曹 ぎょく華

世界の旅路

言葉のずれ

2012-10-23 23:35:52 | エッセイ

私も主人も良く仕事で海外へ行く為、決まった旅行代理店から航空券を購入する。中国の方が経営している旅行代理店である。

いつも手配してくれる方が、頑張り屋の中国人女性で私達が姉妹のように付き合っている。

この二三カ月、中日間の関係が良くなく、行き来していた旅行客も大幅に減り、航空便も大幅に減ることとなった故、航空券が思うように取れなくなった。今までのように毎日飛んでいた便が不安定になり、其の日に何便が稼働するのが把握できなくなった故、今までは<何日から何泊で上海へ行くからチケットを取って下さい>とお願いしたが、最近は<何日から上海へ行く予定があるが、チケットを取れる?>とお願いする時が多い。チケットが取れなくなった場合若しくは席が落ちた場合、海外での御客様との打合せ予定が立てられないこともあり、また、私がチケットを取ってくれる方へ些細な想いやりのつもりでもあった。ちょっとした時間のズレで席が落ちてしまった時もあり、其の時相手の落ち込んだ様子が電話口から伝ってくるからだ。

しかし、今日はいつもチケットを取ってくれる女の子から<何故、取って下さいと言わないの?取れる?と聞くの?私はいつも取っているではないの?>と、ちょっと怒りめいた言葉がかえって来た時、はっと我に返った。

私が知らないうちに相手に不快な思いをさせたと気付いた。いつも電話で話している相手でも、姉妹のように付き合っている相手でも、ちょっとした言葉のずれが相手に不快な思いをさせたり、相手のプライドを傷つけたりするということが改めて気付かせてくれた。こっちが気配りのつもりでも、相手にとってはそうではない。自分が信用されていないのではないかという思いにさせてしまった。

私が24年間日本に居て考えはもう、中国人の考えではないことに思えた瞬間でもあった。

 


人間一番贅沢なものは学ぶこと

2012-09-25 00:36:30 | エッセイ

私が勉強が好きで時間があれば何か勉強している、

勉強することで知らないことをしることとなる。

勉強の途中でも坂道の前の垣間をみることが出来る気がする。

私が中国にいる時はとても大変な時代で勉強して勉強しても

苛めの対象となり、文化革命は勉強が要らなかった時代だということを

子供の私に知らなくて兎に角、名門大学に入ることが私の夢だった。

勉強を許されない時代でも私は父の書斎(天井に作られて小屋)から沢山の本を

盗んで貪るように読んだ、小学校に入った時古典小説を読めるようになった。

 

あれから10年経ち、中国は日本と国交を結び、中国の外交も盛んになって来た。

中国で外科医をやっている従姉はアメリカに行き、アメリカで御医者さんとなった。

あれから30年以上、姉は中国に帰郷したことが無かった。姉がアメリカへ行った2年後、

私は日本に留学に来た。日本にいると誰にも勉強の邪魔にされなくて思い存分に勉強をし

日本社会に役立ちたいと思った。

 

今の中国の反日デモも政治的問題で私達、普通の人にとっては意味がないと思っている。

庶民は政治を動かすことができないのだから、、私達は如何にも努力して日本の良いモノを

外国に伝えれば良いかと思う。

 

私の親戚が1949年、新しい中国が設立した時、アメリカへ移民したが、いつか帰郷するかと思った。

しかし、とうとう、中国には帰らなかった。当時私はまだ幼いので良く分からなかったが、今になると

心が痛む。私達のような華人は帰りたくても帰れなかったのは現実である。

 

しかし、今の私はとても幸せ、来年大学生になる長男、優しい夫と三人家族で幸せに生きている。

日本で沢山のモノを学び、私にとっては最大の贅沢である。

 


人間―二つの誕生

2012-09-21 13:17:20 | エッセイ

人生には二つの誕生があると思う。

一つ目、この世に生まれて来た時の誕生。

二つ目、自分と他人をしっかり見つめ始めた時の誕生。

日本にくる前、自分自身しか知らなかった、日本にくることによって自分自身と同時に

日本という国を発見するプロセスにおいて、特に二度目の命をこの日本で得て、

またこの日本でいろんな素敵な方々の出会いにより、自分の人生にもっと距離を

持つべきで、他人へもっと近付くべきであることを学んだ。

来日してから24年経ちました。違う文化と触れ合い、向き合う同時に

従来の文化と後で出会った文化を上手く共存させることを学び、

心に沢山の引き出しを作ることが出来たと思う。

お友達の河野典子さんが私に言ったことを思い出す。

Life is not so short but that there is always time for courtesy


忙しい現代の世の中、皆、毎日、忙しく過ごしている。「忙」と言う字は、心を失うと書く。

忙しい毎日の中でも、どんなに急いでいる時でも、ちょっとした礼儀正しい言葉、思いやりの言葉を

言えないほど人生は短くはありません。

常に、相手の立場に立って、周りの方々を大切に丁寧に、生きていこうと思いたい。 

一日を一生を思って、今日、明日と生きて、生かされている命の尊さに感謝する。

Each and everyone's day is so busy.But our lives are not so short to take time for courtesy.

 


私の格言

2010-07-02 12:04:21 | エッセイ

誰にも生きるために自分に語りかける言葉がある。

私は下記の言葉をいつも自分に語りかけている。

①「人生の成功の秘訣は、チャンスが来たときにそれに対する準備が出来ていることなのです。」ベンジャミン・ディズレーリ

 The secret of success in life is for a man, to be ready for his opportunity when it comes.


②「目的に向かって進んでいく人、挫折を重ねていく人、そして、だらだらと一生を終えてしまう人の一番大きな差は、願望の強さなのです。」稲盛和夫

準備しないことに行動しない。いくらチャンスが来ても。一時うまくいくかもしれませんが継続できないから。

時間をかけても最初が負けても最後に勝つ戦いをすると考えている。


人生ドラマ

2010-05-29 20:57:36 | エッセイ

今月いっぱいで10年お世話になった企業を卒業する。

10年間は一生のうち、短いようで長い歳月である。

生まれてから4つの10年を過ごしてきた。

知人の病院院長の≪起承転結≫論からみると、

人生劇場を第四幕、第三場までとし、「起承転結」に分けるとすると、

現代の長寿高齢化の時代ではそれぞれの一幕が18年とすると例えると、

「起」は高等学校卒業まで、「承」は大学を卒業し技術を身につけ社会から一人前として

認められる36歳頃までとしたら、「転」は社会に出て活躍する54歳頃まででしょう。

私は人生第三幕・「転」の56%をこの企業に過ごしたこととなる。

大事な人生ドラマの中幕において私は一体どんな生き方をしただろうと考えてみたい。