＊『わたしに会うまでの1600キロ』＊ ※ネタバレ有

　　『わたしに会うまでの1600キロ』：公式サイト

 

流れ星

 

人生の再出発のため1600キロに及ぶパシフィッククレストレイルを踏破した
実在の女性シェリル・ストレイドの自叙伝を映画化。
リース・ウィザースプーンが製作・主演した作品。

 

ジャン＝マルク・ヴァレ監督と言えば、
『ダラス・バイヤーズクラブ』を思い出すけど、
この作品も命を題材に描いていて重かったです・・・。
ただ、音楽にこだわりをもっているのは共通しているように感じました。
特に、エンドロールの曲は意表突かれたけど郷愁は漂い、選曲のセンスが光っていました。

 

娘にとって母は特別な存在なのはわかるんだけど、母を亡くしたからと言って、
自分を完全に見失ってしまうまでになってしまうものなのかな？
母が望んだ自分になろうとするけど、なれなくてという感じなんだろうけど・・・。
結婚して家庭もあって、それが何よりも恵まれている事なのに、
それに気づいていないと言うか、
それなのに心壊れてしまうヒロインと言うのが洋画には多い気もする・・・。
（ハッキリ言って、自分の事しか見えてなくて身勝手なだけにしか思えない・・・。
いわゆるアダルトチルドレンなんだろうけど・・・。）
日本人なら心折れそうな事があっても夫の為、子供の為に健気に生きようとするけど、
なかなか前向きになれなくて・・・という苦悩が多いので、
やはり国民性の違いなのかな？と思ったり・・・。

 

長く遥かな旅路に出ようとする気持ちはよくわかる。
（でも、仕事とかあると現実的には無理なんだよね。
1日や半休すら取りにくかったりするし。）
まっ、このヒロインの場合、何もかもなくなってしまっているから、
もう失うものは何もないから出来るんだろうけど、
ああいう過酷な旅に出られる行動力があるのなら、
元から強い人間なんじゃないかと思ったり。

 

リース・ウィザースプーンは日本ではあまり人気ない？けど、
コメディもシリアスもこなせる確かな実力のある良い女優ですよね。
こういう過酷な旅モノのヒロインは化粧気なしで演じていたら男勝りになりがちだけど、
白いシャツ・短パンの清潔感のある着こなしは少女ぽさすら感じた。
それが安っぽい映画にありがちな野生化していく女ではなく、
どこにでもいる平凡な女性の心象として成り立っていたような気もする。

 

太陽は毎日のぼり沈んでいく。
そんな毎日の何気ない陽の美しさに身を置くことで見えてくるモノもあるのでしょうね。