(これは2005年にEMPREに掲載された記事です。)
ミシェル・カミロというドミニカのピアニスタがいる。
彼のライブはジャズ・クラブのような場所でしか聴いたことがなかったけれど、今回大きなコンサートホールでのライブが東京であった。
ピアノ・ソロのみならず、今回は彼の作曲したピアノとオーケストラのための協奏曲を日本で初演するというプログラム。情熱的な彼のライブならぜひ行きたい!と今回もいそいそとコンサートに出掛けた。
ミシェル・カミロはクラシック出身だけれど、ジャズのピアニスタ。フラメンコ・ギターとの共演でラテン・グラミー賞もとっている実力派の人気者なのだ。
彼の演奏を聴いていると~いや、視覚的なものなので「観ていると」といった方が正しいかもしれないが、あまりの激しさに鍵盤が飛んでくるのではないか?とか(まさか!)ピアノの脚が折れるんじゃないかとか、真剣に心配してハラハラしてしまう。
あまりの指の動きの速さに、彼の手首が鍵盤のはるか上に上がっているのに、鍵盤が元に戻るスピードがついていけず、指ののっていない鍵盤が雨だれのように乱れているのを何度も目撃。息をのむような迫力。
でも時には泣きたくなるくらい繊細な音で、ダイナミックなプレイの時と対照的に、空気を共鳴させて宙に消えゆく音の最後の最後まで神経を研ぎ澄ませた美しさを漂わせたりもするのだ。
ピアノ・ソロに続いて第二部は、新日本フィルとの共演で日本初演の「ピアノとオーケストラのための協奏曲」。小編成のオーケストラにピアノは依然として中央に置かれ、カミロに背を向けて指揮者が立つ。でもカミロは彼の背中にちゃんと合図を送っているのだ。
壮大な感じのするドラマティックなコンチェルトは3楽章構成。あまりの素晴らしさに演奏が終わると聴衆はほとんど総立ちで拍手を送っていた。
アンコールには彼のCDに入っている、ファンにはおなじみの曲を3曲も弾いてくれて、聴衆をさらに熱狂させてくれたのだった。
今回は前の方の席だったためにカミロの手がしっかり見えたので大満足。こんなに近くで演奏している指をみたのは初めて。これはライブならではの醍醐味だ。
彼が舞台のソデに去っていっても客席にはまだ熱気が漂っている。私はなかなか立ち去れずにその余韻の中にしばしの間、彼の鮮やかな指づかいを思い浮かべるのだ。
はぁ・・・。やっぱりライブはいいな!
2007年最新の来日公演 at Blue Note Tokyo のレビューはこちら(Del Amanecer)へ♪
ミシェル・カミロというドミニカのピアニスタがいる。
彼のライブはジャズ・クラブのような場所でしか聴いたことがなかったけれど、今回大きなコンサートホールでのライブが東京であった。
ピアノ・ソロのみならず、今回は彼の作曲したピアノとオーケストラのための協奏曲を日本で初演するというプログラム。情熱的な彼のライブならぜひ行きたい!と今回もいそいそとコンサートに出掛けた。
ミシェル・カミロはクラシック出身だけれど、ジャズのピアニスタ。フラメンコ・ギターとの共演でラテン・グラミー賞もとっている実力派の人気者なのだ。
彼の演奏を聴いていると~いや、視覚的なものなので「観ていると」といった方が正しいかもしれないが、あまりの激しさに鍵盤が飛んでくるのではないか?とか(まさか!)ピアノの脚が折れるんじゃないかとか、真剣に心配してハラハラしてしまう。
あまりの指の動きの速さに、彼の手首が鍵盤のはるか上に上がっているのに、鍵盤が元に戻るスピードがついていけず、指ののっていない鍵盤が雨だれのように乱れているのを何度も目撃。息をのむような迫力。
でも時には泣きたくなるくらい繊細な音で、ダイナミックなプレイの時と対照的に、空気を共鳴させて宙に消えゆく音の最後の最後まで神経を研ぎ澄ませた美しさを漂わせたりもするのだ。
ピアノ・ソロに続いて第二部は、新日本フィルとの共演で日本初演の「ピアノとオーケストラのための協奏曲」。小編成のオーケストラにピアノは依然として中央に置かれ、カミロに背を向けて指揮者が立つ。でもカミロは彼の背中にちゃんと合図を送っているのだ。
壮大な感じのするドラマティックなコンチェルトは3楽章構成。あまりの素晴らしさに演奏が終わると聴衆はほとんど総立ちで拍手を送っていた。
アンコールには彼のCDに入っている、ファンにはおなじみの曲を3曲も弾いてくれて、聴衆をさらに熱狂させてくれたのだった。
今回は前の方の席だったためにカミロの手がしっかり見えたので大満足。こんなに近くで演奏している指をみたのは初めて。これはライブならではの醍醐味だ。
彼が舞台のソデに去っていっても客席にはまだ熱気が漂っている。私はなかなか立ち去れずにその余韻の中にしばしの間、彼の鮮やかな指づかいを思い浮かべるのだ。
はぁ・・・。やっぱりライブはいいな!
2007年最新の来日公演 at Blue Note Tokyo のレビューはこちら(Del Amanecer)へ♪
ぼくはどうも音楽の印象を言葉で表すのが苦手なので、ここでは音楽の感想ではなく音の感想を書きます。
TELARCは、米国のクリーブランドに本拠を置くレーベルで、LP時代にはダイレクト・カッティングやデジタル音源によるカッティングの高品質なレコードを製作するレーベルとして、オーディオ・ファンの間でよく知られていました。その度外れた低域レベルの大きさは特に有名で、トーンアームを上手に調整していないと、針先が音溝をトレースしきれずに針飛びを起こすこともしばしばでした。また、低域の過大入力でスピーカーを飛ばしてしまう人もあったと聞いています。
そんなレーベルのことすから、どんな音が出てくるのか期待いっぱいでCDをかけました。
鳴り始めたピアノの音は、意外にも落ち着いた、穏やかな音です。不自然に高域を強調したような派手さはなく、あくまでもしっとりと、柔らかく鳴っています。
しかし、激しく全エネルギーをぶつけるような、Camilo一流のフォルテの演奏になると、輝くような高域がしっかりと前に出てきます。と同時に、TELARCならではの超弩級の低域も健在で、このピアニストの腕力と情熱がビンビンと体で感じられる録音です。
もちろん音のみならず音楽もたいへん心地よく、末永く愛聴したいディスクです。良い音楽を教えてくれたCarmelitaさんに感謝します。
しかし、この盤に刻まれた音を十全に再生するには、ぼくのオーディオ修行がまだまだ足りないなぁ。
ターンテーブルにダイヤモンド針・・・。なつかしいなぁ。
レーベルによる音のちがい・・・。
さすが詳しいですね。そんなにすごい低音があったとは・・・。
ミシェル・カミロは日本でもすごい人気。
初めて生演奏を聴いたのはトマティートと共演していた「SPAIN」のライブをブルーノートでやった時。
そのあともソロやトリオで何回も来日しています。
彼が演奏している姿は圧巻です。
次回来日したらぜひ♪