臼田先生の「ぬれマスク先生の免疫革命」を読ませていただき、風邪に対する免疫力の理解においてとても参考になりました。
風邪を惹き起こすウイルスとそれを防御する免疫システムとのせめぎ合いにおいて、免疫組織を内部から脅かす要因と外部から攻勢をかける要因に分けて考えることでかなりスッキリ理解できることが分かりました。
内部から免疫力を低下させる要因としてはストレス、疲労や栄養面での問題、あるいは体温低下や冷たい飲食物による腸機能の低下や加齢などが挙げられています。
他方、外部からの要因の最たるものは何と言っても睡眠時の口呼吸と嚥下の問題(睡眠中は嚥下をしないという不利)でしょう。これらは鼻呼吸の場合と比べると喉の扁桃リンパ組織(免疫組織)に対して圧倒的多数のウイルスに攻撃をかけさせ、また扁桃リンパ組織を乾燥させることによってウイルスの増殖を促しますので、チョットでもこの免疫組織が弱みを見せると一気に前線を突破されてしまいます。
生まれつきこの扁桃リンパ組織の弱い人や加齢によって弱くなってきている人はその影響を顕著に受け易くなります。
もちろん鼻呼吸の場合でも睡眠時の吸入空気が著しく冷たくて乾燥していると、鼻通過時の加湿・加熱処理能力が追いつかず、扁桃リンパ組織の状態によってはウイルスとの戦いに敗れることも充分あり得るわけです。
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しかし納得しかねるところもありました。
睡眠時に副交感神経が優位になるとリンパ球の活性が増し却って風邪が進行しやすいという部分と、口唇圧を付与することのできない濡れマスクが口呼吸を抑制してラクな鼻呼吸へ誘導してくれたり15g程度の保水量で口呼吸に対しても充分な水分補給が可能という点です。