脚本がしっかり練られているヴァイオレンス映画だと思いました。
結果的に破滅へ向かってしまう男達の人間ドラマと不法入国した中国人移民という社会派の題材を、
辻褄合わせをそれ程感じさせず、間延びもなく、テンポ良く描ききっていたと感じました。
最近、私が観た『グラン・トリノ』も移民問題を取り入れた作品だったけど、
『グラン・トリノ』のように “最後の花道”を演出するようなご都合主義な物語運びや演出はなく、
『グラン・トリノ』... ※ネタバレ有
生きる為に希望を見い出す為に日本へ密航してきた主人公である平凡な中国人男性が
ひょんな事からヤクザ組織に足を踏み入れてしまったなれの果てを
美化する事なくリアルに映し出していたのが強く印象に残りました。
中国人移民役のキャストでは鉄頭役のジャッキー・チェンよりも
阿傑役のダニエル・ウーが主役かと思うほどインパクトがありました★
ゆるいパンチパーマ髪?、両頬を傷つけられ、片手を失い、
挙句の果てはパンクロッカー風いでたちでエグすぎる最期。。。
あまりにも散々な目にあう役柄で観ていてお気の毒に感じてしまいました・・・。
でも、イケメンのダニエル・ウーにこういう過酷な役柄を演じさせるのは
監督はダニエルを信頼しきっているからこそなのでしょうね。
逆に、ヤクザ組織の幹部:江口役の加藤雅也はスタイリッシュな衣装(多分ブランドもの?)。
お顔どアップもあり、キレイに撮ってくれて感謝です。^^
(おデコの太筋のお皺でさえも美しい。(*^-^* )
でも、それって監督にとって他国の俳優には気を使っているという事なのかしらね?
日本人俳優はあまり傷めつけていないし・・・。
雅也のヤクザ風味にアレンジした?関西弁は微妙なイントネーション?もあったけど、
雅也は関西弁を話しているほうが味があるし、生き生きしているし、滑舌良いね☆
中盤、江口と結子(江口の妻となり結子という日本名に改めたシュシュ)〔シュー・ジンレイ〕が
思い出を馳せるように穏やかに語り合う時、
回想の映像は鉄頭とシュシュが中国で暮らしていた頃のみというのは不自然でしたね・・・。
やはり、江口とシュシュの回想場面は取り入れるべきだと思う。
江口の生い立ちからマフィアになったいきさつ、
シュシュとの出会いを描いた場面を編集でカットしてしまったのは
主人公に関わる人物としての深みが欠けてしまい、
作品的にはマイナスになってしまった気がします・・・。
【キネマ旬報】国際派俳優、加藤雅也が魅せた男道/イー・トンシン監督ロングインタビュー ※ネタバレ有
新宿ロケが中心ではあるけど、
神戸ロケもあったのは関西人の私としては嬉しかったです。
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『新宿インシデント』JAPANプレミア会見☆
≪香港国際映画祭≫に出席☆ ※舞台挨拶動画追加
イー・トンシン監督らしい、映像もドラマもシリアスタッチで見ごたえがありましたね。
神戸ロケもあったんですか。気がつきませんでした。
鉄頭は「ワンナイト・イン・モンコック」のダニエル・ウーとかぶりましたが、日本が舞台なので、よりリアリティを感じました。
ただ、“一夜”の物語ではなく、鉄頭が自らが生きるための物語だったのが違うところでしょうか。
鉄頭のシュシュに対する想いがあまり伝わってこなかったのも、その生きるため、という部分が大きかったからかと思います。
(想いはずっと秘めていたでしょうけど)
>阿傑役のダニエル・ウーが主役かと思うほどインパクトがありました★
存在感ありましたね。
>江口の生い立ちからマフィアになったいきさつ、
シュシュとの出会いを描いた場面を編集でカットしてしまったのは
主人公に関わる人物としての深みが欠けてしまい、
作品的にはマイナスになってしまった気がします・・・。
そうですね。二時間半近い上映時間の作品も多いので、もう少し増やせた気もしますが・・・。
>雅也は関西弁を話しているほうが味があるし、生き生きしているし、滑舌良いね☆
なめらかでしたね。イイ目のアップがあって、ドキッとしてしまいました♪。
後半、リリーと一緒に居た鉄頭が北野刑事に
江口の犯罪の証拠を言おうとする場面は観ていて
神戸のハーバーランドぽい風景やなぁ~とわかりました。
(神戸モザイクで撮影したそうです。)
>鉄頭のシュシュに対する想いがあまり伝わってこなかったのも、その生きるため、という部分が大きかったからかと思います。
(想いはずっと秘めていたでしょうけど)
鉄頭はどちらかというと寡黙でおとなしく、
多くを語るタイプの人ではないのかもしれないですね。
密入国しようとしたキッカケはシュシュを探す為ではあったけど、
生きる術を見い出す為に日本(新宿)という新天地へ足を踏み入れたからのだからね。
鉄頭はシュシュへの想いを秘め続けているだろうし、リリーの事も嫌いではないと思う。
だけど、鉄頭は恋愛にすがるよりも
仲間達と共に生きる事を第一に考える昔ながらの男気のある人のような印象を受けました。
ダニエル・ウーは堂々とした演技をしますね。
この作品観に行くまでに『女帝』のDVD観ておこうと思っていたんだけど、
時間とれなかったの。(T_T)
ゴールデンウィークの間にDVD観ようかな。
社会派の作品なので2時間半かけてじっくり描いたほうが深みが出たような気がしますね。
加藤さんの目ヂカラ素敵ですよね☆
その十年ほど前から新宿は私の遊び場の一部だったんですよ(笑)
中盤に出てきた某神社の近くでもへもよく出没してましたが、
少しづつ、増えていったのでしょうね。
ホンの小さなスペースでしかない、でも、歓楽街としての別の顔はたしかに感じる所ではありました。
ジャッキーのシリアス第1作。よく考えれば凄いメンバーですよね。
加藤さんも、ダニエル・ウーも、竹中直人も!
他の役者さんも、凄く演技は良かったです。
ただ、恋愛場面とは別に、女性の「これまで」とかも描いてくれたら、
単にヤクザの抗争ばかりがクローズアップされないドラマになって良かったかな~と思いました。
kiraさんは新宿の街にお詳しいんですね。
私は新宿へは数回しか行った事なくて、
新宿の街と言えば大沢在昌の小説『新宿鮫』シリーズのイメージが強いかな。
この作品は当初は日本からは渡辺謙さんやタッキーが出演するという噂もあったので、
それと比べると少し地味なキャスティングになった感もあるけど、
香港俳優・女優と対等に渡り合える実力派の日本人俳優が揃っていましたね。
ノワール映画なので“男のドラマ”になってしまうのは仕方がない気もするけど、
女性がこれまで歩んできた道のりも描けていたら、物語にもう少し深みが出たでしょうね。
人物の描き方に丹念さがあればもっと良くなった作品でしょうね。
遅ればせながら観てきました。
不法移民問題を、不法移民の視線から描いていましたが、ラストの救いのなさは不法移民の現状、将来を暗示しているのでしょうか。。
ダニエル・ウーは頑張ってましたよね。キネ旬とかの記事を読むと、監督がダニエルを信頼しきっているのが伝わってきます。
ジャッキー、今後もシリアス路線に行くのでしょうか?注目です。
トラックバック&コメントありがとうございました。(*^-^*
>ラストの救いのなさは不法移民の現状、将来を暗示しているのでしょうか。。
「この不法移民達の姿を観てどう思いますか?」
と監督が観客に問いかけているようにも感じるラストでしたね。
監督はダニエルを信頼しきっていて、
ダニエルも監督の期待に応えられるように一生懸命に演じたのでしょうね。
多分、ジャッキーは今までの娯楽路線の映画にも出演していくだろうけど、
この作品のように新境地開拓となる
新たなジャンル&役柄にも挑戦していくかもしれないですね。
ジャッキーの今後の作品選びにも注目ですね☆
今まで伺って読ませていただきながら、コメント出来ませんでした。
この作品~
やっぱり江口さんの生い立ち等はカットされてたんですね。。。
彼女との出会いもほとんど描かれてなかったし、不自然だな~って思ってました。
ダニエルくんは、色々な役が出来るいい役者さんだと思います。私の中では、結構“ヘタレ”なんですけど(苦笑)
今回は悲惨すぎでした。
「手が欲しい~~」って、あんまり耳にしない台詞で困惑しちゃった。
加藤さんはステキでしたね~。
彼はこういう役が似合うなぁ。ただ、役の中の江口さんが。急に野心家になったような印象を受けてしまった。脚本?編集?
痛い映画ですが、ジャッキーも頑張っていたし、観れてよかったです。
又寄らせていただきます~~~。
kiraさんのブログなどで
マリーさんのコメントを拝見してましたので親近感を覚えていましたよ♪
私のブログ読んでいて下さったのですね。
嬉しいです。(*^-^*
この作品、30分以上カットされたので、
加藤さん演じる江口の少年時代やマフィアになったいきさつ、
シュシュとの出会いの場面はカットされたそうです・・・。
加藤さんは映画の舞台挨拶や主演舞台などで何度か生で見た事があります。
加藤さんの素は庶民的で気さくなお兄さんのような印象だけど、
俳優としては普通の役柄よりも
アウトロー役やエリート役といった孤高な役柄のほうが似合いますね。
>役の中の江口さんが。急に野心家になったような印象を受けてしまった。脚本?編集?
確かに、江口の野心からくる行動が軽率な感はありましたね・・・。
ダニエルくんはこういう汚れ役を演じるのは大変だと思うけど一生懸命に演じていましたね。
ダニエルくんの出演作をもっと観たいと思いましたよ。
P.S.
マリーさんの気が向いた時に私のブログ来てくれると嬉しいです。
マリーさんのブログへも後ほど寄らせていただきますね♪