奈良で見つける時の流れ

時計屋しんちゃんのなんでもエッセイ

ガラス注意!

2015-06-08 | パテック フィリップ


いよいよグランドオープンに向けて最後の美装でせっせと拭きあげられる一階の窓ガラス・・・では無い。
明日から2日掛けて仕込まれるパテック フィリップのウインドウディスプレイ。なんせ数点の展示でも軽く一千万越え当たり前。
ここ数か月御堂筋の有名ブティックが、白昼堂々と外国人らしき賊に軒並みウインドウガラスを叩き割られる事件が続発。強化ガラスでも鋭利な武器なら安心は出来ない。急遽飛散防止シートを貼り込むはめになった。
しかし大量の水を霧散しながらの施工は見事の一言。


こちらは入荷したてのピンピンのパテック初期投下在庫を、昨日から岩田君が恐々検品しつつ傷防止用保護フィルム貼りに悪戦苦闘している。PPJではスイスからの入荷商品を検品していない。というよりも検品ダメージを避ける為に検品そのものが禁止されているらしい。
スイスのファクトリーで包まれた分厚いビニールを開封して出てくるのは全く何の保護対策のなされていないスッポンポンのパテックだ。入荷の度に保護シールが増殖するR社とは180度異なる。
マイクロファイバー手袋でも18金部分を触れば微細な傷がつく。かといって素手なら指紋と脂がつくし、面倒この上ない。
岩田流の結論は、裏スケルトンモデルは表裏のサファイアガラスを挟む。あるいはストラップを持つ。サテン仕上げをそっと持つ。鏡面モデルはあきらめる??
要はあきらめねばならぬ程にキズが無い。ありそうな気配さえ無い。たぶんスイスPP社での最終の梱包作業はラテックス製のグローブでも使っているのではないだろうか。最後の仕上げから出荷まで物凄く贅沢に人の手を掛けているのだろう。世界最高峰に妥協と死角は見当たらぬ。
さらに驚愕は続く。一本一本の精度が半端では無い。パテック基準の-3秒~+2秒に殆どが収まっている。ビートエラーもほぼ無い。何といっても個体間のバラつきが見当たらない。残留磁気も皆無である。
当社の百貨店部門から間々報告を受ける初期不良や納品直後のトラブル。又その古典的キャリバーに対して否定的な意見もちまたでは散見されるが、ここまで我々自身の目と手ではどこもかしこも最上級で他ブランドを全く寄せ付けない印象だ。

やはり只者ではない。身を清め、心を静謐にし、居住まいを正して取り扱うべきがパテックか・・


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