~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

『嫌われ松子の一生』①感想。 ※ネタバレ有

2006-06-08 00:48:42 | 映画【日本】
重くなりがちな場面を色鮮やかにポップに彩っていく演出が
韓国映画『親切なクムジャさん』を思い起こしました。
それと、私見ですが・・・
『親切なクムジャさん』がイ・ヨンエの潜在的な資質と美しさを最大限に引き出し、
演技賞を与える為の作品?であるように、
『嫌われ松子の一生』も中谷美紀の確かな実力と美しさを最大限に活かし、
演技賞を目指す為の作品?であるように思えてしまいました。
この2作は女優主体(女優単独主演)の映画という点も通じるような印象でした。

中盤から後半にかけては、この作品が描きたかったテーマは龍と松子の“時をかけた究極の愛?”
という気もしていたのですが、ラストまで観ると、結局は家族愛だったのかな?
ラストでようやく松子は家族の元へ戻って来られたのかもしれない。
ある意味、ハッピーエンドな結末だったと私は信じたい・・・。

松子の人生を2度も大きく狂わした?
龍役の伊勢谷友介はドスの効いた声で凄みがあり、迫力のある演技でした。(*^-^*
私見ですが・・・
彼は『雪に願うこと』の学役のような素朴な役よりも
『嫌われ松子の一生』の龍役のような
斜に構えた影のあるアウトロー役の方が合っているような気がしました。

とぼけた表情をした直後にふと一瞬、やるせない寂しそうな表情を垣間見せる
主人公:松子役の中谷美紀のナィーヴな表現力はさすがに素晴らしいですね。(*^-^*

私的に出演者で印象に残ったのは友達思いのめぐみ役:黒沢あすかです。
妖艶で魅惑的な女の濃い色気?と
気前が良くて頼もしい男勝りな潔さ!を併せ持っているめぐみ・・・。
堂々とAVの道に歩んだように見えても、実は愛する夫の為に決意した事。
心の奥には不安を抱えていた女の心の弱さ(女心の儚さ)も垣間見えて・・・。
複雑な女心の強弱を見事に表現していていました。(*^-^*

ラスト、松子が階段を登っていく場面は冗長な気もしましたが、
各エピソードをテンポ良くつないで、130分という長さを感じさせなかった。
独創的な作品の世界観にいざなわれました。
ほぼ完璧な出来だったと思います。(*^-^*

1 コメント

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ハッピーエンド (きのこスパ)
2006-06-21 02:58:37
はじめまして、

マイブログへのTB,&コメント、サンキューです。



> ある意味、ハッピーエンドな結末だったと私は信じたい・・・。



そうですね、ボクもこの映画、ハッピーエンドだと思ってます。

結局、松子はみんなに愛を与えるだけで、

自分はといえば、小さな幸せさえ手にすることはできなかった。

でも、映画の最後になって、

父からも…、作家志望の八女川からも…、ヤクザの龍からも…、

その他出会った多くの人たちからも…、

実は松子は、みんなから愛されていたことが分かってくる。

ラストで、松子が歌いながら天国の階段を上っていく場面は、

涙が止まらなくなってしまいました。







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