バスターミナルなブログ

全国のバスターミナルやバス旅の紹介(※ブログ内のデータは原則として撮影時のものです)

雷電線 寿都ターミナル→岩内ターミナル

2010年08月20日 | バス旅(乗車記)
ニセコバス 雷電線
寿都ターミナル 10時55分発




そそくさと寿都ターミナルの撮影を済ませた私は、寿都ターミナルの窓口で、岩内ターミナルまでの乗車券を購入し、車両に乗り込みました。乗り換えの都合で、わずか数分の寿都になってしまったのが残念です。次回はちゃんと時間をとって、街中も散策できればいいなと思いました。

発車のベル♪が鳴り、10時55分に寿都ターミナルを発車します。

車内にはお年を召した女性の方々ばかり8~9名が乗車しています。しかも、皆さん顔馴染みのようで会話も弾んでいました。団体旅行者かしら?それにしては軽装だし…???地元の方のような気もするけど、こんな大勢で一体どこへ出かけるのだろうか…。車内は右も左もおしゃべりで明るいムードです。



車窓から見える寿都湾。これからバスは、ぐるりと湾沿いに走り、見えている対岸を経由して、更に岩内へと向かいます。「これから見えている場所まで行くのか!」先の見えている行程に長い道のりと気だるさを感じました。



11時07分、ゆべつのゆに到着。ここで車内の団体さんが降りました。ここで謎は何となく解決!!ゆべつのゆは寿都町、町営の日帰り温泉施設です。地元のご婦人方が昼間の余暇に温泉施設に来て楽しんでいるのです。男性がいない理由は、おそらく漁でしょうか?!最近、地方のローカルバス路線で温泉施設に立ち寄るのをよく見かけますが、こういう需要はちゃんとあるんですね。学生の通学輸送ばかりが地方路線じゃないのがよくわかりました。



地元の団体さんが降り、ゆべつのゆを発車すると、車内はガラーンと貸切に。さっきまでの喧騒がちょっと懐かしくなってしまいました。

車は日野のレインボーRJ。ワンステップバスです。自宅でこの路線についてネットで下調べしていたら、車両は初代エアロバスが写っていました。寿都ターミナルから小樽まで直行するバスがあった時代のものですが、現在は大型観光バスではなく、実情に沿った中型ワンステップバスにダウンサイジングされているようです。全線で1時間以上かかる路線とはいえ、この乗車率なら仕方ないところでしょうか。雪が降って利用者がバスに集中しても大丈夫なように「大は小を兼ねる」が雪国のバスの定番でしたが、その言葉も過去のものになりつつあります。もっとも、観光型から路線型になったので「小でも大を兼ねられる」が正しい言い方かもしれません。



鰊御殿付近を走行中。対岸に見えるのは先ほどまでいた寿都の街でしょうか。この辺り一帯は鰊(ニシン)の漁で発展した街でした。現在、残念ながら鰊は来なくなってしまいましたが、当時は車窓から見える神社で、漁の安全を願っていたのではないでしょうか。穏やかな日本海をバックにタイムトラベル。



バスは日本海の海岸沿いに、道をクネクネと進みます。



磯谷の集落に入ると、風雪を防ぐための防雪柵が国道沿いに連なっていました。この辺りは潮風の強い場所だそうです。景観を損ねないために冬季以外は外すようになっているようですが、地域住民の高齢化と過疎化で思うようにいかないのだとか。



11時42分、トンネルの中で岩内町に入りました。この辺りは道路の改良が進み、海岸沿いからトンネルに振り替えられた区間が続きます。



トンネルを抜けると雷電温泉。凄く効能がありそうなネーミングです。かつては複数あった温泉宿も現在は1軒しか残っていません。国道から直接見えるのかと期待していましたが、残念ながら国道から道を入った場所らしく、車窓からは見る事が出来ませんでした。ちなみに、このバスの路線名は雷電線といいます。名前のカッコよさに魅かれて乗車を決めたんです。



そしてバスは岩内の街中へ。



12時03分、終点の岩内ターミナル5番線に到着しました。

寿都ターミナルから、ずっと日本海に沿って走り、景色の素晴らしい路線でありました。短距離の利用者はいましたが、全線乗車したのは私のみ。日帰り温泉施設という需要に、地方路線の新しい活路を見た気がしました。

<取材2010年2月>
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