長野まゆみ 『遊覧旅行』

ＪＲ西日本「三都物語」キャンペーンで連載していたのもをまとめた本。

「遊覧」(単行本では「古都遊覧」）はＪＲ西日本発行の情報誌『三都物語』に1990年夏号から1993年春号まで連載（全12編）。
作者または作者のような嗜好を持つ女性が、ひとりでまたは友人と、王道観光からずれたぶらり旅をして、隣り合うパラレルワールドで永遠の少年に出会う、ような白昼夢的な短編。

「逍遥」（単行本では「三都逍遥」）は『Hanako』の「三都物語」キャンペーン・シリーズ広告として1991年7月から1993年6月まで連載。
初期の長野まゆみワールドに住む少年たちの日常を切り取って並べたような短編群である。

前者はJR西日本の冊子に連載されていたから大人が主人公の視点でかかれているが、後者は全くいつもの？調子趣味全開である。
Hanakoの読者は読んでいたのであろうか？笑
作者としては新しい読者開拓になったであろうが、そうでなかったら読まないだろうし、どちらであっても旅に行きたくなったのかな？と思う。
キャンペーンとしてこういう企画は面白いけどネ。
読むだけなら楽しめただろうし…。
でも結構その期間が長くてびっくりでした。
バブルはじけてもまだまだ余裕が残っていたのかな？

1冊にまとめられたのを読むのはちょっとしんどいかなー。
なんとなく開いた1話を読む、そんな感じで良いと思います。


単行本:1994年2月『都づくし旅物語』
文庫本:1996年4月