不要になった家具・車や、不動産の物件情報やら、時には動物の里親募集まで、
たくさんの人が、自分が不要になった物の、引き取り手を捜しています。
私も以前、迷子犬を預かっていた時に、ここに情報を貼り出しました。
いろいろな人がそうしている様に、私も買い物に行くたびに、
何か宝物との出会いがあるんじゃないかと、一枚一枚、目を通しています。
そして、気がついた一枚の紙には・・・
「シュナウザーとヨークシャテリア、残念ながら、我が家の赤ちゃんたちと相性が悪く、里親を探しています…」
と書いてあります。
会計を済ませて、やって来た夫に 「これ・・もしかして?」と聞くと
「うん、きっとそうだね」と。
私達に心当たりのある2匹の犬達のことのようです。
3年ほど前に住んでいた家の隣には、イギリス人のカップルが住んでいました。
とても感じの良い2人で、私達家族と仲良くしていました。
時には一緒に食事をしたりして。
彼らはシュナウザーとヨークシャーテリア、そして猫を飼っていました。
子供が欲しくても恵まれなかった二人は、犬を飼うことにして、ペットショップに出かけたそうです。
そして、選んだのがヨークシャテリア。
けれど、他の檻の中で、売れ残り、大きく育ちすぎたシュナウザーを見なかったことには出来ず、
2匹を連れて帰ってきたそうです。
猫も、道端で怪我をして震えているところを連れて帰ってきた と言っていました。
とても優しい人たちでした。
私達がその家から引越しをする数日前に、彼らはインドネシアからの赤ちゃんを養子に迎えました。
近所中で興奮して、赤ちゃんを抱かせてもらったのを覚えています。
昨年秋、私達夫婦はその2人とバッタリ街中で会いました。
お互いの近況を話していたときに、
「あの時の赤ちゃんは、今日で2歳になるんだよ。今日はバースディパーティーなんだ。
それに、もう一人の赤ちゃんを兄弟に迎えるつもりで、準備中なんだ」
2人の幸せそうな姿に、私達も嬉しい気持ちになりました。
きっと、その赤ちゃんと犬達が上手く行かないのでしょう。
もしかしたら、犬達はやきもちを焼いたりしたのかもしれません。
赤ちゃんが、危険な目にあったのかもしれません。
彼らが、とても苦しんだであろうことは想像が出来ます。
けれど・・・犬達は信頼していた人間に裏切られた事になるのです。
なんとも苦しい気持ちになり、帰りの車の中は、夫も私も無言のまま・・・
どうか、2匹に良い里親さんがみつかりますように。