煌明公司nettaskforce

こちらは「ガンダムSEED」のディアミリファンサイトです。個人の趣味での二次製作作品をご理解の上閲覧くださいませ。

ディアミリ二次創作 夏至祭3

2015年04月03日 | 小話
夏至祭 3

 閃光と雷鳴、激しい雨に見舞われながら傘もささずに駐車場から病院の夜間受付へ駆け込んだ。面会書類に記入する間に連絡を受けた担当のヨハンセン医師がやって来てタオルを渡してくれた。
「ミリアリアさんは先程母乳を飲ませて、今はちょうどお休みになったところですよ。先に新生児室へご案内しましょうか?」

 男子誕生・母子ともに健全、と連絡をもらったものの、どうしても仕事を抜けることができずこの時間になってしまった。心臓がバクバクするのは走ってきたせいだけではない。一刻も早く赤ん坊とミリィに会いたくて、ついつい早足になり案内役の医師を追い越してしまう。
 EMI(エルスマン・メディカル・インダストリア)製最新設備の新生児室に生まれたての赤ん坊が一人すやすやと眠っていた。俺によく似た肌と髪の子供、耳の形はミリィに似てるかも…。不覚にも目から汗が出そうになる。担当医師が赤ん坊の健康状態と今後のスケジュールを簡単に説明してくれたが、興奮していて情報が上滑りしていく感じだ。ずっと見ていたかったがミリィの様子も心配で、病室へ行くことにした。
 室内には常駐の看護士が付き添っていた。医師と看護士に礼を言うと二人は替えのタオルと温かいコーヒーを持ってきましょう、と席をはずしてくれた。

 ミリアリアは軽い寝息をたてベッドに横たわっていた。たくさん汗をかいたのであろう、髪がいつもより乱れている。出産という男には到底想像できない大事業を成し遂げ、安堵の表情を浮かべてるようにも見えた。しばし戦士の休息だ。
コメント
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