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ミルク
【第83回アカデミー賞】で外国語映画賞に輝いた『未来を生きる君たちへ』の
スサンネ・ビア監督&アナス・トーマス・イエンセン脚本のサスペンス。
育児放棄・ドラッグ中毒・暴力など現代社会に蔓延る諸問題を題材に
妻子と平穏に暮らしていたが、突然思いも寄らない出来事に見舞われた
刑事アンドレアス〔ニコライ・コスター=ワルドー〕の苦悩を描く。
ビア映画って、まるで北欧版大〇ドラマ?ぽいと改めて実感~。
ありえない設定・とんでもない展開に上乗せするかのように
人間の醜い側面を容赦なく炙り出す演出が・・・。
まっ、大〇ドラマほど台詞は多くはないけどね。
素朴な疑問。。。
◆ どうして妻:アナは自分の赤ちゃんを虐待し殺害してしまうほど心が病んでしまっていたんだろう?
夫:アンドレアスが仕事にかまけて家庭を省みなくて孤独ならわかるけど、
アンドレアスは家に帰ってきたら真っ先に赤ちゃんを可愛がっていたし
いかにも善良なイケメン夫で恵まれた暮らしのハズ・・・。
◆ 死んだからって顔が極端に変わるハズはないので顔の違いは母親なら当然気づくだろうけど、
サネはどうして入れ替わった赤ちゃんが虐待されていたと気づいたんだろう?
打撲や痣があった感じでもなかったし・・・。
母親の勘なのかしら?
ヤク中カップルのもとで汚物まみれで粗末に扱われている赤ちゃん。
一軒家に住み清潔に育てられている赤ちゃん。
なぜ自分達の子が亡くなり、ヤク中カップルの子が生きているのか?
アンドレアスは自分たちの子のほうがちゃんとした環境で大切に育てているのになぜ?
という優越感もあったんだろうな。
だからこそ、赤ちゃん入れ替えという狂った行動に走ってしまった・・・。
でも、実際はサネは赤ちゃんにミルクをあげようとしても
トリスタンに妨害されたりして思うように育児出来なかっただけだった。
夫アンドレアスの目から見ても過保護なまでも赤ちゃんに愛情を注いでいるように見えていたアナが
殺害に至るほど赤ちゃんを虐待してしまっていたアイロニー・・・。
クライマックスでアンドレアスがサネに赤ちゃんを返してサネに謝った時、
サネはアンドレアスに何か言うかと思ったんだけど、
ただ泣いて赤ちゃんを抱きしめていたのは
複雑な感情よりも子供に再会できた言葉にならない安堵感(母性)のほうが勝ったからでしょうか?
深夜の道路に乳母車って、鳥肌立つほど不気味な画だったな。。。
北欧映画は風景はのどかなんだけど、灯りが少ない?からか、
水面の色が薄暗く、季節に関係なく寂寥感漂う・・・。
それに加え、どんよりしたサスペンスだと観ていてゾクッと身震いしてしまったりもする・・・。
でも、それが北欧映画の醍醐味なのでしょうね。