デザイン制作の極意~谷宜樹~

デザイン制作の極意を紹介していきます。

「行動経済学」を学んでWEBデザインに活かす!人間の思考を分析

2022年04月23日 | 基礎知識

人間は、経験や知識に基づいた合理的な判断をしようとする生き物です。
しかし、そうすることが良いと判断できる明確な根拠がないのに、なんとなくその行動を選んでしまうということもありますよね。
これは、非合理的な行動です。
WEBサイトで商品を買ってもらうために設置するCTAボタンや宣伝文句は、ユーザーの気持ちを刺激して非合理的な行動を促しているといっても過言ではありません。
今回は、人の気持ちを動かして経済活動につなげる「行動経済学」について、谷宜樹が解説していきましょう。


■「非合理な行動」って何?

みなさんは、次のような行動をしてしまったことはありませんか?

①バイトで稼いだ1万円は大切に取っておくけど、パチンコで当たった1万円はすぐに使ってしまった
②うな重を食べに行って並・上・特上があったら、いつも上を頼む
③健康のためにウォーキングを始めたが、天気が悪い日が続いたのでやめた

これを行動経済学の観点から見てみると、次のようなことが分かります。

①同じ1万円だから価値は同じだが、苦労して手に入れたのと楽して手に入れたのでは重さが違う気がする
②一番安いものを頼んだらケチだと思われるかも、でも一番高いものを頼むのは贅沢だ、間を取って上にしておこう
③ウォーキングを続けた方が良いと分かっているが、何かと理由をつけてはサボろうとしてしまう

これらの考え方は、はっきりとした根拠のない非合理な判断ですね。
例えば②の場合、自分でそう思っているだけで、誰かに「ケチ」と言われたわけではありません。
また、こういう判断をする人も、「特上が贅沢だと感じるのは自分だけかもしれない」「全ての人の基準が一緒ではない」と分かっていると思います。
それなのに、なぜこのような判断をするに至ったのでしょうか。


■「行動経済学」って何?

人間は常に合理的な行動をするわけではなく、時には非合理な行動をすることもあります。
非合理な行動には法則があり、これを定義しているのが「行動経済学」です。
行動経済学の考え方は、マーケティングやWEBデザインにも応用されています。


■WEBサイトでどんな風に活かせるの?

谷宜樹がやっているWEBデザインでも、行動経済学の法則が利用されています。
詳しく言えば「プロスペクト理論」や「ナッジ理論」などが用いられていますが、これによってどんなワード、どんな視覚表現が効果的なのか分かります。
WEBサイトの目的と照らし合わせて、より効果的なデザインにするのが谷宜樹の仕事です。
なんとなくその色をチョイスするという「非合理的」な判断ではなく、行動経済学に基づいた「合理的」なWEBデザインを行なっていると言ったら、ここまでしっかり理解してこれた方は混乱するかもしれませんね(笑)


今回は、WEBデザインにも応用されている行動経済学についてお話しました。
次回からは、具体的にどんな法則が定義されているか見ていきましょう。