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音楽や身の回りを気ままに綴っています

沼の畔で公開クリニック

2008年04月29日 | チェロ
ツバメが舞い,草木の萌える中,手賀沼の畔にある我孫子市のアビスタ・ホールで開かれた,第1回音楽のおくりもの「菅野博文氏を迎えて-サロンコンサート&公開クリニックへのご招待」(我孫子市教育委員会主催,ゴルターマンの会運営・出演)を聴いてきました。毎回楽しみにしているゴールデンウィーク中唯一のお出かけイベントです(笑)。この会は隔年開催(ビエンナーレ,ですな)で私は連続3回聴講しています(1回目2回目

菅野博文氏(斉藤秀雄,フルニエ,シュタルケルに師事。第5回チャイコフスキー・コンクール第3位。昭和音楽大学教授)は生徒さん達に対してはいつものように物腰柔らかで静かに,しかし本質を突くアドバイスをなさっていました。6年経ってもその初心者向けのご指導にフムフムと頷きながらメモを取っている私は改めて永遠の初心者の自覚を持ちました(笑)。

今回,印象に残ったのは先生の「手のひらで音を感じるように」というアドバイス。手の甲(と腕の上側)を意識するとどうしても押さえつける感じになり音(楽)が固くなってしまう。手のひらで(右手も左手も,また,身体が楽器を)包み込むようにするとよい音,滑らかな音を作ることができる,というもの。非常に含蓄のある言葉だと思う。音楽作り全体に言えそうだ。また,私が今練習しているスピカートにも当てはまりそうだ。手の外側から押し付けるのではなく,弦を撫でるような感じでやってみてはどうかと思った。

もちろん,今回もたくさんのアドバイスがあり,ひとつひとつがとても参考になるものでした。プロの演奏家からの的確な意見というものはよい薬になる。いつもながら有難い催しであった。
公開クリニックの前には恒例のコンサートがあり,今回は正面最前列で,目と鼻の先で菅野氏の演奏振りを見ることもできました。しかも名曲揃いです。氏の美しい音,素晴らしい演奏とともに,シフティング,ボーイングなど大変参考になったことは申し上げるまでもありません。

■プログラム
第1部 サロンコンサート 菅野博文(チェロ),太刀川紀子(ピアノ)
1 ボッケリーニ:チェロ・ソナタ第6番 イ長調から
2 シューベルト:アルペジォーネ・ソナタ D.821
3 ブラームス:チェロ・ソナタ第2番 ヘ長調 作品99
<アンコール>
1 フォーレ:夢のあとに
2 サンサーンス:白鳥
第2部 公開クリニック 菅野博文(講師)
1 チェロ基礎編(構え方,弓の持ち方,ボーイング等)
2 アンサンブル編
(チェロ四重奏)
 ①ゴルターマン作曲サロン用小品集から「レリジオーソ」
 ②同上「ノクターン」
 ③グリーグ:ノルウェーの歌と踊りから「跳びはね踊り」
(絃楽四重奏)
 ④シューベルト:「死と乙女」ニ短調D810から第2楽章
 ⑤ベートーベン:「セリオーソ」ヘ短調作品95から第1楽章

(写真はホールのある手賀沼公園の風景)