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Life begins now

気付いたこと,感じたことを思いつくままに書き綴っていくblog(映画,BD-1,Book etc)

『変身』(東野圭吾)

2007年07月02日 00時03分25秒 | Book

(少しだけあらすじ)ごく普通の青年,成瀬純一。そんな彼がある日突然、ある事故に巻き込まれる。その結果,彼に世界初の脳移植が行われ・・・。

 ある日,目覚めて自分に脳移植がなされていたとしたら,やっぱり心中穏やかではいられないだろうなぁ。でも「ココロ」は脳にあるのだろうか,脳移植されることで自分は誰かに支配されてしまうのだろうか?

 自分を形作っているものは結局のところ何だろうっていうことを読み進めるうちにふと考えましたね。それは,脳にあるのかな,わからないけど脳移植されると確かに自分に変化を来すような気もするなあ。

 しかし,東野圭吾さんの作品は,どんどん作品に引き込まれていきますね。

 自分が自分でいることって何なのでしょうか?移植しなくても昨日の自分はすでにここにいないようにも思えるし,でも確かに変わらない自分の中の何かがどこかにあるような気もするし・・・。自分が大切にしていた人やモノへの違和感を覚えることはとても悲しいに違いない。

 この作品は,読み進めやすいし多くを語るより是非読んでみてほしいです。

 


『そのときは彼によろしく』(市川拓司)

2007年06月19日 01時41分53秒 | Book

 現在公開中の映画ではなく原作を読みました(ヒネクレテル?)。

 市川拓司さんの作品を活字で読むのは実は初めて(村山由佳さんの『すべての雲は銀の・・・』の下巻を買いに行ったとき思わず手にとってしまいました。うー,丸善の店員の平積み作戦に負けた・・・)。

  「いま、会いに行きます」「ただ君を愛してる」の2作品を映画で観た印象では,自然のある生活をとても大事に想っている方なのかなという印象でした。それからきっと誰もが懐かしいと思うものを知っていてそれを表現できる人だなぁとも思います。  この作品でも少年時代やアクアショップの中で完全な自然ではないにしても植物や水を取り入れていて透明感とノスタルジックさは健在です。

 少年時代を共にすごした智史と佑司と花梨の3人が十数年の時を経て「物理学の教科書にも載っていない強い力」で不思議な再会を果たしそれぞれのこれからの人生の後押しをすることになり・・・(続きは是非読んでみてください)。

 特にトラッシュと智史のおとうさんがとても魅力的です。  

 ココロが穏やかに静かになれる,そんな作品です(ささくれ立った気持ちになったらその時に読み返したいです)。

     


『すべての雲は銀の・・・』(村山由佳)

2007年06月16日 07時29分59秒 | Book
 村山由佳さんの『すべての雲は銀の・・・』の感想を。

 今の心境は『なぜなんだ。なぜ俺はこれまでわからないけど一度も村山由佳作品を読んで来なかったんだー』って感じですか?
 ひたすらに,ただ後悔

 信州菅平「かむなび」にあるきっかけで住み込みバイトをすることになった主人公祐介を取り囲む周辺の人物が皆生き生きとしていて,そんな中に身をおくことのできた祐介に羨ましさを感じたなぁ。祐介が再生(なぜかは読んでのお楽しみ)というか成長していく過程にどんどん引き込まれて最後には,自己投影してしまいました。

 都会で暮らしていると分かっていても忘れてしまう大切なもの(自然に囲まれた暮らしのなかでしか感じることのできないものは確かにあるよなぁ)をどうすれば人は忘れずにいられるのでしょうか?もっと言えばどちらも大切なものである文明と自然はどうすれば自分のなかでバランスをとって共存させることができるのだろうか。
 うーん難しいなぁ。

 親子関係,恋愛関係,自然と人のあり方(その他も含めて)いろいろ考えるきっかけを与えてくれる作品です(肩肘張らずに読めるところもオススメです)。

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