テニスと読書とデッサンと!

空想トリップ。




「雨が降ると子どもたちが

遊びに来てくれないから

つまらないでしょ」

「そうでもないわ。

雨はわたしの汚れた身体を

洗い流してくれるから好きよ」

「雨は天然のシャワーってわけ?」

「そう。身ぎれいにしてないと

誰も寄って来てくれなくなるもの。

人気のない遊具はすぐに

お払い箱になるのよ」

「生き残りを賭けてきみもけっこう

大変なんだね」

「あっ、あなた、ひょっとして

わたしに乗ってみたい?」

「はははっ!ありがとう。

きみに乗ったらどこかへぼくを

連れて行ってくれる?」

「もちろんよ。どこに行きたい?」

「会いたい人がいるんだけど」

「その人はどこにいるのかしら?」

「わからないよ」

「・・・わたしに協力できそう?」

「うーん、どうだろう」

「いいわ、乗ってみて」

「乗ったよ」

「乗り心地はどう?」

「ちょっと硬くてお尻がひんやり。

だけどなかなかいい感じだよ。

なんかとっても一体感を感じる」

「あなた、なに考えてるの!

腰なんか動かしちゃって!いーい?

2回深呼吸したら静かに目を閉じて」

「閉じ・・ぅわわ!なんか動いてる」

「しっかりわたしの首につかまって!

落ちたらケガするわよ」

「いま、ものすごいスピードで

どこかに向かって走ってる?」

「走ってるんじゃなく飛んでるのよ」

「えっ、と、と、飛んでる?

どーしよーっ!ぼく、高所恐怖症!」

「なら途中で目を開けない方がいいわね」

「あーっ!今度はぼくたち、

ものすごく斜めになってる?」

「そうよ」

「ぅわわ!加速感ハンパない!」

「お願い、少し口も閉じていてね。

あなた男でしょ?」

「・・・んーっ!・・・」

「着いたわ」

「えっ?」

「もういいわ。目を開けてみて」

「・・・わーっ!」

「あそこのベンチに座って

キャラメルフラペチーノのトールを

飲んでる人よ、

あなたが会いたがっていた人は」

「・・・・・!」

「ストップ!それ以上近づかないで。

テレパシーでお話できると思うわ」

「・・・・・、・・・?」

「・・・・・・・・・・・・・」

「・・!・・・・・、・・・?」

「・・・・・(笑)」

「(笑)・・・・・!」

「ありがとう。話、できたよ」

「伝えたいことちゃんと伝わった?」

「うん!簡潔にまとめた」

「あなた、高所恐怖症のわりには

意外と冷静なのね」

「うん、自分でもそう思った。

ずいぶん霧が濃くて寒いけど、

ここ、どこなの?」

「雲の上よ」

「ひょえー!ブルブル・・・

早く地上に戻りたーい」

「じゃあ飛ばすわね」

「いやいや、飛ばさずにやさしい速度で

お願いします」

「お疲れさま。着いたわよ」

「目を開けていい?」

「大丈夫よ」

「ひとつだけ質問があるんだけど」

「なーに?」

「どうしてぼくが会いたい人が

わかったの?」

「あなたの顔に書いてあったからよ」

「じゃあ、もうひとつ質問!」

「あなた"ひとつだけ"って言ったわ」

「ダメ?」

「ダメよ。でもまた会いたくなったら

ここにいらっしゃい。

いつでも会わせてあげるから。

あなたならいつでも大歓迎よ」

「ありがとう!」


誰もいない公園の一角でキリンが

ポツンと時間を持て余していたので

写真を撮ってみました。

キリンは麒麟で空を飛べるのかなって

思いました。



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