Über allen Gipfeln
Ist Ruh.
In allen Wipfeln
Spürest du
Kaum einen Hauch;
Die Vöglein schweigen im Walde.
Warte nur, balde
Ruhest du auch.
—Goethe
Tasiron-san no tame ni
Kanetune-Kiyosuke
utusu. Anata niwa
Tokyo no,Watakusi
niwa Ilmenau no
Omoide.
音楽評論家で文芸評論家、音楽学者の兼常清佐(かねつね きよすけ)のゲーテの詩「 Über allen Gipfeln ist Ruh (すべての山の頂きに安らぎが) 」とシューベルトの作曲になる楽譜です。
日本語に訳すと、
すべての山の頂きに
安らぎがある
あらゆる梢に
お前は聞くことはない
風の吐息を
鳥たちは沈黙する 森の中で
ただ待つのだ すぐに
お前もまた安らぐのだから!
山口県萩の出身で、京都帝国大学文科大学哲学科を卒業後、東京音楽学校ピアノ科に入学し、ドイツに留学、音響学を研究しました。「名人のタッチ」などというものは自動ピアノで再現できるから名人は不要だというピアニスト無用論などの評論活動で知られました。
この軸は Tasironさんなる人物のために書かれたもので、Tasironさんにとっては東京の兼常にとってはドイツのイルメナウの思い出であると記しています。二人の関係は不明ですが、兼常のドイツ留学時代の思い出がこの詩にあり、染筆されたことがわかります。
この軸は絹本にペンで書かれています。まさに珍品の一つといえるでしょう!
おかげさまで勝手な軸の説明を始めて一年が経過しました。
お付き合いくださいましたみなさんに厚く御礼申し上げます!
そもそもあることがきっかけとなり、所蔵の軸を社中に紹介することを目的としてはじめました。ところがある方からより広く見てもらうほうが価値があるとの意見によりオープンにすることとなり、今日に至りました。過去に執筆した原稿を参考にしたり、書物を通じて得た知識、また、体験に基づい執筆したものなどは当然ですが、小保方さんではないですが、コピペも含まれています。苦痛で苦痛で仕方ない時もありました。楽しんで書いていた時もありました。早く終わりたい一心から何日ぶんもまとめてアップした時もありました。まさに自業自得です!それでもこの拙い文章を毎日まるで写経のように書写して「私の生き甲斐だ」とまでいってくれた人や、すべてプリントアウトして莫大な資料としてくれている人がいることを知り、それがはげみにもなりました。そして何より私の最高の勉強になりました!所蔵の軸の意味を改めて知る機会になりました。先日の椀子そばではないですが、途中から意地になったのも事実です。これからは番外編として気が向いたら書かせていただきます。これで私もゲーテの詩のように安らぎをほんの少しだけ手に入れます!
本当に長い間ありがとうございました‼︎
今後もこれに懲りずよろしくお願い申し上げます‼︎