偏平足

里山の石神・石仏探訪

里山の石神端書127 猿田彦庚申塔(群馬県桐生市)

2022年10月11日 | 里山石神端書

桐生市黒保根町下田沢・赤城神社の猿田彦庚申塔

「村社赤城神社鎮座」の石碑が立つ赤城神社の参道、その途中に「日弓尊/月讀尊/天津祖猿田彦大神」銘の石塔が立っています。庚申塔です。


 一般的に庚申塔は上部に日輪・月輪を刻して猿田彦銘を入れるのですが、ここでは日弓・月讀の独特の表記です。独特の表記は、台座の見猿・言わ猿・聞か猿の三猿を「不見/不聽/不言」にしたところにも見られます。石造庚申塔の像容を理解したうえで、あえてこのように表現したのでしょう。

 この庚申塔の側面に記された神々も独特です。神名は三段に別けられ、上段には日本神話の神々、中央に「猿田彦大神」、下段中央に「六神御大神庚申」とあってその左右に「天道根命/天神魂命/興登魂命/闇竈神/闇山神/闇罔神」となっています。下段の神は天孫降臨に随伴した神と雨や水の神のようです。造立は「文化十二年(1815)」。庚申塔に国家安穏・五穀豊穣まで祈願した印象です。
 庚申塔にこのような神名を提案・指導したのは神道の人に違いなく、これらの神々をどう説明したのでしょうか。


 神社の入口には普通の庚申塔や道祖神も並んでいます。
(地図は国土地理のホームページより)




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