『思秋期』:公式サイト
神の英知
聖人
俳優パディ・コンシダインが自身の父親をモデルにクリエイトした長編映画監督デビュー作。
衝動的な怒りを抑えられない熟年男性と熟年女性の交流を描く。
この邦題はピッタリですよね。
ハンナは夫からDVを受け、胎内にガラス入れられたのならば、手術受けなくていいの?
(それとも、言葉の例え?)
結局、ハンナの夫を殺害したのはハンナだったの?
とか素朴な疑問は多々あったよな~。
端的に言えば、熟年版『理由なき反抗 - goo 映画』みたいな感じかしら?
ジョセフは何がどうという理屈ではなくて、ささいな事で荒立っていた感じ。
人間って守りたいと思える存在が現れると強くなれる。
自分の事だけで苛立っていたジョセフが大切な他の人の為に行動するようになる。
本来、それは心の成長のはずなんだけど、ハンナの夫を殺しに行こうとしたり、
少年に危害を加えた犬を殺したりするのは虚しい・・・。
ただ、ラストでジョセフがスーツ姿で歩く後ろ姿は決してアウトローではなく、
酸いも甘いも噛み分けてきた紳士的な大人の男だった。
聖人と荒くれ者は紙一重かもしれないね。
そして、再会したハンナは浄化されたように美しくなっていた。
絶望や希望の領域を越えた神々しさを感じた作品でした。
「ティラノサウルス」だったら何の事か判らず、観にいかなかったかも(笑)
ハンナのガラス云々は、かなり前の事ですよね、、、。
「子供の産めないからだ」だとおそらくはちゃんと処置して貰って
医師に言われたと思うので。
その事もそうだけど、、寝室に行きたくなくてソファーで寝た振りしていた彼女に
夫のした行為!!もう、あそこで私はキレそうになりました。
なので、痛々しい2人だったけど、「まだ秋」に
出会えて、、、ホッとしました
今の季節にも合っているこの邦題は良いですよね。
ナルホド、ガラスの件は処置してもらった上の事なのかもしれないですね。
そうそう、心に痛みを抱えている2人なんだけど、
その痛みを越えて、温もりがそっと伝わってくるような結びが良かったですね。