忠臣蔵が好きな私にとってど真ん中な作品で、しかも菊五郎さんと仁左衛門さんの共演って、なんて私好み!って思っちゃいました。

ちなみにその時代に実際に起きた連続殺人事件や「略三五大切」という狂言もモチーフになっているらしく、いろんな要素を盛り込んだ複雑な話になっていますが、その絡み合いがすごく面白いと思いました。

この作品の見どころは何と言っても仁左衛門さん演じる源五兵衛の五人斬り。その他にも小万と子供を惨殺するシーンや小万の首を見ながら食事をするシーンがあるのですが、残虐非道、狂気に満ちていてはっきり言って気分はよくないのですが、インパクトがあり、強烈な印象を与えます。

錦絵を切り取ったような美しい歌舞伎も素敵だけれど、南北の作品は綺麗事では済まされない誰しも持っているドロドロした部分=人間の本質、また武士社会に対する皮肉も描かれており、思わず「うーむ」と唸ってしまい、見事だなって思います。

とは言っても、いくら騙されたからと言って何人も殺した殺人犯が討ち入りの英雄として崇められる結末は、ありえないって気もしますけどね。

仁左衛門さんの源五兵衛は、いいとこのボンボン風で、おっとりしたいい人なのに、金を騙し取られてからの豹変ぶりがすごかった。
復讐の鬼と化した源五兵衛の空気が凍りつくような非情さはハンパなく恐ろしくて、背筋に寒気がしました。それでもかっこいいんですけどね~。

注目の小万の首を目の前に平然とした表情で食事をするシーンには仕掛けがあって、小万役の時蔵さんがセットの中に入っていて、源五兵衛が箸を持って行くと口と目をカッと開くんですけど、いきなりだからめちゃくちゃびっくりして、思わず声をあげちゃいました。ひぃー。

そんな源五兵衛を自分の主筋とは知らずに金を絞り取ろうとする三五郎に菊五郎さん、算段をする時のずる賢い表情や所作は天下一品ではないかと思います。
三五郎に言われて源五兵衛を誘惑する妻に時蔵。この人の清楚な佇まいと大人の色気で迫ればどんな男もイチコロでしょう。

脇を固める錦之助、團蔵、左團次も皆良くて、安心して観ることが出来たし、怖いだけでなく、ユーモアも織り込んであったりしたので、怖かったけどとても面白く充実した舞台だったと思います。

今年は時蔵さんのお爺様、三代目時蔵の五十回忌追善狂言として『八重桐廓噺 嫗山姥』を夜の部にあるので、こちらは近いうちに幕見で観に行こうかなって思ってます。

この日のお弁当。
最近お昼はずっと松屋で買ってます。
お気に入りの湯葉のお惣菜のお店があって、そこの湯葉弁当。
大変美味しゅうございました。



一、通し狂言 盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)
  序 幕 佃沖新地鼻の場
      深川大和町の場
  二幕目 二軒茶屋の場
      五人切の場
  大 詰 四谷鬼横町の場
      愛染院門前の場

          薩摩源五兵衛    仁左衛門
            芸者小万    時 蔵
          六七八右衛門    歌 昇
           出石宅兵衛    翫 雀
          お先の伊之助    錦之助
            芸者菊野    梅 枝
         ごろつき勘九郎    権十郎
           廻し男幸八    友右衛門
           内びん虎蔵    團 蔵
          富森助右衛門    東 蔵
            家主弥助    左團次
            僧 了心    田之助
          笹野屋三五郎    菊五郎







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