千葉県長南町地引・行堂跡と梵天
ここに案内する梵天は仏教の梵天に影響されたとされるこの国独特の神の依り代、神が憑依する幣束です。梵天は修験ではよく使かわれますが、特に出羽三山では重要視されています。その一つが秋の峰入りに行う黄金堂に梵天を投げ入れる行事。秋の峯入りは擬死再生の儀式。その始めとして梵天(男)を黄金堂(女)に投げ入れることから始まり、行を通して生まれ変わることを目的としています。この梵天が出羽三山の象徴として、勧請先でも梵天を立てるようになったのは江戸時代の中頃からでした。特に千葉県では今も続けられています。
千葉県の梵天の形はさまざまです。長南町では竹を支柱とし、その先に藁を円筒に巻き付け半紙で包んで麻紐で結び、上部に白幣束を付けるシンプルな形です。
梵天の下には「明治六年」銘の出羽三山供養塔が立っていました。
地元の人の話では、少し離れた場所に行堂があったそうですが、今は集会所に移して出羽三山信仰の集まり・八日講を行っているそうです。
(地図は国土地理院ホームページより)