国立劇場初春歌舞伎公演「通し狂言 小町村芝居正月」を観に行ってきました
今月3本目の歌舞伎です。1月はいい芝居を沢山やるから観る方も大変~
来週はまた浅草歌舞伎だし、気づいたら毎週歌舞伎を観に行ってました。次の週も歌舞伎座だし、自分でもびっくりです
歌舞伎を観にいく時、大体演目を見て観に行くか決めるのですが、好きな役者さんが出ているものは無条件に観に行くことにしています。
今回の芝居は私の今最もお気に入りの尾上菊之助さんが出るということで、何ヶ月も前から楽しみにしていたものです
お気に入りと言っても去年の歌舞伎座の7月公演「十二夜」を観てからなんですが、それ以来菊之助さんの美貌と品の良さ、演技の上手さ、しなやかな踊りにすっかり魅了されてしまいました
ものがたりは平安時代の皇位継承問題をモチーフにしたもので、大友黒主や小野小町などの歌人が出てくるのですが、大友黒主は雨を降らさないという魔術をかけて帝の位を狙っているだったり、小野小町と深草少将は実際には恋人同士にはならないのに、結ばれて江戸で暮らしたりと結構メチャクチャな設定なのですが、分かりやすかったし、お正月の顔見世狂言ならではの見せどころ満載、衣装も演出も華やかで予想以上に面白かったです
顔見世狂言では前半が時代物で後半が世話物、世話場は雪景色にすること、時代物の主人公が身をやつして世話場にでてきたり、動物や植物の精が登場したり、「暫」を入れることなどは全て約束事だったとのこと。
なのであらすじがどうこうよりも歌舞伎の面白いところを色々と見れるので歌舞伎初心者にもオススメだなと思いました
今回菊之助さんは、ほとんどの場面に出ており、しかも色々な役どころを演じていたのでファンにはたまらない演目でした
特に雪景色の中で狐になって大勢との立ち回りでは、手を丸めてピョンピョン飛び跳ねるのですがすっごい機敏だしかわいいしで、もう目が釘付けでした。
床に付きそうな完璧な海老反りもまた見事でした。あのシーンは幕見で何度でも観たいねって友達とも話してた位素晴らしかったです
町娘に扮した時の競馬のシーンの踊りも素敵だったし、小町の家来役の美男子ぶりにもうっとりでした
やっぱり菊之助さん大好きだわ~
もちろん他の役者さんもとても素敵で、菊五郎さんは悪役の黒主と美青年の深草少将の演じ分けがすごかったし、松禄の孔雀三郎の暫くは威厳があってすごい迫力だったし、時蔵さんの小町は可憐でかわいらしかったし、惟仁親王の松也は文句なく美しかったです
ちなみにこのお芝居、219年ぶりの再演とのこと。こんなんじゃ次に私が観ることは・・・出来ないんだろうなと思うともう一回位観ておけばよかったなぁって思いました
って言ってもスケジュール的に無理でしたけど
序 幕 第一場 江州関明神の場
第二場 大内裏手の場
二幕目 大内紫宸殿の場
三幕目 鈴木英一=補綴
深草の里の場
「花色香いたずら娘(はなのいろかいたずらむすめ」
常磐津連中・長唄連中
尾上菊之丞=振付
四幕目 第一場 柳原けだもの店の場
第二場 柳原土手の場
大 詰 神泉苑の場
大伴真鳥黒主
深草少将 菊五郎
小野小町姫 時蔵
紀名虎
孔雀三郎松平 松緑
小女郎狐
五位之助兼道 菊之助
小野良実 彦三郎
惟高親王
家主太郎兵衛 亀蔵
惟仁親王 松也
香取姫 梅枝
藤原良房 権十郎
家主女房おとら 萬次郎
四の宮兵藤武足 團蔵
関寺の大刀自婆 田之助