テニスと読書とデッサンと!

青い空、白い道。




「ほら、あそこ!見て、ロバート。

飛行機が空に道を作っているわ」

「あぁ、飛行機雲だね。

ジュリアも飛行機に乗ってみたい?」

「飛行機に乗るよりも

飛行機雲の上を歩いてみたいわ」

「ジュリアは高い所が好きの?」

「ううん、ただなんとなく思っただけ

「じゃあ虹はどう?」

「虹は眺めるだけでいいの」

「どうして飛行機雲は歩いてみたくて

虹は眺めるだけなの?」

「出だしから急な登りがあるからよ」

「ジュリア、相変わらずキレッキレだね。

ジュリアらしくて大好きだよ」

「わたし、今おかしなこと言った?」

「ううん。なるほどなぁって感心したんだ」

「ならいいわ。ロバート、キスして」


チュッ!


「ねぇロバート、もう少しここで

空を眺めていたいわ」

「あぁ、いいよ。じゃあぼく、クルマに

ブランケットを取りに行ってくるよ」

「えぇ、ありがとう」


「あっ、薄くなってきちゃったね、飛行機雲」

「そうなの。上空は風が強いのかしら」

「そうかも知れないね。はい、どうぞ」

「ぅわー、すっごく温かいわ!

ロバートも一緒に入って」

「ぼくが入ったら隙間風ができちゃうよ」

「いいから!」

「はい!」

「ぷっ、おかしい(笑)!


「こうやってふたり一緒にブランケットに

包まれている時間て好きよ」

「それはそれは。光栄に存じます(笑)」

「そんな答え方、ダメ〜!」

「ジュリアが一緒ならTシャツ1枚に

なったって寒さなんか感じないぜ!どう?」

"どう?"は余計ね」

「ジュリア、愛してるよ」

「それよ、それ!それが聞きたかったの」

「ストライク?」

「ストライク!しかもド真ん中ね」

「打ち返されそう?」

「ぱっか〜ん」

「あっ!ボールが飛行機雲の上を

越えていっちゃった」

「わたしたち、いま野球をしているのね」

「うん。たったいまジュリアに

先制ホームランを打たれたところさ」

「まあ!ステキな展開。楽しいわね。

このままいつまでもロバートと

試合をしていたいわ」

「永遠に?」

「永遠に、って言いたいけど陽が落ちると

一気に冷えてきそうだし、

ホームランのラインが消えかかっているから

そろそろ切り上げましょ」

「あー、勝ち逃げはダメだよ。

ぼくだってバッターボックスに立ち・・・」


チュッ!


「また打たれちゃったよ」


冬の空は高いはずなのに、

昨日はバットを空に向かって掲げたら

先っぽが青く染まるんじゃないかって

思えるほど近く感じました。

のんびりした不思議な一日。



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