「もうひとつのMONSTER」：ANOTHER MONSTER

浦沢直樹『MONSTER』全18巻

『MONSTER』はオイラ今まで読んだ漫画の中で1，２を争う傑作だと思うんですよ。
脚本が素晴らしい。複雑なストーリーではあるけど、筋がキッチリ作り込んであって、『死んたはずのユリアが実は生きていた！』・・・みたいな不自然さが全く無い。多分描く前から全てのストーリーがキッチリ作ってあったのだと思う。

さて、で最近読んだのがその副読本となる『もうひとつのMONSTER』。
こちらは漫画ではなくて活字とちょっぴりの挿絵の単行本。
実は随分昔に買ったモノだけど、まだ読んでなかった。

一連のヨハン事件のあとに起こった連続殺人事件が実はヨハン事件と関係があるのではないかと推理したジャーナリストのレポートという形式で書かれている。
漫画では思わせぶりな最後で終わるが、ヨハンは生きているのか？それともヨハン以外にも『MONSTER』は存在するのか？そしてその後の連続殺人事件との関連は？

ヨハン事件に関わって生き残った人達に事件についてインタビューするという形式なんだけど、本編では省略された経歴、人物像が描かれていて興味深い。当初からここまで人物設定がされていたんだろうか？これまた一切の不自然さがない。

すべてのことが現実に起こった事件であるかのように錯覚させる手法といい、漫画『MONSTER』が好きな人には超オススメの一冊。