佐久良私語 さくらのささめごと

佐久良私語は櫻斎宗匠の折々の思いを綴ったものです。

火燈

2016-04-06 22:18:14 | 折々の記(2016年)
2016年3月5日
火燈
神社で祭の時に先導が足下を照らすのに用いる「火燈」です。他にも御神前の雪洞,松明等に明かりを灯す時の火種として用いられるものです。
古くは火燈の中の蝋燭には、火鑽り臼(ひきりうす)というものを火鑽り杵 (ひきりきね)で揉み、摩擦によって火を起こした清浄な忌火を火種として灯していました。それは神様に関わる灯火具や神饌、また奉仕する神職が食べる斎食を調理するのに使われます。今日はそうした古来の方法で火を起こすのは伊勢の神宮や出雲大社、八坂神社など限られた神社でしか行われていません。
この神社では便法として特に祓いを受けた専用のマッチを「浄火」として用いられているそうです。火鑽り臼で火を鑽るのも火打石で火を鑽るのも同じく摩擦によって火を起こすのだからマッチも全く同じ理屈です。時代に即した対応に感心しました。
将来、浄火専用のライターも出現する、いや既に存在するのかもしれません!





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