佐久良私語 さくらのささめごと

佐久良私語は櫻斎宗匠の折々の思いを綴ったものです。

2015年6月7日

2015-06-11 20:09:19 | 折々の記(2015年)
卜翠会研修会・総会(於道明寺)無事に終了しました。

お元気です‼
今年94歳。毎月お供も連れずお一人で道明寺から京都の家元に稽古、霞会館に歌会に来られています。
いつまでもお健やかに‼


2015年6月1日

2015-06-11 19:47:21 | 折々の記(2015年)
長堀橋
寛政11年(1799)3月11日に初代松斎宗詮がまだ願泉寺で降龍と名乗っていた時、父の時龍とともに聖護院宮盈仁親王を長堀橋でお迎えして願泉寺にご案内しました。
宮は箕面山の法楽に赴く途次で、3月13日まで願泉寺に逗留されました。この時、空襲で焼けて今はありませが伊達政宗か建てた客殿で、松斎と四天王寺の伶人とで参殿し雅楽を演奏してお慰しました。その時、自作の龍笛に「柴船」命銘していただき、また染筆を拝領しています。松斎は御礼として自身の好みの手焙一双を献上しました。
宮は帰洛の後、禁裏に参内し、光格天皇にその話したところ、天皇の所望によりその手焙を一つ献上したとの記録が残されています。
大阪市のホームページによると、寛永2年(1625)東横堀川と木津川とを結んで延長約2500メートル、幅員30~40メートルの長堀川が開削されました。長堀橋はこの長堀川に最初に架けられた橋で、江戸幕府が管理する公儀橋の一つでした。近年、大阪の都心再開発のため同河川が埋立てられ橋の姿も消えましたが、地下鉄の駅名などにその名が残っています。

今日の軸 2015年5月31日 お仕舞い!

2015-06-11 19:45:01 | 折々の記(2015年)

Über allen Gipfeln
Ist Ruh.
In allen Wipfeln
Spürest du
Kaum einen Hauch;
Die Vöglein schweigen im Walde.
Warte nur, balde
Ruhest du auch.
—Goethe

Tasiron-san no tame ni
Kanetune-Kiyosuke
utusu. Anata niwa
Tokyo no,Watakusi
niwa Ilmenau no
Omoide.

音楽評論家で文芸評論家、音楽学者の兼常清佐(かねつね きよすけ)のゲーテの詩「 Über allen Gipfeln ist Ruh (すべての山の頂きに安らぎが) 」とシューベルトの作曲になる楽譜です。
日本語に訳すと、
すべての山の頂きに
安らぎがある
あらゆる梢に
お前は聞くことはない
風の吐息を
鳥たちは沈黙する 森の中で
ただ待つのだ すぐに
お前もまた安らぐのだから!
山口県萩の出身で、京都帝国大学文科大学哲学科を卒業後、東京音楽学校ピアノ科に入学し、ドイツに留学、音響学を研究しました。「名人のタッチ」などというものは自動ピアノで再現できるから名人は不要だというピアニスト無用論などの評論活動で知られました。
この軸は Tasironさんなる人物のために書かれたもので、Tasironさんにとっては東京の兼常にとってはドイツのイルメナウの思い出であると記しています。二人の関係は不明ですが、兼常のドイツ留学時代の思い出がこの詩にあり、染筆されたことがわかります。
この軸は絹本にペンで書かれています。まさに珍品の一つといえるでしょう!


おかげさまで勝手な軸の説明を始めて一年が経過しました。
お付き合いくださいましたみなさんに厚く御礼申し上げます!
そもそもあることがきっかけとなり、所蔵の軸を社中に紹介することを目的としてはじめました。ところがある方からより広く見てもらうほうが価値があるとの意見によりオープンにすることとなり、今日に至りました。過去に執筆した原稿を参考にしたり、書物を通じて得た知識、また、体験に基づい執筆したものなどは当然ですが、小保方さんではないですが、コピペも含まれています。苦痛で苦痛で仕方ない時もありました。楽しんで書いていた時もありました。早く終わりたい一心から何日ぶんもまとめてアップした時もありました。まさに自業自得です!それでもこの拙い文章を毎日まるで写経のように書写して「私の生き甲斐だ」とまでいってくれた人や、すべてプリントアウトして莫大な資料としてくれている人がいることを知り、それがはげみにもなりました。そして何より私の最高の勉強になりました!所蔵の軸の意味を改めて知る機会になりました。先日の椀子そばではないですが、途中から意地になったのも事実です。これからは番外編として気が向いたら書かせていただきます。これで私もゲーテの詩のように安らぎをほんの少しだけ手に入れます!
本当に長い間ありがとうございました‼︎
今後もこれに懲りずよろしくお願い申し上げます‼︎