写真は20年以上も前のものとなりました

つれづれなるまゝに日ぐらしPCに向かひて心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつづっていきます

バスタオルが・・・

2016年10月26日 | 随想

従来の日本型雇用システム一本やりだけではなく、兼業、副業、フリーランサーのような働き手一人ひとりの能力を柔軟な働き方で引き出していくということが重要かなと思います。」・・・経済産業省が「働き方・休み方改革」の研究会を起ち上げるとのことで、席上で挨拶した世耕経済産業大臣の言葉である。

ツッコミどころ その1「雇用システム」、その2「兼業、副業」、その3「フリーランサー」、その4「重要かな」、・・・・あっ全文だった (^^;)

何だかなぁ・・・・「働き方・休み方改革」を推進するんだそうな。「一億総活躍社会の実現」の1つだそうだが、「働き方改革実現会議」なる会議も開催されている、とか。どうもこの国は余程「官主導」が好きなようで、こんなのをコメントすると長くなりそうなので、機会があったら後日に。

上記の「ツッコミどころ」の、その1「雇用システム」。あっ、これもかなり長くなりそうなので、サラっとだけ触れておくと、労働時間、休日、賃金、その他もろもろを一気に解決したいとの意気込みの会議のようだが、そんなもん、無理だよ~、多様性・・・ってことでウヤムニャが関の山。

・・・にしてもだ。年功序列型は良かったよなぁ。長く勤めてりゃぁ段々と給料が多くなってくのが保障されてたようなもんだから借金して家とか買ったり、大きな夢を描くという希望も持てたもんなぁ。まさに「坂の上の雲」を国民挙げて実感してた訳だ。

その2「兼業、副業」だが、これを「柔軟な働き方」とか言って蔓延させると、企業秘密やノウハウなんかがダダ漏れになってしまう気がする。個人情報のように、企業機密や企業文化も守ってやらにゃ。まぁ、やるからには、まず、お役人がどれだけ「守秘義務」を果たせるか、ためしてみてからでも遅くはない。

その3の「フリーランサー」。Weblioによると「フリーの作家、自由契約の記者、非専属俳優、(主君を取らず人に雇われて働いた)雇い兵」。最近の使われ方は、「個人事業主」や「ひとり親方」と同じような意味らしいが、モトは「作家、記者、俳優」といった破落戸(ごろつき)みたいな者や、カネでどちら側にでもつく「雇兵」(まぁ、弁護士なんかも同類のようなもん)だ。要するに、雇われている側にいると労働時間が拘束されているから、自由に時間を作れる側になれば?というようなもの。ある意味、無責任のようだが、その昔、求人倍率が非常に低く(=求職者数が多すぎ・・・・)、ハローワークの窓口を「起業」相談へと誘導すれば良いのでは?ということで、その相談窓口に商工会が適任、とされたことがあった。立場上、積極推進派だったが、内心では「厚労省のシマを経産省が荒らせるワケ、ネェじゃん・・・」などとと思ってた。案の定、実現しなかったのだが、さて、今度は、「フリーランサー」を増やす部署はどこになるのかな?

さて、その4「重要かなと思います」、という言い回しだが、お役人の説明とかでよく使われる言い方である。何故、「重要だと思います」と言い切れないのだろう。余程、自信が無いのか、と勘繰ってしまう。てめぇら、バイト敬語にはめっちゃ、茶々を入れて職業差別してるくせに、こういう肝心なところで逃げててどうすんだよ。

実は、「働き方・休み方改革」には「少子化」という言葉もアタマに付いて、正式には「少子化、働き方・休み方改革」という名称のようだが、「少子化」は「長時間労働是正」で是正できる、ということで国を本気にさせた大元の女性2人の仕掛け人の対談が面白い。曰く、『東日本大震災が起きた2011年の12月24日、東京は出産ラッシュで産院の予約が取れなかったんです。そのころ生まれた子どもって、ちょうど震災直後にできた子どもなんですよ。節電の問題もあったし、電車の運行も不安定だったから、「出社しなくていい」とか、「もう早く帰れ」みたいな状況だったじゃないですか。つまり単純に男女が同時に家にいる時間を増やすだけで、こんなに子どもが増える(笑)。』

 

(本気にさせたデータ)

 

・・・なるほど。ニューヨークの大停電と同じような緊迫した情況になったら少子化は解決する、ってことなのらしい。平和で平穏な時代には24時間営業のコンビニを禁止するくらいじゃ効果がない、ってことだ。安全安心を確保することが至上命題の政府が、緊迫した世の中にさせる訳にゃぁいかない、っという訳で、会議にも大仰な名前をつけなきゃならない訳だ。

 

ところで、「働き方・休み方改革」などという大仰な、上から目線の大改革構想とは無縁の働き方が、一方ではある。

先日、社労士会主催の講演会があり、社労士会の親分から強く勧められたこともあって参加してみた。テーマは、「日本一幸せな従業員をつくる」。

実は、内心では、いつもの偏屈な気持ちが働いていて、「『幸せ』なんちゅうもんは、一番とか二番とかないだろ?レンホーじゃないんだから・・・」とか思ってた。ぅん、今だから白状しておく。

講演会は、冒頭でビデオが放映された。「短縮版30分」とのテロップが出ている。・・・ビデオで時間を稼ぐつもりか・・・・などと思ったりしていて、まぁ、どこまでもひねくれた性格である。

放映開始から数分後、冷めた目で何気なく見ていたはずだったが、あるときから「ドバッ!!」っと涙が溢れ出てきた。周り中からも、鼻をすする音や、「チーン」と鼻を〇む(手偏に鼻)音があちこちで起きている。その連続だった。

30分間の短縮版でさえこんなもんなのだから、全国各地で「自主上映」されたところでは、ティッシュ1箱どころの騒ぎではないようで、「観に行くときはバスタオルのご用意を」とアドバイスしてくれている人もいるほどだ。ぅん、それくらい、涙が流れ続けて止まらなくなることが容易に想像できる。

 

講演会終了後、講演のDVDを買う(今、聞いてきたことと同じものだが、感動を再確認したかった・・・)。家に帰ってから泣き直し、「どんな物語があったんだろう?」という疑問がわだかまりとなって大きくなってきて、それらを知るべく、「日本でいちばん心温まるホテルであった奇跡の物語」という本も買った。スタッフからの「手紙」も同封されていた。

 

読んでいると、またまた涙が零れ落ちてくる。・・・って、もともと、オレって、こんな泣き虫だったのかぃ?

トシくってきて涙もろくなったのか?・・・そう言えば、数ヶ月前に「10年前は鬼みたいな形相だったが、ヒトがかわったように和やかな顔つきになったなぁ。変われば変わるもんだ。」などと驚かれもしたっけ。いぃんだよ、現役時代は。それくらい必死で働いてたってことなんだから。トシくってくりゃ枯れてもくるし、まろやかにもなるわな。

「働き方」だが、「日本一幸せな従業員をつくる!(5分バージョン)」で、ほんの「さわり」を紹介しているが、「日本でいちばん心温まるホテルであった奇跡の物語」の最後の部分では、「働くとは 生きるとは 人生にとって大切なこととは何か」と問いかけてくる場面がある。そう、その答えが、この講演会DVDには、ある。キーワードの1つが「従業員満足」だ。講師は「顧客満足なんかクソクラエだ。」とまで断言する。これは賛同できる。「顧客満足」は結果として現れるものだ。目的ではない。

ムカシ、「CS(Customer Satisfaction)よりも、ES(Employee Satisfaction)だ。」と、分かったようなことを喋っていたが、改めてそれが正しいことを再確認した。

 

・・・たぶん、ここが最初の感涙に咽ぶ場面