奈良で見つける時の流れ

時計屋しんちゃんのなんでもエッセイ

定宿

2012-01-27 | 旅行記

気がつけば新年1月も終盤。開店以来はじめての元旦折込広告と三が日の2日からロレックスフェアを、ゆえあって17日まで連続営業。1週間の臨時休業の為、苦肉の策だった。
結果は予想以上の初売りが出来た。ありがたい事だが、当然のように来年もとなる。
いつも正月は家にいて罪悪感無しに昼から飲んだくれているだけなので、むしろ今年は健康的かもしれない。

さてその苦肉の8日間の臨時休業は、今年80歳を迎える両親とハワイ(初めて)にバカンスに行くはずだった。しかし両親の持病で1週間まえにドタキャンとなり、3日だけ休業にして急遽、相方と十津川の定宿一泊の骨休めをしてきた。

湯泉地(とうせんじ)温泉「やど湯の里」は、古くて簡素でセレブ感とは無縁の民宿に近い宿だ。しかし清潔で居心地とお湯(湯元)が最高。いつも田舎の実家に有料で帰る感覚がある。
この時期は温泉水をベースにした絶品牡丹鍋をいただける。昨夏の台風12号の被害がずっと気になっていたのでご家族やスタッフの元気な顔も見たかった。
ニュース映像で十
津川村役場付近の川の様子があまり大した事が無いように見え、この宿は絶対に大丈夫だと思っていた。しかし実際には川原から10数メートルの高さにせり出して建つ露天風呂が後10センチで水没するまで水位が上がり、避難しつつも完全に流失を覚悟されたそうだ。
Totukawa 確かに部屋から見える赤い橋(道路のレベル)のすぐ下まで激流が洗った跡が残っている。この宿から数キロ上流で村営住宅が流され、今だに行方不明の方もおられる。
五条からの道路はほんのわずかの迂回路が一箇所残っているだけでスムーズに行き来出来るが、これは最近新たに掘られた多数のトンネルによるバイパス部分の完成割合が高いからで、山襞を羊腸のようにトレースしている旧道はいたる所で山抜け(土砂崩れ)があり、ガードレールが飴のようにぶら下がる無残な傷をさらしている。復旧には一体何年かかることだろう。

さてこちらの源泉は宿の真横にあり、全くボーリングをしていない完全自噴の素晴らしいもので、湯温も45度くらいでちょっと高めながら加水不要な理想のお湯である。正真正銘の“源泉掛流し”である。いつも湯の花は白く結構多い。ところが今回はいつに無く少ないだけでなく、今までは見たことの無い黒っぽい湯の花が少し混じっている。
聞けば最近、日によって色や臭い、湯の花の量と質などが微妙に変化するらしい。だいぶ前には女将さんから阪神大震災の直後に真っ黒な湯の花が大量に出た話を聞いた。東日本大震災直後に大きな変化は無かったそうだが、不気味な話ではある。

都合5回貸切状態の湯を堪能し、結局正月分の酒も飲み、いっそう豚になり、毎度ながら2升の温泉水を土産に詰めてもらって、西吉野の豆腐屋と五条のJA直売所に立ち寄り、さらに尺土の肉屋にも寄り道するいつものグルメ街道をゆっくり帰って来た。
好き嫌いはあると思いますが、皆さん是非一度ご利用ください。いつも二人でそれなりに飲んで一泊2食3万ちょっとです。

十津川村湯泉地温泉「やど 湯の里」 0746-63-0020


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