テニスと読書とデッサンと!

どうでもいい夢。

終電が去った後の駅を後にして

仕方なく駅前の横断歩道を渡って

駅に隣接する公園のベンチに座り

ぼくが途方に暮れていたら、

黒いシルクハットをかぶって

もじゃもじゃ髭を生やした恰幅のいい

西洋人ぽい人がぽこんとぼくの隣に座った。

その人は自分をチャールズ・ダーウィンと名乗り、

ぼくに向かって流暢な日本語で

「行ってしまった。なんてこった!」と言った。

「はい、始発を待つより仕方がないみたいです」

「わしはこっちにきて112年になるが

終電を逃したのは初めてじゃ」

「そんなに長くこちらにいらして

何をなさっていらっしゃるのですか?」

「わしか?わしは種の起源を探求しておる。

この島国ニッポンという国は実に面白い。

独自の進化を遂げた生物がたくさんおる。

終電の去った駅にだって

閑古鳥がやって来てくるのじゃから」

チャールズ・ダーウィンは

面白くない冗談を流暢に飛ばした。

はたして閑古鳥の用い方って

それでいいのだろうかと気になったけれど

まあいい。

進化論の研究でもしているのだろうか。

そしてチャールズ・ダーウィンはこう続けた。

「人間は猿が進化したイキモノ・・・

はたしてそうなのか?キミはどう思うね」

「・・・わかりません」

「人間は進化すると何になる?」

「残念ながらそれもぼくにはわかりません」

するとチャールズ・ダーウィンは

もじゃもじゃ髭を左手で撫でながら

しばらく考えた後で

「人間には男と女がおる。

人間の男は雄猿が進化したもの、

人間の女は雌猿が進化したもの。

キミはそう思うかね?」

「はい。もしも私たちが猿に別れを告げて

人間へと進化する道を選んだとしたら

そうだと思います」

「ほぅ。ならば真実を教えてしんぜよう。

オトコは犬が進化した生き物、

オンナは猫が進化した生き物。

タヌキが犬に化けてから

人間へと進化を遂げた新しい生き物もおる」

「それはあなたのことですか?」

「キミの冗談はわしより面白い。

気に入った!キミもわしと一緒に

本国まで航海を共にするかね?」

ぅわ〜、いつまで続くんだろう、

この不毛な会話。とぼくは思って

「せっかくですけどぼくはこの島国に

骨を埋めようと思っていますので」と答えたら

「ならばキミはキミらしく進化を遂げなさい」

そう言ってチャールズ・ダーウィンは

信号が点滅している横断歩道を

再び千鳥足で渡って行った。

チャールズ・ダーウィンが道の向こうから手を振る。

ぼくは、ぼくらしく進化を遂げると

いったい何になるんだろうと考えながら

チャールズ・ダーウィンに手を振り返した。

そのとき電車の音が聞こえてきた。

「えっ、ウソだろ?まだ終電じゃなかったの?」

ぼくは慌てて横断歩道を駆け足で渡り、

ホームに駆け上がって乗り込もうとしたら

目の前で扉が閉まってしまった。

ぼくは再び途方に暮れながら

電車を見送るしかなかった。

そして何気なく走り去る車内に目をやると

ドアにもたれてチャールズ・ダーウィンが

ぼくに向かって笑顔で手を振っていた。

 

・・・ぼくは進化に乗り遅れたのだろうか。

 

昨夜見たヘンな夢をのことを忘れないうちに

記録しておくことにした。


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