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時が経ってしまいましたが、日本を発つ前の6/25に長野の美ヶ原でツール・ド・美ヶ原と銘打ってヒルクライムレースがありました。全長21.6Km、標高差1,270mと、数字だけ見るとヒルクライムレースとしてはさほどではありませんが、実は曲者のコースです。
2001年にスポーツバイク、それも前後フルサスに乗ってみたいと思いGTのMTB(i-Drive6)を買いました。次の年、練習もしないでいきなり参加したツール・ド・美ヶ原には、この重量16キロほどもある重たいバイクでヨロヨロ上って、2時間をはるかに超える長時間をあえぎでなんとかゴールして、それでも懲りずにその年の乗鞍HCでも玉砕して、暫くヒルクライムから遠ざかっていました。
昨年11月にロードバイクを30年ぶりに作って、まずはヒルライムに照準を合わせることにしました。春からツール・ド・草津、Mt.富士HCと参加して、今年はこれでヒルクライムは3つめ。あくまでも今年の大一番は乗鞍HCですが、この美ヶ原もJCA3大ヒルクライムのひとつなので外せません。
この美ヶ原HCは乗鞍よりも難しいといわれています。その理由はスタート直後に現れる20%を超える激坂。4キロほどのこの激坂区間が選手を苦しめ、歩いて押し始める人が続出します。この区間を上り切ると平坦路が現れ、美鈴湖を回り込んで、また上り区間が始まります。時折現れる15%台の勾配を上り切り森林滞を抜けると、美ヶ原のなだらかな高原にレンゲツツジが咲き誇る美しい風景に辺りは一変し、下り区間に入ります。2度下るこの区間では速度は60キロを超え、とてもヒルクライム中とは思えない爽快感が味わえます。そして最後の1キロは再び上りで、もがいてゴール。
レース前日
前日の土曜日に特急あずさで松本駅に降り立つと、まばゆい夏の光が、壁と言わず地面と言わず照り返してきて、しばし眩んでしまいました。週明けからの高い降水確率を示していた天気予報を見事に覆して、梅雨の晴れ間を呼ぶ晴れ男パワー全開です。
スタート会場の浅間温泉は駅から離れているので、バイクを組み立てて受付会場へ向かいます。道すがら、前を、反対車線を、走るロードバイクを見ながら会場に着くと、ちょうど今中大介氏がステージでヒルクライム初心者へのアドバイスを一答一問でやっているところでした。規模は2週間前のMt.富士ヒルクライムの半分くらいですが、この大会は地元の手作り感がいっぱいで、アットホームな感じが好きです。受付後に渡される袋の中に、小学生が書いてくれた応援短冊がひとりずつに入っています。「さいごまであきらめずに走ってください」と小学4年生の女の子が書いてくれたそれに、地元あげての歓迎ぶりを感じます。
会場で運よく仲間のVRさんご夫婦に会ったので、一緒に試走に向かうことにしました。VRさんは今回初めてだというので、最初の激坂について、そして、その後に続くコースの様子をひと通り説明して、暑い夏の日差しの中上り始めました。頭で覚えていたよりもキツイ上りです。心拍数がすぐに170を超え、あっという間に180台に。フロントインナーT39で来たことをすぐ後悔しました。リアはT25では耐え切れずT27で固定となり、軽いギアは売り切れ、しょっぱなから乳酸爆発の坂です。
このキツイ区間を終えると道を右に折れて平坦区間に入り、美鈴湖ほとりを回り込んで次の上り区間に進みますが、とりあえず一休み。その後、GPSにコースを覚えこませるために、最後まで上ってしまったのですが、15%勾配が幾度も現れる坂を上りながら、こんなキツかったかなあと4年前の記憶を辿りながらの試走となりました。今日の記録は1時間34分。遅い。明日の目標は1時間20分以内。
レース当日
明けてレース当日の朝は、曇り空で暑くもなく寒くもなく、絶好のヒルクライム日和。前日夜着のTNさんを加えて、3人でのレース参加です。TNさんもここは初めてなので、いきなりのあの激坂は喰らうだろうなあ。さて、昨日の試走は試走に終わらず、太腿は疲労が残っていて大乳酸祭りの様相を呈して、力を入れると痙攣が始まりそう。それでもウォーミングアップが出来なかったMt.富士ヒルクライムの二の舞にならないように、入念にアップして、スタートの8時15分を待ちます。
このスタートで注意すべきは、スタートラインに計測センサーがないこと。つまりスタートラインを切手から計測が始まるのではなく、号砲によるスタートによって計測が始まると言うことです。最前列と最後尾では20秒は差が出来るので、最前列に並びたいところですが、バイクの待機所に並べた順でのスターと順となり、スタート直前までウォーミングアップしていたので後の祭り。私は仲間3人の中で最後のスタートです。
号砲一発、集団はスローなスタート。最初の信号がある交差点をゆっくり右に曲がり、すぐに上りが始まります。両脇の温泉宿を通り抜け、裏通りのような上り口から美ヶ原を目指すと、真っ直ぐにバイクが揺れながら上っていくのが目に入ります。右から抜いて、しかし、坂の勾配が一番キツイところなので、じわじわと1台ずつ。まるでスローモーションの様。抜いて抜いて、前へ前へ。今日は本気モードなので、一枚重いギアが踏めます。例の秘密兵器のお陰。昨日は永遠に思えた美鈴湖までの区間を、思ったよりも早く抜けて、平坦路は40km/h位までスピードアップ。湖を右に見て回り込んだ後、再び上りが始まります。
7~8%、そして時々15%位まで勾配は上がります。ハンガーノックの富士ヒルクライムを教訓として、スタート30分前にエナジーゼリーを口にしておいたので、エネルギー切れの心配はありません。
この大会の分かりやすいところは、年齢順に背番号が増えていくこと。とにかく自分よりも若い番号を抜いていくと、必然的に順位が上がることになります。いつものように「風景が下がっていく」様子を楽しみながら、規則正しく呼吸を続けていくうちに、スタート前に痙攣寸前だった脚も、だんだん回るようになってきました。沿道の応援が実に楽しい。参加者の中にはタンデム(2人乗り)あり、リカベント(寝転がるような姿勢のバイク)あり、そういった人たちと苦しい呼吸の下で会話しながら上っていくと、中間点にも気付かず、ラスト5キロの看板が現れました。
樹林帯を抜けて、急な下り注意の看板を左に見て、さあここからがタイムアップ区間。フロントはアウターへ、リアはより重いギアに次々とシフトアップして、踏んで踏んで、スピードは60km/hをゆうに超えて行きます。そして最後の上り区間の500m。ダンシングで車体を左右に振って、残りの力を振り絞ってゴール。1時間26分でした。この記録は目標の1時間20分以内に遥かに届きませんでしたが、ロードバイクでこのコースを上るコツは掴んだように思います。
このコースは、激坂~平坦路~上り~下り~最後の上り、という様に、100km程のワンデーレースを20kmに圧縮したような感じです。ギアはアウターも必要だし、20%勾配に備えて軽いギアも必要。バイクセッティングも頭を必要とします。ただ軽いだけじゃダメ。走り方もペース配分も難しい。最初の激坂区間がタイムに大きく影響することは明らかですが、それに続く美鈴湖の平坦部を脚休めに使うかタイムアップに使うか。ペース配分は年寄りならずとも重要だと感じました。これで雨が降ると、さらに難しくなることでしょう。なかなかの難コースです。
1時間15分を着ると10位以内が見えてくるので、そのレベルに達したらまた参加したいと思います。
このレースを通して分かったこと
試走のやり過ぎ厳禁!!!
いちおう記録として@b-Stream
ベルギーではヒルクライムの練習は出来ませんね。
文豪ですね、家主さんは!
>試走のやり過ぎ厳禁!!!
がとっても受けました。
なんと、3位!すばらしい。
おっしゃるとおりで、ベルギーでは「山練」はムリですね。でもその分距離が走れます。今朝東京に着きましたが、ベルギーにいた約2週間で900km走りました。夕方からの日が長いのが助かりますね。夕食後にカフェでまったりできるし。暮れていく空を眺めている時間が一番好きです。
それで東京に帰って一番にやったことは、エアコンのスイッチONです。あぢ~。
ぐっちー>
いやあ、溶けそうです。本当の暑さはまだまだなんだろうけど、涼しいヨーロッパから帰ると堪えます。今週末もレース。アスファルトと同化しそう。
そっちはバーゲンやってるかな。
ドイツは毎日暑いです。
とは言っても湿気が少ないのか、朝、夜は日本と違ってムシムシ熱帯気候、ということは確かにありませんね。
朝は特にさわやかだな。
が、ちょっとでも太陽の下に出るとじりじりと焼けるような天気が毎日続いています。
・・・そんな中、昨日は一人で引越しをしたのでバテました。
エレベーターなしの5階のアパートまで重い荷物を持って何往復も・・・。
夏の引越しは殺人的だ~。
バーゲン、一部で行われているようですが、昔のような勢いはないようです。
かつてドイツでは各お店が勝手に商品の値段を変更できない規則があって、それが解禁されるのが夏と冬のバーゲンのみだったのでした。
その規則が3年程前に廃止になって、今では年中70%引きとかSALEの文字を見るようになり、バーゲンの意味が薄れてきたのでした。